うつ病等の精神疾患(私傷病)により休業していた労働者の休職期間満了まで残り3か月となりました。会社として、どのような対応をすべきでしょうか。

休職期間満了までに病気が治癒すれば、休職中の労働者は復職することとなります。

復職可能かどうかについては、医師の診断書等の医学的な資料がなければ判断することが困難ですので、通常、医師の診断書の提出を求め、産業医との面談を行った上で、その意見書を踏まえて、使用者において当該労働者の復職の可否を判断することとなります(判断基準については、「休職からの復帰における治癒の判断基準」をご参照下さい)。

ここで、「復職」というのは、休職前の業務(原職)に復帰させることが原則ですが、当該労働者の治癒の状況によっては、例外的に原職以外の業務を行わせることも検討しなくてはなりません(職種や業務内容が特定されていない労働者の場合についての判断として、片山組事件・最一小判平成10年4月9日労判736号15頁)。

 

このように、復職の可否の判断には使用者において事前の準備が必要であり、一定程度時間を要することが予想されますので、当該労働者の休職期間の満了が近づいてきた場合には、当該労働者に対して、復職の意思がある場合は予め復職の可否の判断にあたって必要となる資料(主治医の診断書)の提供や、産業医または産業医から推薦・指定を受けた専門医との面談を行ってもらう場合があること、必要に応じて使用者から主治医に連絡を取って当該労働者の状態についての情報提供を頂く場合があること(情報提供についての同意を得ておくこと)などをアナウンスしておかれるのが宜しいと思われます。

ご質問では「休職期間満了まで残り3か月」とのことですが、使用者としては、このような準備を行うために必要な期間を想定した上で、当該労働者に連絡を行うことが望ましいのであって、対応時期は「残り3か月」に縛られるものではありません。

なお、使用者としては、休職期間満了前に、当該労働者に対して上記のようなアナウンスをしなければならない法律上の義務はありませんが、上述のとおり、事前にアナウンスをしておかなければ復職の可否を判断することが困難であると思われます。

 

また、使用者としては、復職の判断にあたって、当該労働者の「リハビリ出勤(試し出勤)」を実施し、そこでの状況も踏まえた判断をすることも考えられます。「リハビリ出勤」とは、法律上の制度としてあるものではなく、明確な定義づけもありませんが、当該労働者が復職できるかどうかを見極めるために試験的に通勤や作業等を行わせる対応をいいます。

リハビリ出勤の実施時期としては、休職期間中に行う場合と休職明け後に行う場合とがありますが、ご質問との関係でいえば、休職期間中に実施する場合には、リハビリ出勤期間も加味した準備期間を想定することが必要となります。

なお、リハビリ出勤については、当該期間中に事故に遭った場合や当該期間中の賃金の取扱いといった問題があるところですが、これは別の機会にご説明いたします。

以上