高井伸夫先生の教えの活かし方を考えるの最近のブログ記事

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2016年12月14日(水)17:38 スーパームーンを撮影

 

 

 

株式会社 開倫塾
代表取締役 林 明夫

 

「多様な働き方改革を考える―人件費を固定費から流動費に―」

 

1.高井伸夫先生からお教え頂いたことは数知れません。

(1)「企業は原則倒産」

昨年のように今年があり、今年のように来年があると考えたら、2年後、3年後には、その会社は存在しない。

(2)「事情変更の原則」

企業を取り囲む環境変化は著しい。事情が大幅に変化したら、今までの考え方を中止し、状況に合った考えに基づいて行動しなければならない。

(3)「人件費を固定費から流動費に」

売り上げ、利益は、競争状態や社会の経済状況によってどんどん変化する。上昇し続ける人件費を、固定費として存続し続ける企業はない。人件費をどう流動費とすることができるかを考え続けよ。

(4)「雇用契約(労働契約)」を「請負契約」に

労働生産性が低い企業、とりわけ、サービス産業は雇用契約(労働契約)ではもたない企業が多い。新しくサービス産業をやるのなら、はじめから請負契約で行った方がよい。

(5)「多様な働き方改革」

この改革をすすめる企業以外、これからは生き残れない。

 

2.

 (1)以上の教えは物事の本質を見事に突くもので、文字通り「ぐうの音」も出ません。私にとっては考えたこともないことばかりで衝撃的で、しばらく思考停止になってしまうほどです。

(2)ただし、表現は激しく、抽象的ですが、折に触れ1つ1つの教えの本当の意味は何か、自分の会社にとってどのような意味があるかをゆっくり考えてみると、少しずつでも取り組むべき道筋が出てきます。

(3)開倫塾は1979年創業、2017で創業38年目を迎える栃木県・群馬県・茨城県に60校舎を展開する小学生・中学生・高校生を対象とする社員400名余りの地元になくてはならない中堅企業を目指す企業ですが、高井伸夫先生の教えを少しでも実行に移し、倒産しない会社づくりに昼夜励んでいる企業でもあります。

(4)この1年間12回にわたり、「髙井伸夫先生から教えて頂いたこと」というテーマで文章を書かせて頂いた最終回として、「開倫塾の多様な働き方改革への挑戦」を紹介させて頂きます。

 

3.開倫塾の働き方改革を考える

(1)「企業は原則倒産」―「倒産しない会社づくり」が第一。

①高井先生から「企業は原則倒産」と何十回も教えて頂いたのですから、働き方改革の前提として、どんなことがあっても「倒産」だけは避けたい。

②開倫塾は未公開会社ですが、2011年より四半期決算を確実に実施。その前提として、月次決算を行うために毎月末には本部と60校舎すべてで実地棚卸しを実施。2016年から財務会計に加え、管理会計も導入しました。経営者である私は、地域の中堅企業としての「統合報告(Integrated Reporting)」の勉強をスタート。社員や金融機関、ビジネスパートナー、地域社会の皆様が見るに耐えるだけの統合報告書の作成を目指しています。

③「人づくり」こそが、「倒産しない会社づくり」の「基本のキ」。経営幹部にはできるだけ質の高い専門家の先生方の直接指導・個別指導を毎月お願いしています。

(2)「出入り自由な開倫塾づくり」

①様々な理由で開倫塾を一度退社した方々をもう一度開倫塾にお迎えすることが、「超人手不足」の解消に直結します。

②10年前、20年前に開倫塾を退社なさった方々が、子育てや介護を終えられて、再び開倫塾で働くことができるよう、万全の体制を整えています。

(3)「パソコンのスキル向上のためのパソコン研修」

①2015年度から、開倫塾では全社員を対象に、年間で合計8日間の本格的なパソコン初級研修を実施。

②タッチタイピングを含む「パソコン基礎」「ワード初級」「エクセル初級」がその内容です。

③2017年は、開倫塾本部と60校舎すべてのパソコンをwindows10に交換するので、「パソコン研修windows10版」も企画。

(4)「キャリア権推進企業宣言」

①開倫塾は、2011年度より「キャリア権推進企業」を宣言。「自分のキャリアを自分で形成することは基本的人権の一つ」であると考え、塾生や保護者、地域社会の人々、ビジネスパートナー、そして何よりも社員の皆様の「キャリア形成」を全面的に支援しています。

②開倫塾のすべての研修会は、非常勤講師の先生や事務パートの皆様も参加可能で、すべての研修会への積極的な参加を呼びかけています。

③幹部登用に向けての外部研修の半数以上は女性の参加になるよう努めています。

(5)「85歳過ぎまで働ける職場づくり」

①開倫塾の先生の条件は3つ。「子ども好き」「声が大きい」「研究熱心」、この3つの条件に適い、塾生を教えるに足りる「学力」と「気力」のある方であれば、性別、年齢、出身などは一切関係なく、開倫塾の先生として活躍可能です。

*ちなみに、開倫塾の絶対的禁止事項は、「セクシズム(性による差別)」、「エイジズム(年齢による差別)」、「レイシズム(出身による差別)」です。

②事務やカウンセリング、校舎管理など、教科を教える以外の仕事も山ほどあります。

③開倫塾でよければ、元気に働ける間は、85歳過ぎまで働く。たとえ週1回、1時間でもOKですから、元気に働く。85歳過ぎまで働ける職場づくりが、開倫塾の目標です。

(6)「テレワーク推進企業」

①開倫塾の仕事の中には、本部事務所や校舎でなくても、自宅などでできる仕事がたくさんあります。

②2017年より、作業の見直しや標準化を大幅にすすめ、「テレワーク」を大いに推進したく存じます。

③現在でも、一部業務を自宅等でやって頂いております。

(7)「健康経営企業づくり」

①まずは、「歯科」を含む「定期健康診断」の全員受診と診断結果の最大活用が第一。

②そのために、総務部に「健康経営企業推進室」を設置。健康診断をしてくださっている病院と産業医、顧問をお願いしている歯科医の先生方との協力を綿密にして、非常勤講師や事務パートの皆様を含む全社員の健康づくりに励んでいます。

③毎学期に一回ずつ、産業医や地元の足利工業大学看護学部長の先生方を講師としてお招きし、「健康ライフを考える会」を開催。

(8)①開倫塾では、社員が被選挙権を行使する際には、社員としての身分のままで立候補でき、また、公職を離れた場合には元の職に復帰できます。

②公民としての社会的義務を果たすことを支援する企業を目指しています。

③ただし、被選挙権を行使し、選挙に立候補する社員を企業として応援するか否かは、政策内容によります。社員同志が応援するのは自由です。

 

おわりに

(1)2016年1月から12月まで12回にわたり、高井伸夫先生から教えて頂いたことをどのように活かしたらよいかについて、私の拙い文章をお読み頂きありがとうございました。

(2)私自身、大学を出て29歳まで、開倫塾を創業するまで司法試験の勉強をし、また、実の弟の故林俊夫(ペンネーム、森圭司)が弁護士をしていたため、弁護士である髙井先生にお教え頂いたことをいつも特別な親しみと感謝をもってお伺いしておりました。

(3)お教え頂いたことを、少しずつ温め、試行錯誤、失敗に失敗を重ねながら、実行に移し、今日に至っております。これからも、読者の皆様とともに、高井伸夫先生にお教え頂き、一歩一歩確実に前進して参りたいと存じます。

ありがとうございました。

感謝

2016年12月26日(月)

 

 

