1.パワハラ防止法の制定

  このコラムの第1回で、「パワーハラスメントの定義は万能か」というテーマの記事を掲載しましたが、あれからコラムを放置し続け、4年以上が経過し、いつの間にかパワハラ防止法(正式名称「改正労働施策総合推進法」)が制定され、事業主には、パワハラ防止措置等を講じることが義務付けられることになっていました(大企業は令和2年6月1日に施行済。中小企業は令和4年3月31日までは努力義務)。

  これをきっかけに、これからは、あまり肩肘張らずに、少しずつでもコラムは更新していきたいと思います。

 

2.パワハラ防止法に関する資料等

  これからも、パワハラに限らず、ハラスメントに関するトピックを取り上げていきたいと思いますが、大企業については、パワハラ防止法が施行されているということもあり、すでに対応を行っている企業が多数かと思います。

  しかし、中小企業は、令和4年3月31日までは努力義務とされているため、パワハラ防止に関する措置義務への対応まで手が回っていないという企業もあるのではないでしょうか。

  そこで、上記の対応に着手するためのとっかかりとして、まずはパワハラ防止法・パワハラ防止指針の内容やハラスメント一般についても知っておく必要があると思いますので、そのために参照しておいた方がよい資料が掲載されている「厚生労働省」と「あかるい職場応援団」のホームページのURLを以下に載せます。事業主は、パワハラ防止に関する措置義務として何をしなければならないのか、ということを知る端緒として頂ければ幸いです。

  また、拙著の宣伝になってしまいますが、2019年11月にパワハラ防止法に関する書籍を出版させて頂きましたので、そちらもお読み頂けますと幸いです。類書との比較で言えば、「業務指導とパワハラの線引き」に関する考え方については、厚く記述・説明しており、特に、人事・労務を担当している方々はもちろんのこと、経営者・管理職の方々も読んで頂ければ、どのような言動がパワハラとなるのか、パワハラにならないためにはどこに留意しておけばよいのかがお分かり頂ける内容となっていると思います。

  さらに、パワハラ防止法において事業主に対してパワハラ防止措置が義務付けられましたが、この措置義務については、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示5号)(以下「パワハラ防止指針」)においてその内容が明示されています。同パワハラ防止指針についても、『労政時報』(第3992号 2020年4月24日発行)に掲載された「パワハラ指針を踏まえた企業における実務対応と留意点」という記事にて解説していますので、併せてご参照頂けますと幸いです。

 

【厚労省のホームページ】

【あかるい職場応援団】

【1冊でわかる!改正早わかりシリーズ「パワハラ防止の実務対応」】

【パワハラ指針を踏まえた企業における実務対応と留意点】

以上

文責:弁護士 帯刀康一

➣ 本弁護士解説の記事については、法改正、新たな裁判例の集積、解釈の変更等により、予告なく削除・加除等を行うことがある点については予めお断りをさせて頂きます。