1.ハラスメント防止に関する措置義務

  最近マスメディア等において、誰かの意に反することであれば、「●●ハラスメント」などとよばれ、様々なハラスメントが取り上げられるに至っています。

  しかし、現時点において、法律上、企業に対して、ハラスメント防止に関する措置義務が課されているのは、セクハラ[1] 、マタハラ[2] 、及びパワハラ[3]の3つです [4]

  それぞれの措置義務の内容については、厚労省のリーフレットである「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!」[5] の19頁から40頁において説明がなされています。

  したがって、企業は、各種のハラスメント防止に関する措置義務の内容に沿って、セクハラ、マタハラ及びパワハラ防止に関する対応策を講じておく必要があります。

 

2.措置義務の内容は、各ハラスメントによって異なるのか?

  法律で企業に対してハラスメント防止に関する措置義務が課されているセクハラ、マタハラ、パワハラの各措置義務の内容については、上記厚労省のリーフレットにおいて、それぞれのハラスメントに特有の事情に関するコメントがなされている箇所もあります。

  しかし、措置義務の具体的内容が明記されている指針の文言それ自体には、措置義務として企業が対応しなければならない内容についてあまり違いはないように思われます。

  そうだとすると、企業がハラスメント防止に関する措置義務の内容を検討する際に、セクハラ、マタハラ及びパワハラについて基本的には同じものとして取扱い、検討すればよいという結論になるのでしょうか。

  具体的には、ハラスメント防止に関する社内研修などを行う際にも、3つのハラスメントについて特段区別せずに行うということでも、その社内研修の実効性は担保されるのでしょうか。

 以降、part2に続く。

以上

                             文責:弁護士 帯刀康一

➣ 本弁護士解説の記事については、法改正、新たな裁判例の集積、解釈の変更等により、予告なく削除・加除等を行うことがある点については予めお断りをさせて頂きます。
 


 
[1] 男女雇用機会均等法。
[2] 男女雇用機会均等法、育児介護休業法。正確には、マタハラではなく「妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント」という表現になりますが、長くなりすぎるため、本コラムでは「マタハラ」という表現で統一します。
[3] 労働施策総合推進法。
[4] 措置義務の具体的内容は、それぞれ指針にて明示されている。
[5] リーフレットのタイトルからするとパワハラのことしか記載がないようにも思われがちであるが、セクハラ、マタハラについても総合的に解説されている。