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2016年11月23日(水)8:42 武道館にて撮影

 

 

 

株式会社開倫塾
代表取締役 林 明夫 

 

「心の経営体を求めて」

 

Q:林さんが会長を務める開倫ユネスコ協会では、11月17日(木)に東京の青山学院大学の前にある国際連合大学本部のエリザベス・ローズ国際会議場で「ユネスコ世界哲学の日」の講演会を開催したそうですね。なぜですか。

A:パリに本部のあるユネスコでは、2002年に、毎年の11月第3木曜日を「ユネスコ世界哲学の日」と定め、「哲学なくしてユネスコなし」のスローガンの下に、平和の哲学に基づき国際平和と持続可能な社会の実現を目指しているからです。

 

Q:11月第3木曜日が「ユネスコ世界哲学の日」であることは、日本ではあまり知られていないようですね。

A:私はパリのユネスコ本部のホームページを見て「ユネスコ世界哲学の日」があることを知り、2011年の開倫ユネスコ協会設立10周年の記念式典のときから「ユネスコ世界哲学の日」の講演会を開催しております。

 

Q:ところで、高井伸夫先生は「心の経営体を求めて」という崇高なお考えをお示しになっておられます。林さんは、高井先生の「心の経営体を求めて」とは何だとお考えですか。

A:「経営を担う者は、自分なりの哲学をもって経営にあたるべし」「哲学なくして経営なし」ということを、高井先生は「心の経営体を求めて」ということばで教えてくださっているのだと考えます。その意味で、「哲学なくしてユネスコなし」というユネスコの基本理念と相通ずるところがあると思います。

 

Q:では、お伺いします。経営者としてどのように哲学を学んだらよいのでしょうか。多くの経営者は、学生時代には哲学の勉強をしたものの、社会に出てからは、特に経営者となってからは哲学の勉強などしたことがないという人がほとんどだと思います。手始めにどんな本を読んだらよいと林さんはお考えですか。

A:

(1)フランスのリセという大学進学を目指す高校では、高校3年生のときに「哲学」を正式な教科として学び、大学へ進学するようです。

(2)日本で哲学の基礎を学ぶのは、高校2年生の「倫理」の授業です。以前は必修教科でしたが、最近は選択教科になってしまったため、「倫理」を学ばずに高校を卒業する高校生が大半となってしまいました。大学に入学して哲学を履修すればよいのですが、哲学が必修教科である大学は数少ないようです。日本では旧制中学の時代にはあんなに盛んであったのに、高校でも大学でも哲学を学ばずに世の中に出る人が大半である今の日本は、「哲学不在」の国になってしまうようで残念でなりません。

(3)それはさておき、哲学を学ぶにはどのような本を読んだらよいかという御質問ですね。私の答えは、ズバリ、山川出版社刊の「もういちど読む山川倫理」(2011年4月10日刊)と「もう一度読む山川哲学―ことばと用語」(2015年10月20日刊)の2冊です。どちらも小寺聡編です。

(4)この2冊の本は、高校の教科書として使われている「現代の倫理」をベースに書かれたものです。高校で倫理の先生から哲学の基礎・基本のお話をお聞きするような態度で、同じ編者である2冊の本を絶えず参照しながら、一語一語かみしめるようにゆっくりと、できれば、ノートをお取りになりながら1~2年かけてお読みになることをお勧めいたします。

(5)この2冊の本を読むときには、必ず最初の1ページ目から読み終えたページまでをゆっくりと読み直してから、新しいページ、新しい内容に入ることをお勧めいたします。すべての学校の教科書は学問体系に基づいて書かれておりますので、倫理や哲学の基礎を高校の教科書で学ぶ際にも、今までに学んできたことを踏まえて新しい内容を学んだほうが理解が容易になると考えられるからです。是非、お試しください。

(6)このようにしてお読みになった2冊の本は、決して処分なさらないことです。皆様の倫理や哲学の基礎・基本の教科書として、生涯にわたって折に触れて読み返すことをお勧めいたします。

 

Q:興味のある内容や哲学者、思想家が出てきたらどうしたらよいですか。

A:

(1)少し高価ですが、中国の古典でしたら明治書院刊の新釈漢文体系をお買いになって、現代語訳である「通釈」の部分だけでもゆっくりと通読なさることです。内容がよくわかったら、漢文の「書き下し文」を音読したり、1つ1つの語句の解説である「語釈」、各章ごとの「余説」をお読みになることをお勧めいたします。

(2)日本や世界の古典は、岩波文庫や講談社学術文庫はじめ様々な文庫や新書で、読みやすい、また、わかりやすい現代語訳や日本語訳をお探しになり、ゆっくりと通読。興味がわいてきたら原文を探し出し、現代語訳をよく読んでから「音読(声を出して読むこと)」することをお勧めいたします。

(3)そして、お気に入りの文章や考えに出会ったら「書き抜き読書ノート」に書き写し、繰り返し読み直して自分のものとする。経営者として、また、人間としての基礎・基本を哲学に求める、高井先生の教えである「心の経営体を求めて」には、これが一番の方法と考えます。

 

Q:現代的な課題について経営者として、また、人間として哲学的に考えるには、どのような本を読んだらよいでしょうか。

A:

(1)ベストセラーになりつつある岡本裕一朗著「いま世界の哲学者が考えていること」ダイヤモンド社2016年9月8日刊と戸田山和久著「哲学入門」ちくま新書、筑摩書房2014年3月10日刊の2冊がお勧めです。

(2)哲学を本格的に学びたい方には、松永澄夫著「価値・意味・秩序―もう一つの哲学概論、哲学が考えるべきこと」東信堂2014年4月25日刊と同著「哲学史を読む」東信堂2008年刊の2冊がお勧めです。

 

Q:最後に一言どうぞ。

A:法律家の皆様に是非お読み頂きたいのは、少し厚めですが、ジョン・ロールズ著「正義論」紀伊國屋書店2010年11月24日刊です。イエリネックの「一般国家学」やラートブルフの「法哲学」も是非お読み頂き、国家とは何か、法とは何かを初心に返ってお考え頂きたく存じます。丸山真男先生や福田歓一先生の古典的著作も岩波文庫で容易に読めるようになりました。法律家として政治のあるべき姿をお考えになるときに、お二人の政治哲学は参考になると確信いたします。

是非、御一読を。

以上

2016年11月27日(日) 

 

 

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2016年10月15日(土)16:16 千葉県夷隅郡大多喜町上総中野駅にて撮影

 

 

 

株式会社開倫塾
代表取締役 林 明夫

 

「心の経営体を目指して」

 

1.はじめに

高井伸夫先生から教えて頂いたことは数知れないが、最も参考になった教えは、経営者や経営幹部が心がけなければならないことは「心の経営体」を目指すべきだということだ。

 

2.では、目指すべき「心の経営体」とは一体どのようなものか。10年ほど前から、江戸時代の中期の思想家で石門心学の祖である石田梅岩(1685~1744)先生の主著である「都鄙問答」を少しずつではあるが岩波文庫で読むようになり、「心の経営体」とは何かを考える上で大きなヒントを得るようになった。

 

3.ただし、岩波文庫版の「都鄙問答」は1935年の初版本が再版されたものなので、漢文の素養に欠ける私にとっては難解なため、次のような本を手元に置いて読み進めた。

(1)柴田実著「石田梅岩」人物叢書、吉川弘文館1962年9月1日刊

(2)石川謙著「石田梅岩と『都鄙問答』」岩波新書、岩波書店1968年6月20日刊

(3)寺田一清著「石田梅岩に学ぶ」致知出版社1998年7月30日刊

(4)森田健司著「石門心学と近代―思想史学からの接近―」八千代出版2012年5月11日刊

(5)山岡正義著「魂の商人 石田梅岩が語ったこと」サンマーク出版2014年8月5日刊

(6)森田健司著「なぜ名経営者は石田梅岩に学ぶのか?」ディスカヴァー・トゥエンティワン2015年10月25日刊

 

