中国現地法人の就業規則を見直す場合の注意点について、教えてください。

前回に引き続き、就業規則見直しの主なチェックポイントについてお伝えします。

 

(2)年次有給休暇について

年次有給休暇という制度は日本にもありますが、その仕組みは日本と大きく異なっています。たとえば取得要件に関して、以下の2点に注意が必要です。

 

① 取得要件

一定期間勤続することで年次有給休暇を取得することができる点では日本と同様です。中国では勤続1年が取得要件となります。

一方で、中国では、自社で働く以前に他社で勤務していた期間も通算して計算します。したがって、中途採用の場合、入社時点で年次有給休暇の取得要件を満たし、相応の日数を付与する必要があるケースもありますので注意が必要です。自社での継続勤務年数のみで年次有給休暇の取得要件を判断するわけではないという点は、中国と日本で大きく異なります。

次に、日本では算定期間中の出勤率(8割)も取得要件として規定されていますが、中国ではこのような規定はありません。したがって、一定の出勤率を年次有給休暇の取得要件とすることは許されませんのでご注意ください。

 

② 未消化年次有給休暇の買取り義務

日本では、未消化有給休暇の買取り義務は定められておりません。さらに、日本では、会社から一方的に未消化有給休暇を買い取ることも許されません。

しかし、中国では未消化年次有給休暇の買取り義務が定められています。また、従業員の同意なく未消化年休休暇を翌年に繰り越すこともできません。したがって、当年中に未消化となった年次有給休暇は原則として使用者が買い取る必要があります。

年次有給休暇に関する就業規則の規定は、日系企業が最も勘違いしやすい事項です。少なくとも以上の点について、法律と異なる規定となっていないか、改めてチェックをする必要があります。

 

以上