豪雨による土砂崩れで公共交通機関が全面的に運休し、数日間出社できない社員が複数発生しました。後日、対象者のうち希望者は年次有給休暇(以下、年休)扱い、その他の者は欠勤扱いとしました。

 ところで、当社では、賞与の支給に際して、考課結果などから算定された賞与額に出勤率を乗じて支給する定めがあります。このケースの場合、年休扱いと欠勤扱いで賞与額の算定(出勤率)に違いが出ても問題ないでしょうか。

1 賞与の性格

ご質問では、賞与の支給額について問題となっていますので、まずは賞与の性格について理解しておきましょう。

 

賞与とは、一般に半年等一定の期間のごとに会社、個人の業績に基づき従業員に支払われる金員であり、月例給与がコストとされるのに対して、賞与は利益を原資として配分されているのが一般です。

こうした賞与の性格は、基本的には支給対象期間の勤務に対応する賃金ということになりますが、そこには功労報償的意味のみならず、生活補填的意味、将来の労働への意欲向上策としての意味も込められているというのが一般的な見解とされています(菅野和夫『労働法第10版』[弘文堂]291ページ)。

 

法令の面から見ると、労働基準法(以下、労基法)には賞与について規定したところはありませんが、その判断基準として、行政通達は「定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないものをいう」(昭和22.9.13発基17)としています。

また、労基法89条4号は、賞与が会社内で制度として設けられる場合には、就業規則に規定するように求めています。

(次回に続く)

労務行政研究所「労務行政」第3884号120頁掲載「相談室Q&A」(岡芹健夫)の冒頭3分の1部分を転載

 

以上