4.以上に加え、本年2016年9月25日に致知出版社から「いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ」の最新作として城島明彦著「石田梅岩『都鄙問答』」が刊行された。

(1)城島先生の最新著は、漢文の素養の少ない私にとって難解極まる石田梅岩の主著「都鄙問答」の全文をわかりやすく現代語訳したものだ。「都鄙問答」に出てくる漢文も、すべて書き下し文にした上で現代語訳し、現代人にとり難解と思われる語句には、すべて親切この上ない解説が加えられている。

(2)高井先生の教えである経営者が目指すべき「心の経営体」とは何かを考える上で、石田梅岩の「都鄙問答」は欠くことのできない古典であり、この全文を正確に読み解く上で、城島先生の最新著はまさに「天の助け」と言える。

(3)是非、重版なった岩波文庫版「都鄙問答」の全文を、城島先生の最新著を用いて精読し、「心の経営体」とは何かをお考え頂ければ幸いである。

 

5.石田梅岩先生の考えを城島先生の現代語訳で少し御紹介させて頂く。

(1)私が拠って立つ信念は、「孟子」(尽心上篇)の最初に出てくる次の言葉だ。

「孟子曰く、其の心を尽くす者は、其の性を知る。其の性を知れば、則ち天を知る」

*「其の心」とは、「四端」と呼ばれる①惻隠、②羞悪、③敬愛、④是非の4つの心を指す。

*「其の性」とは、「仁義礼智の本性」を知ることをいう。

*つまり、「本性は天が命じるものであり、仁義礼智の本性を知るとは、即ち天を知ることになる」という意味。P.41~42

(2)「士の道は何をおいても、まず心を知って志を決めることだ」P.60

「心が正しく愚直な生き方を貫いているなら、ほかには少々の不足があっても志と呼んでかまわない」P.61

(3)学問の道というのは

①まず自分自身の行いをよく慎み

②義の心で主君を尊び

③仁愛の心で父母に仕え

④信の心で友と交わり

⑤人を分け隔てせずに愛し

⑥貧窮した人には同情し

⑦功徳があっても決して誇らず

⑧衣服からさまざまな道具に至るまで倹約を心がけ

⑨華美を求めず

⑩家業をおろそかにせず

⑪家計は収入に合わせて支出を抑え

⑫法をきちんと守って、家をよく治める

―学問のあらましは、このようなものである。P.68

(4)「道を知る」ということは、今の自分が置かれた立場に不満を唱えず、高望みをしないように自分を戒めること。P.71

自分の今の境遇は天命だと考えなければならない。P.72

(5)「心を知る」と志が強くなり、「義理」(義の道理)がよくわかるようになるので、学問は上達する。P.73

(6)仁者は、天地万物と心が一体となる。だから、目に触れるものが自分の心と異なることはないのだ。P.74

(7)立派な儒者は、常に学ぶ者の心を正し、徳ある人間を導くことに目的を絞っている。自分の文才を自慢せず、欲得とか世間の評価なども念頭に置かず、ひたすら人としての道を志している。P.75

(8)学び続けるならば、ついには聖賢の域にたどり着ける。われわれのような凡人は、欲を抑え、悪いことはしないようにして、刻苦勉励し続けるならば、少しずつそこに近づいていることがわかるはずだ。P.79

(9)生まれ持った「本性」を自覚して自身を濡している者を真の儒者という。

(10)心を求め、心を会得して教える儒者が真の儒者である。

(11)孟子(告子篇)は、「貴くなりたいと願う心は誰でも同じだ。誰もが自分の中に貴いものを持っているのに、それに気づかないだけだ」(貴からんと欲するは、人と同じ心なり。人人己れに貴き者有り、思わざるのみ)といっている。P.79

この言葉の意味をじっくり噛みしめてほしい。

 

6.おわりに

「心の経営体」の意味をこれからも考え続けたい。

以上

2016年10月23日(火) 

 

 

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2016年9月11日(日)11:46 神奈川県秦野市寺山にてサボンソウを撮影
花言葉:「清廉、賢明な行動」


 

 

 

 

株式会社 開倫塾
代表取締役 林 明夫

 

「教育ある人とは勉強し続ける人」 

 

1.はじめに

(1)高井伸夫先生の大切な教えの一つに、「教育ある人とは勉強し続ける人」がある。ドラッカーの引用である。

 

(2)私は、日本最古の学校のある栃木県足利市に生まれ育ち、現在に至っている。書家の相田みつを先生が、私の母校の山辺(やまべ)小学校近くにお住まいだった。私は、足利の商店主から依頼されて書いた相田みつを先生の書に、小さい頃から菓子店のカンバンや包装紙などで親しんで育ったが、その中で一番気に入っているのが「一生勉強、一生青春」だ。

 

(3)高井先生の大切な教えの一つである「教育ある人とは勉強し続ける人」と、相田みつを先生の「一生勉強、一生青春」は、現代の知識基盤社会、グローバル社会、超少子高齢化社会を持続可能にする大切な考えだ。

 

 

2.健康寿命を平均寿命に1年でも近づけることが、日本を国家破産から救う唯一の方法

(1)高井先生は「企業は原則倒産」と言い切り、企業経営者に強い危機意識を持ち、常に最悪の事態を予想して行動することを教えてくださっている。

 

(2)高井先生の教えの先には「国家や自治体も原則破綻」もあると私は考える。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの会場や関連インフラ整備、東京都の豊洲市場の移転整備などを見ていると、予算や計画などが全く無かったかのように、何の躊躇もなくその何倍ものお金を使い果たし、ツケだけを納税者にまわしている。

 

(3)国会や都議会のガバナンス機能がゼロに等しければ、「国家や自治体も原則破綻」は目に見えている。

 

(4)日本人の平均寿命は女性が86歳、男性が80歳を超えたが、一人で生活できる健康寿命とのギャップが女性12.62歳、男性9.31歳と大きすぎるので、国や自治体の医療・介護・福祉の予算が国や自治体の存立を脅かす日も遠くない。

 

(5)医療の発達で平均寿命が男女とも90歳を超える日も遠くない。多くの国民が100歳以上まで生きながらえることのできる国に日本がなることは確実だ。

 

(6)特に、終末期医療の経費は1か月50万円どころではなく、100万円を超える患者も少なくない。人数が少なく、例外的であれば、これに国や自治体は十分に対応できる。しかし、対象者が膨大になれば、また、これに増大する高齢者の医療・介護・福祉の予算が加われば、「国家や自治体破綻」の直接の原因になる可能性は極めて大きい。

 

(7)ではどうしたらよいか。これも高井先生の教えの一つである「事情変更の原則」を援用し、超高齢化社会が到来したのであるから、それに合わせて高齢者の定義を変更する以外にない。

①現在65歳以上の高齢者年齢を75歳または80歳以上と再定義すること

②現在75歳以上の後期高齢者年齢を85歳または90歳以上と再定義すること

③現在85歳以上の超後期高齢者年齢を95歳または100歳以上と再定義すること

貧困者への対策は別途充実させた上で、80歳または平均寿命までは3割負担を原則とする以外、この超高齢化社会を持続可能にする方法はないように思える。

 

