
著者 | 高井伸夫 |
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出版社 | 有斐閣 |
初版発行日 | 1987年9月20日 |
ページ数 | 561頁 |
ISBN | 4-641-09981-2 |
内容紹介
終身雇用制を正面から見すえて法理論化~東京大学教授 菅野和夫先生推せん!
「本書は、企業の人事権の内容を総合的に明らかにする実務書であるのみならず、従来の労働法学におけるオーソドックスな契約法理論にするどい反論を行なう理論書でもある。・・・企業人にとっては、日本的雇用管理の実相にぴったりと合致した爽快な理論として歓迎されるであろう」
目次
序文
はしがき
第一章 採用の自由
- 第1節 如何なる条件をもって採用するかの自由について
- 第2節 如何なる者を採用するかの自由について
- 第3節 労働契約の要式性
- 第4節 労働者も労働契約締結の自由を有すること
- 第5節 労働条件に関する特約の意義
- 第6節 労働契約が成立する時期
- 第7節 採用の自由に関連する判例の分析
第二章 配置権(1)-配転にみる人事権の展開
- 第1節 配置権の根拠―企業組織法に依拠するものであること
- 第2節 配置権を制約するものー労働者人格毀損への配慮
- 第3節 労働協約あるいは就業規則にある配置換え基準について
- 第4節 企業は組合活動家を配置換えするに当って組合活動上の便宜を考慮しなければならない
- 第5節 配置権の行使に当っては労働者の私的な事情をも考慮しなければならないか
- 第6節 配置転換拒否に対して懲戒権行使が許容される理由
- 第7節 職種・勤務地につき限定する特約がある場合にも企業は余剰人員となった労働者を直ちに解雇しえないとする理由
- 第8節 労働者は上司を否認することができるか
- 第9節 配置権に関連する判例の分析
- 第10節 配置権についての総括 −配置権は労働者の主体性に対応するものであること−
第三章 配置権(2)−操業時間への割付け−
- 第1節 労働時間制における組織法的機能の投影
- 第2節 労働基準法第89条第1項第1号の意義
- 第3節 労働基準法第33条の意義
- 第4節 労働基準法第41条2号の管理監督者とは
- 第5節 労働時間制に関する判例の分析
第四章 配置権(3)−昇格・降格−
- 第1節 昇格は人事権として機能していること
- 第2節 昇格が訴訟の対象になじみ難く、降格が訴訟の対象となる所以
- 第3節 昇格と団結権
- 第4節 労働者は昇格請求権をもたないこと
- 第5節 降格が不当とされる理由
- 第6節 昇格・降格に関する判例の分析
第五章 組織法的機能と賃金額決定
- 第1節 企業に本来的に存する要素とは何かー公平さの確立
- 第2節 同一労働同一賃金
- 第3節 組織法的機能と賃金額決定に関する判例の分析
第六章 解雇権
- 第1節 解雇権に関する判例の分析
- 第2節 総論
- 第3節 内定取消・試用解約・雇止め・休職期間満了による解雇権
第七章 懲戒権
- 第1節 懲戒解雇に関する判例の分析
- 第2節 懲戒権の本質