1.SOGIハラとは?

  LGBTという言葉については、聞いたことがあるという方は多くなってきたと思いますし、その意味についても理解されている方が増えてきていると思います。

  ちなみに、LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつとされています。

  それでは、SOGIという言葉の意味をご存じでしょうか?

  SOGIとは、Sexual Orientation(性的指向)と、Gender Identity(性自認)の頭文字をとった、人の属性の略語とされており、これは異性愛の人なども含めたすべての人が持っている属性を指します。

  SOGIは、性的指向・性自認はすべての人が持っているものであり、人ごとに違っていて当たり前という ニュアンスが含まれているため、人権等への配慮の観点から,国際社会においては,だれがセクシュアル・マイノリティなのかを端的に示す LGBT という表現ではなく、SOGI という表現を用いることがスタンダードになってきていることは、知っておく必要があります。

  そして、SOGIハラとは、法律上の定義はありませんが、抽象的な定義としては、職場における性的指向および性自認(Sexual Orientation and Gender Identity)についてのハラスメントと表現することができると思います。

 

2.SOGIハラとパワハラ防止指針

  なぜ、SOGIハラを取り上げたかといいますと、本コラムで何度か取り上げているパワハラ防止指針において、SOGIハラに関する事項が盛り込まれたことから、特に企業の人事労務担当者は、SOGIハラを知らないとは言えない状況になっているからです。

  パワハラ防止指針におけるSOGIハラに関する記載の一例としては、「2 職場におけるパワーハラスメントの内容 (7)ロの精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)」の類型で、職場のパワハラに該当すると考えられる例として、以下の事例が記載されたことが挙げられます。

「人格を否定するような言動を行うこと。相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を行うことを含む」

  このように、性的指向・性自認に関する侮辱的な言動はパワハラとなる可能性がありますので、留意する必要があり、企業としても対応が必要とされていることは認識しておく必要があります。

  なお、職場におけるSOGIハラ、アウティングに関する対応については、労務事情(令和2年9月1日号 No.1410 株式会社産労総合研究所)に掲載された、「パワハラ防止法・パワハラ防止指針を踏まえた『職場のSOGIハラ』『アウティング』防止に関する措置義務の留意点」という記事にて解説をしていますので、併せてご参照頂けますと幸いです。

以上

                     文責:弁護士 帯刀康一

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