中国で労働契約書を作成する場合、記載しなければいけない事項はありますか?

中国では、労働契約書に記載しなければならない事項(以下「必要的記載事項」といいます。)が法定されています(中国労働法19条、中国労働契約法17条)。日本でも、原則として書面によって提示しなければならない労働条件が法定されている点は同じといえます(日本労働基準法15条1項)。なお、日本の場合、必ずしも労働契約書の形式で労働条件を提示することまでは求められていないことは小職の4月22日掲載のコラムで述べたとおりです。

2015年4月22日掲載 五十嵐充弁護士執筆「弁護士コラム」

そして、中国の労働契約書における具体的な必要記載事項は以下のとおりです。

中国労働法19条・中国労働契約法17条

 
・  使用者の名称、住所及び法定代表者又は主たる責任者  
・  労働者の氏名、住所及び住民身分証明書その他有効な身分証書の番号  
・  労働契約期間  
・  業務内容

・  勤務内容及び勤務地

 
・  勤務時間並びに休憩、休日及び休暇

・  労働保護、労働条件及び職業性の危害の防護

・  労働報酬
・  労働紀律  
・  社会保険  
・  労働契約違反に対する責任  
・  労働契約終了の条件  
・  法律、行政法規に規定する労働契約に記載すべきその他の事項  

中国の場合、上記の外に、各地方において必要的記載事項を上乗せして定めているケースもあり、注意が必要です。

例えば、北京市では、労働契約書において労働者の性別、年齢などの基本的状況についても記載することが求められています(北京市労働契約規定12条)。

他方、上海市では、現時点で上乗せ事項は定められておりません。

なお、中国では、多くの省で地域の実情に合わせた労働契約雛形を交付しています。

<北京市の労働契約書雛形>http://www.bjrbj.gov.cn/bsfw/bgxz/ldht/index_2.html

以上