(8)高齢者の定義を見直すと同時に、65歳以上の人々の医療・介護・福祉の費用は65歳以上の人々が負担するように社会のしくみを根本から再設計することが、国家や自治体を破綻から回避するためには必要だ。

 

(9)そのための方法が、健康寿命を平均寿命に1年でも近づけることだ。できれば、その差を4年以内に近づけることを国家目標、すべての自治体目標にしたい。

 

(10)どうしたら健康寿命と平均寿命を近づけることができるか。

 

(11)ここで登場するのが、高井先生の「教育ある人とは一生勉強し続ける人」と相田みつを先生の「一生勉強、一生青春」の教えだ。

 

(12)勉強し続ける人は、一人で生活することができ、一生青春という生き方が可能となる。

 

(13)栃木県宇都宮市には、90歳で息子から詩を習い、98歳で「くじけないで」という詩集を刊行、ベストセラー作家となった柴田トヨさんという詩人がいた。

 

(14)「金さん、銀さん」は老後資金をかせぐためと102歳でデビューを果たした。

 

(15)柴田トヨさんや金さん、銀さんのように90歳、100歳をすぎてから新しいことを素直な心で学び始めれば、素晴らしい一生を送ることができる。「手本は柴田トヨさん、金さん、銀さん」として一生学び続け、全国民が一生青春を貫きたい。

 

 

3.高齢者こそ本格的な勉強を実現し、教育ある人を目指すべし

(1)「教育ある人とは一生勉強し続ける人」を実行に移す国民や地域住民が増えれば増えるほど、健康寿命は平均寿命に限りなく近づき、国家や自治体は破綻から遠ざかる。

 

(2)高齢者こそ本格的な勉強を実現し、教育ある人を目指すべきだ。

 

(3)何を勉強したらよいか。私のお勧めは、中学校と高校、大学で学んだ全教科の再学習だ。各々の段階の学校時代を思い出しながら、腰を落ち着けて朝、昼、晩と各2~3時間ずつ学校の教科書や参考書を勉強する。学校の教科書は東京・神田の三省堂書店や教科書取次店に依頼すれば手に入る。

 

(4)山川出版などは、「もう一度学ぶシリーズ」で日本史、日本近代史、日本戦後史、世界史、世界現代史、地理、倫理、政治経済、哲学など高校の教科書内容を刊行している。

 

(5)古文なら、ようやく復刊にこぎつけたちくま学芸文庫の小西甚一先生の「古文の読解」「古文研究法」「国文法ちかみち」を、大修館書店の小西甚一先生の「新装版、基本古語辞典」を用いてノートを取りながらゆっくりと再学習することをお勧めしたい。

 

(6)中学校や高校の理科や数学なら、講談社の新書版、ブルーバックス・シリーズに読むべき本が山ほどある。

 

(7)65歳以上の人こそ、岩波文庫や岩波新書などの古典に挑戦、筆者ごとに全巻読破すべきだ。

 

(8)語学も英語だけでなく、中国語やハングル語、フランス語やドイツ語などにも挑戦したい。

 

(9)NHKラジオでは、この10月から来年3月まで各外国語の入門編がスタートする。10月からのNHKラジオスペイン語講座は昨年の再放送だが、超お勧め。この講座で、日本の外国語教育の最先端を知ることができる。今、どこのジムでも大流行中の「ズンバ」とともにスペイン語を学べば、健康な身体づくりができる。更に、スペイン語と同時に「ラテン語」の基礎を学べば、ポルトガル語、イタリア語、フランス語などの「ロマンス語」も習得可能となる。

 

 

4.おわりに

勉強に遠慮は一切不要だ。高齢者の自主的な勉強が日本や自治体を破綻から救う第一歩と考え、「教育ある人」を目指し、「一生勉強、一生青春」で明るく充実した毎日を送りたい。

 

2016年9月20日(火) 

*次回は、高井先生の教えである「心の経営体を目指して」をお送りします。御期待ください。

 

 

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2016年7月31日(日)8:28 東京都千代田区五番町12にて百日紅を撮影
花言葉:「雄弁、愛嬌、不用意」

 

 

株式会社開倫塾
代表取締役社長 林 明夫

 

『「無用の用」(無の効用)を考える』

 

1.はじめに

高井伸夫先生がいつも口になさり、また、このブログの表題でもあるのが「無用の用」だ。そこで今回は「無用の用」について考える。

 

2.高井伸夫先生の愛読書、佐藤一斎著「言志四録」(全四巻)の第一巻「言志録」の「無用の用」は極めて示唆に富む。

 

『無用の用

1.

(1)世の中の物事は、自然のなりゆきでそうならざるを得ないものがある(皆、存在理由はあるのだ)。

(2)とかくすると、学問があると称する人は、あるいは人の行なう事を排斥し、「無用」物視する。

(3)そしてことに、「天下には無用の物もなければ、無用の事もない」ことを知らない。

(4)学人が排斥して、「無用」物視するものが、大いに役に立つことがある。

(5)もし、人間の衣食住に何ら役に立たないものは皆「無用」であると考えるならば、天の神は、なぜ「無用」の物を数多く作ったのだろう。

(6)用材にならない草木、食用にならない鳥獣や虫魚などがある。

(7)天が果して、如何なる用途を目してこれらのものを生ぜしめたのか、人間の考えが及ばない。

(8)易経に「あごのひげをのばして儀容を飾る」とある。

(9)其の鬚も何の役に立つものであろうか。

(10)我々はそう簡単に物を考えてはいけない。自然のなりゆきというものがあるのだ。

 

2.

(1)前条の理屈を人間の事に当てはめてみよう。

(2)一年中の仕事はさまざまであるが、これを算えてみれば十の中の七は「無用」である。

(3)ただ人は平和な時代にあって、心を寄せるところがないと、「大学」にいう「小人は閑居して不善をなす」ことも少なくない。

(4)今の世は、貴いも賤しいも、男も女も、「無用の用」が多くて、それに引きまわされて忙しく働いているから、悪い事をしようという気持の起こることが少ないのであろう。

(5)これも「無用の用」ということであろう。

(6)思うに、太平無事な世の中では、こうならざるを得ないのも、また、自然のなりゆきである。』

 

以上は、佐藤一斎著、川上正光全訳注「言志四録(一)全四巻」講談社学術文庫、講談社1978年8月10日刊、P128~131より引用

 

3.「老子」第11章、「無用の用(無の効用)」

佐藤一斎はおそらく「老子」第11章の「無用の用」から学び、「言志四録」を執筆したと思われる。

 

『無用の用(無の効用)

1.〔題意〕

(1)世人は形あるものの有用性は良く知っているが、形なきもの、空虚なるものの有用性を認識しているものは少ない。

(2)家の屋根・柱・床などは、人を居住せしめる室の空虚な部分を形づくるためのものである。

(3)ところが、それに気づいている者は少ない。

(4)かく空虚な部分が真に有用であることを説き、これより連想させて、無すなわち道の有用であることを読者に悟らしめようとするのがこの章の趣旨である。

(5)無の有用なるを説くという意味で、「無用」とこの章に題されているのは適切。

 

2.〔書き下し文〕

(1)三十の輻は一轂を共にす。

(2)其の無に當りて車の用有り。

(3)埴を挻して以て器を爲る。

(4)其の無に當りて器の用有り。

(5)戸牖を鑿ちて以て室を爲る。

(6)其の無に當りて室の用有り。

(7)故に有の以て利を爲すは、無の以て用を爲せばなり。

 

