採用とメンタルヘルス~採用面談時における既往病歴の詐称があった場合の対応方法とは

採用面接時において、採用応募者に精神疾患の既往症につき尋ねることは、殊に正社員の採用の場合には可能であると解されますが、自分の既往症について正直に申告しないことも少なくないと思われます。そうした場合、採用して就業した後になって、採用した社員が採用面談時に申告した内容(精神疾患の既往症なし)に偽りがあったことが発覚した際、使用者が当該社員を解雇することが可能であるか、問題となります。

この事案についての裁判例である福島市職員事件(仙台高裁昭和55年12月8日決定労判365号速報カード33頁)では、「秘匿された病歴が、職務遂行能力の判例に影響を及ぼす虞の少い軽度のものであるならば、右秘匿ともって、直ちに分限免職を相当とする理由」にはならないとした上で、当該職員が秘匿したてんかん病の症状は軽度なものであることを理由に、当該職員への免職処分を無効としました。

つまりは、既往症につき詐称した当該社員の病状が職務遂行の能力の判断を左右する(と裁判所が認定する)程度に重度のものであるか否か、が結論の分かれ道となる、ということとなります。

以上