「労働条件の不利益変更の留意点」
~制度的変更、降格・降職・グレード引き下げにおけるポイント~
■ 近年、我が国の国際競争力が低下し続けていることは、我が国の貿易収支、経常収支の悪化、円安、1人当りのGDPの国際順位の下落からしても明らかですが(例えば、1人当たりのGDPは、経済協力開発機構(OECD)加盟国38か国中、2000年には15位であったところが、2021年には24位となっています。)、そうした国際競争力の低下を、労働という側面で見た場合、労働生産性の低さが大きな要因の一つであることは否定の余地がないところです(労働生産性でいえば、OECD加盟国中、2000年には20位であったところが、2022年には29位となっています。)。
■ こうした数値上、残念ながら否定し得ない我が国の労働生産性の低さは、原始的にいえば、労務の割に(少なくとも諸外国との比較において)成果を挙げてこなかったことを意味しますが、その原因の一つとして、日本の企業が労働者に対し貢献度に応じた報酬を支払う度合いが低かったことが挙げられます。殊に、近年のように著しいスピードで技術が進歩する社会においては、従来より続けてきたことを間違いなくこなしていくだけでは、変化の速度に対応できなくなっており、いわば、企業にとってマイナス要素のない従業員ではなく、企業にプラスをもたらす従業員が必要な時代となっています。そうした従業員に能力を発揮してもらうためには、当該企業において、貢献度に即した処遇を行っていくように、報酬制度を変えていく必要があり、重ねて、報酬制度に即して個々の労働者の処遇を適切に変更していく必要があります。
■ 現に、弊所においても、そうした報酬制度への変更のご相談、報酬制度に則した個々の労働者の処遇の変更のご相談が急速に増加しています。
■ 本セミナーでは、このような労働者の貢献度に即した処遇という見地より、企業が行うべき措置、その際に留意しなければならないポイントにつき、その要点を、具体的な裁判例に沿って、特に法的に有効・無効の判断がなされた焦点を見据えて、解説することを目途としています。
無論、最終的に司法判断を仰ぐこととなった場合(裁判となった場合)、その合法・違法は、個別具体的な事案(例えば、報酬制度の変更でいえば、企業側の必要性の程度、労働者側の不利益の程度及び種類等)により判断されることになりますが、本セミナーでは、その最大公約数的なところを、主に裁判例を参考にしながら解説することにより、少なくとも、「新たな報酬制度の導入時に、一次的な見落としだけは行わない」ことを目標としたいと考えています。
セミナー概要
テーマ詳細 |
内容:
① 労働条件の制度的変更における留意点 (ⅰ 法理面 ⅱ 裁判例 ⅲ 実務的注意)
② 降格・降職・グレード引き下げにおける留意点 (ⅰ 法理面 ⅱ 裁判例 ⅲ 実務的注意)
※なお、本セミナーに会場でご参加頂いた方(Zoom受講・後日配信受講は除きます)には、拙著「労働法実務 使用者側の実践知〔LAWYERS’ KNOWLEDGE〕 第2版」(有斐閣)を謹呈致します。
既にご購入頂いている方もいらっしゃるかもしれませんが、同書は労働法に関連して、現在、比較的よく生じうる紛争類型についての裁判例を概観し、その実務的な注意点を一覧しており、紛争予防としての人事・労務の業務において、参考になる一書と存じますので、ご活用下されば幸いです。 |
主催者 |
株式会社金融財務研究会 |
講師 |
弁護士法人髙井・岡芹法律事務所 代表社員弁護士 岡芹健夫 |
日時 |
2023年4月7日(金)14:00~17:00 |
会場 |
グリンヒルビル セミナールーム(東京都中央区日本橋茅場町1-10-8) 地図を見る
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参加費用 |
35,000円 /お二人目から30,000円
※消費税・参考資料込、会場受講者の方については書籍代込 |
定員 |
・会場:定員10名
・LIVE配信(Zoom):制限なし
・後日配信:制限なし
※いずれも開催前のお申込みが必要です。 |
お申込み方法
株式会社金融財務研究会のHPよりお申込みください。