3.〔通釈〕

はじめに(道はその存在が知られない。いわば無の如きものであるが、その働きを譬えると次のようである。)

(1)車輪の三十本の輻(や)は一つの轂(こしき)の空虚な部分に集中している。

(2)その轂の空間部が軸を通しているからこそ始めて車輪はその働きをなすことが出来るのである。

(3)粘土をまるめて器を作る。

(4)その器は中の空間部があればこそ物を容れるという器の働きが果たされるのである。

(5)また戸や窓をあけて室を作るが、

(6)室というものは人を容れる空間部があればこそ室としての働きをなすことが出来るのである。

(7)このような訳であるから、有すなわち存在するものが人々に利をもたらすのは、無すなわち存在しないもの隠れたるものが働きをなすからである。

おわりに(道あればこそ万物の働きも可能であり有用となってくるのである。)

 

4.〔語釈〕

(1)三十輻「輻」は車輪の矢。河上公注によると、昔は月の日数に法(のっと)って車輪には三十本の輻を用いたという。

(2)共一轂「共」は同じくするの意。「轂(こしき)」は車輪の中心にあって軸(じく)を通し、輻を集めている部分。

(3)挻埴「埴」は粘土。

 

5.〔余説〕

(1)老子や荘子には普通人の考えも及ばない物の見方や考え方が随所に見られる。

(2)この章の如きはその良い一例である。

(3)道という虚無なものの存在を、一般世人は普通意識していない。

(4)それに対して、実はこれこそ最も尊いもの有用なものであるとして、器や室の例を取って合点させる。

(5)その譬喩の巧みさ、着想の奇抜さは、ちょっと他に類を見いだせない。

(6)油絵の如く、画面一杯に絵の具を塗りつけ、いささかの余白をも残さない洋画に対して、中国の絵画は古来主材を簡潔に描くのみに留めて、余白を生かすことに苦心が払われていると聞く。

(7)こういう、いわゆる「無の芸術」の思想根拠も、かような老荘の「無の効用」の思想に由来するのではあるまいか。』

 

以上は、阿部吉雄・山本敏夫著「新釈漢文大系、第7巻、老子」明治書院1966年10月30日刊、P27~29より引用。

 

4.

(1)このように、言志四録を川上正光全訳注の講談社学術文庫で、「老子」を阿部吉雄・山本敏夫著の明治書院の新釈漢文大系でお読みになると、なぜ高井伸夫先生が「無用の用」の大切さを人々に訴えておられるのかがよくわかると思います。

(2)後者は極めて詳細でこの上なくわかりやすい作品ですが、少し高価なので、図書館で御覧頂くか、蜂屋邦夫訳注の「老子」ワイド版岩波文庫、岩波書店2012年4月17日刊でお読みになることをお勧めいたします。

 

5.最後に一言

(1)高井伸夫先生の素晴らしさは、佐藤一斎の「言志四録」はじめ様々な古典に絶えず親しまれ、現代社会に最も必要なテーマを、古典のことばを通して示されることにあります。

(2)高井先生は、「四書」、つまり「論語」「孟子」「大学」「中庸」など儒教だけでなく、「老子」など道教の考えにも精通し、人生にとり、また、リーダーを目指す人々にとり何が大切かを優しく示してくださいます。

(3)論語や孟子も大切ですが、「無用の用」、「無の効用」など道教はその教えの中で最も現代が必要とするものと確信します。

(4)最大の問題は、「言志四録」のような日本の古典や「老子」のような中国の古典を読み込むことなくリーダーを目指す人々が余りにも多いということです。

(5)日本や中国の古典の深い理解ほど役に立つ勉強はありませんので、今からでも大いに学んで参りましょう。

 

2016年8月24日(水) 

 

 

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2016年7月16日(土)7:20 中目黒公園にてタンジーを撮影
花言葉:「平和、挑戦する」

 

 

株式会社開倫塾
代表取締役社長 林 明夫

 

「上手に人を辞めさせる
-教育ある人とは勉強し続ける人-」

 

1.高井伸夫先生の名著の一つに、「上手に人を辞めさせる」がある。

 

2.「上手に人を辞めさせる」大前提は、就業規則の絶えざる見直しだ。労働法の基本的な理解と遵守も欠かせない。

 

3.ただ、我が開倫塾は、高井先生の有難い教えを参考にしながらも、「人を辞めさせない経営」を1979年の創業以来目指している。なぜなら、失業は人間の尊厳を著しく阻害するものであるから、縁あって開倫塾にお勤め頂いた社員の皆様には、もし開倫塾でよければ、できるだけ長い期間働いて頂きたいと考えるからだ。

 

4.1998年以来、日本経営品質賞を目指して経営を行っている開倫塾では、経営の基本理念の一つに「社員重視」を掲げ、「働くに値する職場づくり」に励んでいる。

 

5.開倫塾が60校舎を展開する栃木県、群馬県、茨城県の北関東地域は、30~40年前から輸出主導型のハイテク製造業のメッカで、有効求人倍率や雇用者所得は全国でも有数の高さであるため、慢性的な人手不足が続いている。

 

6.ここ数年の円安と東北復興、東京オリンピック・パラリンピックの影響で、人手不足感は今まで経験したことのないレベルにまで達している。そこで、現在の人事労務の最大の課題は、「働くに値する職場づくり」を磨き込んで、新しい社員の採用と今いる社員にできるだけ長く働いて頂くリテンションとなる。

 

7.ただ、この採用とリテンションを果たすためにも、高井先生の「上手に社員を辞めさせる」前提となる就業規則の見直しと、労働法の基本的な理解と遵守は欠かせない。

 

8.これからの社員に求められる最大の資質は、論理的な内容の文章や資料を分析的に読み込み、問題点を発見し、課題として設定、それを皆と力を合わせて解決する能力だと考える。例えば、栃木県、群馬県、茨城県の北関東3県に60校舎を展開し、各校舎に約100名の塾生を擁して小学校1年生から高校3年生までの学習指導を行う開倫塾では、毎月膨大な経営情報が蓄積されている。上場企業ではないが、それらの中から財務情報を抽出し、従来からの「月次決算」を固定させると同時に、2011年より「四半期決算」を導入し、本年2016年度で5年目になった。

 

9.今後は、日々の経営に直結する「管理会計」の充実を図ると同時に、非財務情報で企業としての中長期的な発展に欠かせない重要な経営情報を「統合報告 Integrated Reporting」として取りまとめたい。

 

10.IoT(モノのインターネット)やAI(人口知能)が発展して現在の仕事がなくなり、別のものに置き換えられると言われているが、データや論理的な文章を分析し、問題点を発見、課題を設定し、皆で力で合わせて解決する能力は、月次決算、四半期決算、財務会計、管理会計、統合報告以外にもありとあらゆる業務分野で必要とされる。「働くに値する職場」とは、そのような能力を社員一人ひとりのキャリアとして、また、社員のキャリア権を担保するものとして、戦略的に身に着けさせるようなしくみを独自に構築しているところと考える。

 

11.高井先生は、「教育ある人とは勉強し続ける人」というドラッカー先生のことばを折に触れて口になさり、生涯にわたっての勉強の必要性を訴えておられる。

 

12.開倫塾の本社のある栃木県足利市出身の書家、相田みつを先生のことばに、「一生勉強、一生青春」がある。相田先生は、私の実家の近くにお住まいであったので、散歩するお姿をよく拝見した。高井先生の教えてくださった、ドラッカー先生の「教育ある人とは勉強し続ける人」という教えと相田みつを先生の「一生勉強、一生青春」の教えは私の中で渾然一体となり、「一生勉強し続けてはじめていつまでも青春時代のように元気に生きられるのだよ」と教えてくださっているようだ。

