中国現地法人の就業規則を見直す場合の注意点について、教えてください。

前々回前回に引き続き、就業規則見直しの主なチェックポイントについてお伝えします。

(3)懲戒事由について

就業規則を見直す際に、懲戒解雇事由を再検討するケースが増えています。中国では、使用者による解雇事由が法律で定められています(労働契約法39条、40条)。他方、法律で定められた労働契約終了事由以外に、他の労働契約終了事由を約定することは許されません(労働契約法実施条例13条)。

そこで、就業規則で定める解雇事由が、法定解雇事由のいずれに該当するのか、という点を明らかにしておくことが重要となります。

たとえば、中国労働契約法39条2号では「使用者の内部規定に著しく違反した場合」という解雇事由が法定されています。しかし、具体的にどのような場合が「使用者の内部規定に著しく違反した場合」に該当するのか、特に「著しい違反」とは何かという点については法文からは明らかではありません。

そのため、就業規則において「以下のいずれかの事由に該当する場合、『使用者の内部規定に著しく違反した場合』とみなす」と規定することで、法定解雇事由と懲戒解雇事由との関係を明確にすることができます。これによって、就業規則で定めた懲戒解雇の有効性を担保することが可能となります。

他方、上記の点を意識せず漫然と懲戒解雇事由を列挙している就業規則の場合、懲戒解雇が無効と判断されるリスクが高くなってしまいます。

これまでたくさんの企業の就業規則を確認してきましたが、この点をしっかりと押さえることができているものは少数でした。就業規則の記載が絵に描いた餅とならないように、是非とも注意してください。

 

以上