(Part1)からの続き・・・
 
 
2.各ハラスメント防止指針等における「職場」について

(1)指針での「職場」の内容について

セクハラ防止指針 マタハラ防止指針 パワハラ防止指針
「職場」とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場 」に含まれる。取引先の事務所、取引先と打合せをするための飲食店、顧客の自宅等であっても、当該労働者が業務を遂行する場所であればこれに該当する。(平成18年厚生労働省告示第615号)【令和2年6月1日適用】 「職場」とは、事業主が雇用する女性労働者が業務を遂行する場所を指し、当該女性労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該女性労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれる。(平成 28 年厚生労働省告示第 312 号)【令和2年6月1日適用】 「職場」とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれる。(令和2年1月15日厚生労働省告示第5号)【令和2年6月1日適用】

(2)リーフレット における「職場」の内容について

  厚労省のリーフレット[i]において、「職場」とは、以下のように説明されています。

  事業主が雇⽤する労働者が業務を遂⾏する場所を指し、労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、労働者が業務を遂⾏する場所であれば「職場」に含まれます。

  勤務時間外の「懇親の場」、社員寮や通勤中などであっても、実質上職務の延長と考えられるものは「職場」に該当しますが、その判断に当たっては、職務との関連性、参加者、参加や対応が強制的か任意かといったことを考慮して個別に⾏う必要があります。

●「職場」の例
・出張先 ・業務で使用する車中
・取引先との打ち合わせの場所(接待の席も含む) 等

 
(3)まとめ

  「職場」というと、あくまでも労働者が勤務している事業所内を連想しがちです。

  しかし、「職場」という概念は、かならずしも事業所内に限られる訳ではなく、事業所外であっても、職務と関連があったり、職務の延長線上と評価できる場合には、「職場」の定義に含まれる可能性がある点については、特に経営者・管理職は留意しておく必要があります。

  なお、新型コロナ禍により以前よりは減ってきているとは思われるものの、就業時間後の飲み会の場であっても(ケースによっては就業時間後の上司などを含めたオンライン飲み会なども)、「職場」と評価される場合はあり得るところです。

  そして、実務的な感覚からしますと、未だに酒席の場でのハラスメント関係のトラブルが非常に多いのは紛れもない事実であるといってよいと思います。

  したがって、特に、経営者や管理職は、お酒の席のトラブルにより会社内でこれまで築き上げた信用を失墜させる事態とならないよう、酒席でのハラスメントにも留意しておく必要があります。

以上

                        文責:弁護士 帯刀康一

➣ 本弁護士解説の記事については、法改正、新たな裁判例の集積、解釈の変更等により、予告なく削除・加除等を行うことがある点については予めお断りをさせて頂きます。
 


 
[1]「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました︕」