 

13.では、どのように生きるかが最大の課題となる。今年は、スペインの文豪、セルバンティスの没後400年にあたるので、小学生のときに読んだ覚えがある「ドン・キホーテ」を岩波文庫で読んでみた。読んでいるうちに、セルバンティスはドン・キホーテが目指す「遍歴の騎士」を通して、読者にある一つの生き方を問いかけ、示しているのではないかと気づいた。そこで、セルバンティスが訴えたいところに鉛筆で横線を引きながら、全6巻を一通り読んでみて、「ノブリス・オブリージ(高貴なる生き方)」とは何かが少しだけわかったような気がする。

 

14.日本では、内村鑑三が「後世への最大遺物・デンマルク国の話」と「代表的日本人」の2冊でどのような生き方があるのかをわかりやすく示してくれているので、参考になる。

 

15.高井先生はいつもカバンの中や身近に本を何冊か置き、考えながら著者との時空を超えた対話をしておられる。大いに参考にさせて頂きたい。

 

2016年7月27日(水) 

 

 

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2016年5月8日(日)8:20 千代田区永田町2にて紫陽花を撮影
花言葉:「移り気」

 

 

株式会社開倫塾
代表取締役社長 林 明夫

 

「雇用崩壊時代、労務も知らずに上司といえるか
―労務とは『上司と部下とのいい関係』を育む約束事―」


Q:高井伸夫先生の教えの一つに、「労務も知らずに上司といえるか」があるそうですね。

A:

(1)はい。高井先生が2009年にかんき出版刊の同名の御著書で予測なさった通り、大不況は2015年までどころか、2016年の現在も続いております。

 

(2)バブル崩壊後に始まった、一向に収まらないデフレが20年以上経った今も確実な終焉を迎えないため、超少子高齢化で増え続ける医療・介護・福祉の予算に充てるために必要不可欠な消費税の8% から10%への増税を再度見送る決定をせざるを得ない状況が続いています。

 

(3)この四半世紀に及ぶデフレに陥っているのは日本だけかと思いきや、今や世界中がデフレの状況に突入しつつあります。かつて、1873年から1896年までの約四半世紀、世界はデフレに陥りましたが、2015年から突入しつつあるデフレは四半世紀どころではなく、今世紀中ずっと続くのではないかと思われてなりません。

 

(4)デフレは需要不足であるにも関わらず生産過剰が原因で発生しますので、ものやサービスの価格はどんどん低下。売れ残りの在庫が山のように積み上げられる「売り手は地獄、買い手は天国」の時代になります。既存事業・既存店は対前年比売上減が毎年続きますので、「企業は原則倒産」という高井先生の教えが日本だけではなく、世界中でますます現実味を帯びてくると思われます。

 

Q:日本がバブル崩壊後に20年以上味わい、ようやく抜け出そうとしているデフレに、世界はこれから突入しようとしているのですか。これは大変なことですね。

A:

(1)はい。日本はバブル崩壊後、金融機関や巨大企業の整理統合が進み、四半世紀に及ぶ血の苦しみを経て、ようやく長い長いデフレから抜け出しつつありますが、確実とは言えず、いつ腰砕けになってもおかしくない状況にあります。

 

(2)世界は昨年2015年あたりからデフレに突入したのではないかと思われます。今般の世界的規模のデフレは四半世紀どころではなく、もしかしたら半世紀以上続くのではないかと思われます。

 

(3)このような世の中のしくみが根本から変わる時期にこそ、企業や非営利組織、政府や自治体を経営する上で最も大切なのが、変革期の人事労務といえます。

 

Q:それはどうしてですか。また、具体的にどうすればよいですか。

A:

(1)高井先生が教えてくださる通り、デフレの時代には「含み損社員」「リストラ」「派遣切り」「ワークシェアリング」「メンタルヘルス」など様々な課題が同時並行で多発するからです。「売り手に地獄、買い手に天国」のデフレの時代は「企業は原則倒産」で、昨日のように今日があり、今日のように明日があればよいと思う企業や事業所、NPOや自治体には明後日はないからです。

 

(2)イノベーション(刷新)と同時並行して、仕事のやり方や国外を含めた立地の変更は序の口で、廃業や撤退を含む事業の見直し、売却なども日常的に行わない限り、デフレは乗り切れません。

 

(3)現代はこれに加え、グローバル化が急速に進んでいますので、日本企業といえども多様な集団で活動する能力が求められます。日本への留学生の採用は当たり前、グローバル採用、グローバル人事労務なくして企業の存続はあり得ない時代はもうすぐそこの角までやってきています。

 

(4)とりわけ、人口爆発といわれるほど人口急増が予想されるアジア・アフリカのイスラム教徒の皆様と、どのように「いい関係」が築けるかが、企業や団体の命運を握ると確信します。

 

(5)人を用いる立場にいる人こそ、現代の日本はどのような時代なのか、現代の世界はどのような時代なのかという「時代認識」、とりわけ「現代についての時代認識」をしっかりと持ち、その中で人事労務のあるべき姿を考えなければ、働く人々と企業を守り抜くことはできません。

 

(6)その意味で、今年の8月に、日本政府が主催し、ケニアのナイロビで開かれるTICAD Ⅵ(ティカッド・シックス)、第6回アフリカ開発会議での議論には大いに注目すべきです。

 

Q:高井先生の言われる通り、現代はまさに「雇用崩壊時代」なのですね。

A:

(1)その通りです。私が法学部2年生の時に法思想史のサブゼミを担当してくださった慶應義塾大学法学部長の峯村光郎先生は、法哲学のみならず労働法の権威で、「労働法の目的は、国民経済における社会総労働力の保全および培養と労働基本権の保障である」と教えてくださいました。

 

(2)そうはいうものの、労働力の保全培養と労働基本権の保障だけでは済まされない、アジア・アフリカ諸国のイスラム理解をも含む「現代的課題」が山のように押し寄せてきているのが、デフレ時代・グローバル時代の経営といえます。

 

(3)経営トップや人事労務担当責任者だけではなく、「上司」とよばれる人は、「労務も知らずに上司といえるか」という高井先生の厳しい教えを自分の心の糧として学び続け、このデフレとグローバル化を、乗り切り、また、迎え撃たなければなりません。ご一緒に学び続けましょう。

 

2016年6月15日(水)

 

 

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2016年4月23日(土)13:44 熱海親水公園にてオステオスペルマムを撮影
花言葉:「無邪気、健やかな」 

 

 

株式会社開倫塾
代表取締役 林 明夫 

 

「仕事で人は成長する」

 

Q1:「仕事で人は成長する」という高井先生のお教えとはどのようなことでしょうか。

A:

(1)現代は知識が基盤になった「知識基盤社会」(knowledge-based society Knowledge Based Society,ナレッジ ベイスト ソサエティ)ですので、知識・情報・技術をうまく組み合わせて用いる能力が求められます。

 

(2)また、国境を越えてモノやサービス、お金、人が盛んに、激しく行き交う「グローバル社会」(Global Society)ですので、歴史・宗教・言語・習慣・風俗・思想・文化・価値観などが異なった「多様な集団で交流する能力」が求められます。

 

