セクハラが実際に起きてしまった場合にどんな事態が想定されるのか、具体的に教えて下さい。

(1)
まず、セクハラの被害者は、セクハラによって精神的ショックを受けていることが多く、このような精神的ショックが精神的な疾患に発展し、欠勤に至ることがあります。セクハラの被害者が、このような欠勤によってセクハラの被害者が受けた損害について、労災保険による補償を申請した場合、労災として認定される可能性は十分にあります。

(2)
また、労災による補償以外にも、セクハラ被害者から加害者に対して、不法行為(民法709条)に基づく慰謝料請求や、精神的な疾患による損害の賠償請求がなされることも考えられます。

(3)
さらに、会社に対しても、セクハラの加害者を使用している者として、使用者責任(民法715条)に基づく慰謝料請求・損害賠償請求がなされる可能性があります。また、「会社がセクハラ防止のための措置を尽くさなかった」、「セクハラの事実が発覚した後、被害回復のための適切な対応を取らなかったため、被害が拡大した」といった場合には、雇用契約上の安全配慮義務違反に基づく慰謝料請求・損害賠償請求がなされる可能性があります。

(4)
新入社員が上司や会社に対して損害賠償請求をしてくることは、最近ではそれほど珍しいことではありません。そこまでには至らないとしても、被害者が労働局や、地方自治体が設置している相談センターなどの行政機関に対して相談を行い、行政機関から会社に対して事実関係の確認や解決のあっせんが行われることは珍しくなくなってきています。

(こちらもご参照ください)
2013年3月21日コラム「セクハラの範囲、リスク~どこからがセクハラ?」

以上

(「現代型問題社員対策の手引〔第4版〕-生産性向上のための人事措置の実務-」 民事法研究会より 一部加筆しています)

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