セクハラ事件が発生した場合に、被害の拡大を防止するためのポイント

事実調査の結果、セクハラ被害の存在を確認することができた場合には、セクハラの被害拡大を防止する観点から、行為者に対する措置及び被害者に対する措置をそれぞれ適正に行うことが必要です。ここでの留意点として、以下の点が挙げられます。

(1) 行為者と被害者とを異なる職場に配置転換すること

セクハラ被害が確認された後も、行為者と被害者とを同じ職場とすることは適切な対応とはいえません。両者を日常的に顔を合わせることのない、全く別の職場に移すことが望ましいといえますが、それができない場合であっても、ラインや担当業務を変えるなど従来よりも仕事上の関わりが少ない関係とすることが適切です。

(2) 行為者に対する処分

行為者に対しては、就業規則やセクハラの禁止を定めた規程に基づいて、注意・警告処分や懲戒処分等のペナルティを与えることが必要です。「当社では初めてのことだから」とか「行為者が反省しているので」といった理由で、何の処分も行わないことは、会社はセクハラを不問に付した=黙認したと評価されても仕方ありません。

行為者に対して、二度とセクハラ行為を行わないように注意することや、相談者を逆恨みすることのないように説諭することはもちろんのことです。

(3) 懲戒処分を実施する際、詳細な事実関係を公表しないこと

一般的に、懲戒処分については、被処分者・処分理由・処分の内容を社内で公表しているケースが多いようですが、セクハラの場合は、被害者のプライバシー保護の観点から、適用規定・処分内容の公表のみに止め、被害者・行為者の特定につながるような公表は控えることが適切です。

以上

(「現代型問題社員対策の手引〔第4版〕-生産性向上のための人事措置の実務-」 民事法研究会より 一部加筆しています)
民事法研究会HPはこちら

こちらもご覧ください
2013年12月18日【弁護士コラム】小池啓介弁護士「セクハラ事件が発生した場合に、会社が行うべき対処の基本」
2013年12月25日【弁護士コラム】小池啓介弁護士「セクハラ事件が発生した場合に、会社が事実調査を行う上でのポイント」