(3)更には、超少子高齢化、人口減少、国と地方の債務の巨大化、デフレによる大消費低迷、頻発する経済危機、台風や豪雨・大震災による歴史的な自然災害の頻発、気候変動、開発途上国における人口爆発、テロの恐怖、核兵器の存在など、人類や国家、地域社会が抱える課題が山積した「課題山積社会」ですので、「課題発見能力」「課題解決能力」とともに高い志を持ち続け「自律的に行動する能力」が求められます。

 

(4)仕事を通して製品やサービスを提供することの顧客・お客様にとっての意味・価値は、顧客・お客様の問題解決、突き詰めて考えれば、顧客にとっての価値を創造することにあります。

 

(5)そこで、

①「知識・情報・技術を相互作用的に用いる能力」

②「多様な集団で行動する能力」

③「自律的に行動する能力」

この現代社会の課題を解決する鍵となる3つの基本的能力は、顧客・お客様の問題解決、顧客にとっての価値を創造することを目指す仕事の場でこそ必要不可欠な能力といえます。

 

Q2:では、そのような能力をどのようにして身に着け、顧客の問題解決、顧客価値創造に貢献したらよいのでしょうか。

A:

(1)大いに学んで、成長する以外にありません。「仕事で人は成長する」という高井先生のお教えをよくかみしめ、顧客の問題解決、顧客価値創造のために、学び続ける以外にありません。

 

(2)例えば、私が、37年前に創業した開倫塾という学習塾では、顧客を塾生、保護者、地域社会と定義し、学校での成績向上と希望校入試合格のために学校で不足する教育を補う、徹底的に補うことを目指しております。

 

(3)その業務の第一は、授業による基本的な学習項目の「理解」(ああこれはこういうことなのかと、納得して腑に落ちる、よくわかること)です。

 

(4)開倫塾では、この授業における理解のために、毎回の授業の前には「授業の設計」を行い、その内容を授業の設計図「レッスンプラン」に書き込み、授業中に気付いたこと、授業後に授業を振り返り、反省して改善すべきと考えたことを、詳細にメモをし続けることを20年前から奨励しています。

 

(5)内容が練り上げられたわかりやすい授業は、塾生の理解の促進に極めて効果的です。顧客である塾生の「ここがよくわからない」という問題解決、顧客価値創造に直結します。

 

(6)このようにして作り上げたレッスンプランは、一人一人の先生にとっての「成長の記録」といえます。

 

Q3:このほかに「授業における理解」を促進する取り組み、先生として「仕事で人は成長する」取組みはありますか

A:

(1)開倫塾では、自分にとっての「教え方日本一」を目指すよう、すべての先生方に奨励しています。

 

(2)教育改革は、自分なりの教え方を工夫し、教え方日本一を目指す先生方が授業で熱心に教えることで成し遂げることができると考えます。

 

(3)この考えのもとに、開倫塾では、毎年5月の最終日曜日に、本社所在地であり、また、日本最古の学校、足利学校のある栃木県足利市において「全国模擬授業大会」を開催しています。「チョーク一本で教育改革を」を合言葉に、毎年、教え方日本一の先生と、教え方日本一の団体を選出し、表彰をさせていただいております。

 

(4)ちなみに、本年度「第11回全国模擬授業大会」は、5月29日(日)に足利工業大学付属高校をお借りし、午前10時から午後5時まで開催。

本年は、北海道から京都までの52名の腕に覚えのある先生方が出場し、36名の審査員と50余名の学生ボランティア審査員が審査に当たります。

英語・数学・国語・社会・理科の各教科で15分ずつ授業をし、教科ごとの予選を経て、各教科の優勝者5名が決勝戦に臨みます。

サイドイベントとして、各教科をすべて英語で授業する模擬授業大会も開催。今後、日本でも必要な英語による教科指導を奨励しています。

 

(5)この全国模擬授業大会は、年々参加者が増え、本年度は500名を超えると予想されています。また、全国各地でも同様の大会が開催され、本大会の審査委員長をお願いしている小川先生が塾長をお務めの愛知県野田塾では、6年前から「全国模擬授業大会IN名古屋」を盛大に開催。全国各地から参加者を得ております。

この「全国模擬授業大会」は、学習塾の先生のみならず、予備校、私立学校、大学、短大、専門学校の先生方にも少しずつですが知られ、留学生や公立学校の先生方にも参加いただくようになりました。

 

(6)授業の前に、レッスンプランに従って、一人で、また、同僚や先輩の先生方の前で行う模擬授業も、先生としての力量向上、先生としての成長に役立ちます。同時に、全国的な規模で、「教え方日本一を目指す」という同じ志を持つ先生方が集い、励まし合う「全国模擬授業大会」のような試みは、先生としての成長にとって最も役に立つ取り組みの一つと考えます。

 

Q4:学習塾以外で、「仕事で人は成長する」取り組みはありますか。

A:

(1)現在、顧問を仰せつかり、2004年から2010年まで社外取締役を務めた、栃木県宇都宮市に本社があり、ハノイとヤンゴン、ビエンチャンに現地法人のある、精密機械工業・手術用縫合針製造のマニー株式会社(東証一部)では、「世界一の製品を世界のスミズミに」を合言葉に、毎年、主力製品ごとに果たしてこの製品は世界一かどうかを徹底的に調査し、判定する「世界一か否か(いなか)会議」を開催しています。

 

(2)また、幹部社員の多くは、海外の現地法人の経営責任者として勤務の経験、「修羅場体験」をされています。

 

Q5:最後に一言どうぞ。

A:

福沢諭吉先生の「学問のすすめ」では、身分や貧富の差がつくのは学問をしたかどうかによるとの議論がありましたが、今日の社会では、顧客の問題解決、顧客価値創造をすることでお客様のお役に立つためには、仕事に必要なことを、その分野で最も熱心に学べる場で学び、成長する以外にない、「仕事で人は成長する」ことが肝要と考えます。

 

2016年5月25日7時18分

 

 

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2016年4月9日(土)14:19 初狩PAにてシャガを撮影
花言葉:「反抗、友人が多い」



株式会社開倫塾
代表取締役 林 明夫

 

「数少ない統一ある刺激は、数多い散漫な刺激に勝る」

 

1.

(1)「企業は、原則、倒産。昨日のように今日があり、今日のように明日があると考える企業に、明後日は来ない。」

(2)この「企業は原則倒産」の高井先生のお教えに、勝るとも劣らないほど重要な高井先生のお教えが、「数少ない統一ある刺激は、数多い散漫な刺激に勝る」のお教えだ。

 

2.

(1)企業を取り巻く経営環境は、毎日毎日、目まぐるしく激しく動き続ける。

(2)テロや、原油価格の変動、株式相場や為替相場の変動に加え、熊本や大分の大地震のような大きな自然災害に見舞われることも多い。

(3)ほぼ完璧と思われていた自社の生産・販売体制も、製品の開発段階での検査担当者の手抜きでリコールや販売中止に襲われる。

(4)海外での営業担当者の同業他社との談合は、場合によっては100億円単位での課徴金で、会社全体の経常利益を吹き飛ばし赤字転落させる。担当者や監督責任者は数年間収監され、人生に汚点を残すと同時に、企業イメージを著しく失墜させるに至る。

 

3.

(1)今やらねばならないことを明確に決定し、優先順位を明確につけながら粛々と行動し続けるのが、経営最高責任者の役割だ。

(2)この時に大切なのは、目の前に生起する様々な経営課題にいちいち反応し、その場の思い付きで様々な指示命令を出し続けないことだ。

(3)明確な方針を決定し、関係する誰もが耳にした瞬間に理解できる物事の本質をわかりやすい表現で「ズバッ」と示すことだ。

 

4.

