会社でセクハラ事件が発生した場合に、再発を防止するためにはどうしたらよいですか?

会社がセクハラ事件が発生した場合、会社には、被害者・行為者に対する対応の他にも、会社は従業員に対して、改めて職場におけるセクシュアルハラスメントに関する方針を周知・啓発する等の再発防止に向けた措置を講ずることが求められています。ここでの留意点として、以下の点が挙げられます。

(1) 従業員に対する周知・啓発は具体例を用いて行うこと

セクハラが許されない行為であること、セクハラを行った者が処分されることは、既に常識であり、従業員も理解していると思われます。にもかかわらず、セクハラ行為が発生する理由としては、従業員の間に、「うちの会社ではこれくらいは許される」、「今まで何も言われなかったから、このくらいは相手も同意している」といった誤解、悪しき風習が存在していることが考えられます。行政の啓発パンフレットや裁判例など、一般社会で問題となった具体的な事例をもとに、社内の常識に囚われない周知・啓発を行うことがポイントです。

(2) 定期研修に組み込むこと

問題が起きた時だけ周知・啓発を行うやり方では、従業員のセクハラに対する意識が薄れる虞があります。管理職研修や入社後の定期研修に組み込み、問題が発生しなくても、定期的に、セクハラの実例やセクハラに関する方針等についての周知・啓発の機会を設けることが適切です。

以上