(1)あれもこれもと、次から次へと目まぐるしく出される指示ほど、現場を混乱させ、社員や経営幹部のやる気を阻害するものはない。トップの混乱が、売り上げ阻害要因にもなりかねない。

(2)これが「数少ない統一ある刺激は、数多い散漫な刺激に勝る」という高井先生のお教えの経営戦略的な意味だと私は考える。

(3)では、この「数少ない統一ある刺激」はどのように生み出せばよいのか。経営者としての感性をどのように練磨したらよいのか。

 

5.

(1)高井先生ほど、新しく生じるありとあらゆることへの強い関心をお持ちの方はいない。高井先生にお会いするたびに聞かれるのは、「何か新しいことはないかね、新しいニュースはないかね」というご質問だ。参考になると思ったことは、いちいち確認を取りながら、その場でメモをなさる。

(2)同時に、高井先生ほど、一度これと決めた評価の基準に基づき物事を判断なさる方はいない。景況の判断をするには人の動きがどうなっているかを知ることが重要で、そのために「タクシーの乗車率」を毎月ご覧になっておられたのも高井先生だ。

(3)新聞報道の基本に調査報道という手法があるが、高井先生の情報収集は新聞記者の調査報道そのものだ。真実は何かを自分の目で見、確かめ、物事の本質に迫る。メモをし続け、データを収集し、その結論を一言で言い表す。これが「数少ない統一ある刺激」を生み出す源泉だ。

 

6.

(1)高井先生ほど、美しいものをこよなく愛する方はいない。

(2)絵画、植物、小説、エッセイなどの美しい芸術作品、自然、文学作品は、感性を豊かにし、言語を研ぎ澄ます。

(3)特に、歴史小説や、日本や中国の古典を読み、親しむことは「数少ない統一ある刺激」を生み出すのに不可欠だ。

 

7.

(1)最後に、「あれもこれも」の「数多い散漫な刺激」を出し続けることに陥ることなく、物事に優先順位をつけるのに最も役に立つのが、高井先生おすすめの「想定問答集」だ。

(2)ありとあらゆる場合を想定し、最悪の事態に備えるときに最も役に立つのが「想定問答集」で、この作成は、法律の実務家だけではなく、経営者の基本動作でもある。

(3)私は、慶應義塾大学法学部法律学科2年生の時に、法思想史のゼミで、当時学部長をしていた峯村光郎先生から「法律を学ぶ法学徒は、いつも最悪の場合を予想して行動するように」と言われ続けた。

(4)弁護士をしながら司法試験の受験生を森圭司というペンネームで指導していた弟の故林俊夫も、いつも詳細極まる想定問答集を作成していたことを思い出す。

(5)この想定問答集こそが、高井先生が教えてくださった「数少ない統一ある刺激」を生み出すのに最も役に立つものの一つかもしれない。

 

以上、ご参考まで。

 

2016年4月26日(火)香港で記す

 

 

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2016年3月13日(日)9:34 上野恩賜公園にて寒緋桜を撮影
花言葉:「あでやか、善行」

 

3月13日上野恩賜公園に散歩に行ったところ、寒緋桜が満開でした。
3月21日には私の事務所の近くの靖国神社で、例年より5日ほど早く桜の開花が確認され、
いよいよ春本番といったところでしょうか。
色とりどりの花を目にでき、日課の散歩が一段と楽しくなる季節です。 

 

 

株式会社開倫塾
代表取締役 林 明夫

 

「3分以内に話しをまとめるには」


Q:高井伸夫先生は「3分以内に話はまとめなさい」とご指導なさっておられるようですね。

A:はい。かんき出版から2008年9月1日に「3分以内に話はまとめなさい。できる人と思われるために」という御著書まで、出版なさっておられるほどです。

高井先生は、当意即妙、卓話の名手で、どのような話題でも、ズバーと本質に迫りながらも、人間味にあふれるお話を、短く、文字通り3分以内におまとめになり、聞く人すべてに、感動を与えておられます。

 

Q:それでは、どうしたら話を3分以内にまとめることができると、林さんはお考えになりますか。

 A:参議院議員で国際政治学者の猪口邦子先生に、ある時、世界の政治家の中で演説のうまい政治家はだれですかという質問をさせていただいたことがあります。

猪口先生はしばらくお考えになった後、イギリスの首相を務めたトニーブレアかなとお答えになりました。 

ブレア首相は、どのような短いスピーチの時にも、発言の直前までメモを作り続け、そのメモを何回も読む練習のようなことをしてからスピーチに臨んでいる。ブレア首相の演説の質が高いのは、直前まで直し続けるメモのためかもしれませんよ。

このように猪口先生は教えて下さいました。

 

Q:「教育、教育、教育」など、確かに、ブレア首相の演説は、歯切れがよく、印象深いものでしたね。

A:私が会長を務める「開倫ユネスコ協会」の名誉会長をお願いしている衆議院議員で自由民主党選挙対策委員長の茂木敏充先生に、一年に数回、ユネスコ協会の行事に御臨席頂き、お話をしていただいておりますが、茂木先生も、メモはご覧になりませんが、いつもかなり準備をなさったと思われるお話をしてくださり、話を聞く人すべてに感銘を与えておられます。

 

Q:たとえ3分間でも人の前でお話をする時には準備をしたり、話す内容をメモにまとめることは大切なのですね。

A:その通りです。高井先生がお話になる時もそうですが、茂木先生が話し始めると、多くの人が一斉にメモ用紙を探しはじめ、メモをし始めます。

どのような会場でも、話を聞く人は、毎日のようにいろいろな人の話を聞いておられますから、物事の本質に迫る中身のある話かどうか、瞬間的に判断できる「客プロ」ばかりです。

たとえ3分以内とはいえ、真に迫る内容のあるお話があったらどうなるか。

「今日は、ためになった、有意義だった、ここに来てよかった。」と、喜ばれ、感謝されます。忘れないようにとメモまでし始めます。

 

Q:林さんはラジオ番組を担当しているそうですが、どのように準備をしているのですか。

A:CRTとちぎ放送というラジオ局から、毎週土曜日の午前9時15分から実質8分40秒のラジオ番組「開倫塾の時間、林明夫の歩きながら考える」という番組を一人で担当し、この3月5日で30年目に入りました。

放送開始直後の数年間は生放送でした。現在は週に1回スタジオで事前に収録していただいております。次週のテーマは、放送終了直後から考えはじめ、収録当日の朝、大雑把なメモを作り、親しい友達にお話しするような雰囲気で、番組に臨んでいます。

完全原稿でお話しすることもありますが、話が固くなってしまい、聞きにくいようなので、できるだけ大雑把なメモのみで行うようにしています。

 

Q:経済同友会の幹事会や委員会などで発言する時にはどうしているのですか。

A:一つ一つの組織には、その目的、設立趣旨がありますので、ここはどのような場所か、自分はどのような立場でこの場所に存在しているのかを十分自覚してから、その組織の目的達成のためにどうしたらよいかを考え、一つ一つのテーマについて、自分の考えをまとめます。

発言すべきと考えた場合には、必ず、たとえ数行でもメモにまとめて、何回か推敲してから、なるべく短時間で、いくら長くとも3分以内になるよう、懐中時計を見ながら発言しています。

 

Q:学習塾で先生が塾生にお話をする場合はどうしていますか。

A:「教育の成果を決定する要因」は「本人の自覚」と「教師の力量」であると考えのもとに、私が経営する開倫塾では、毎回の授業中に,塾生の自覚を促すために「武者語り」を3分間行うことが先生としての義務事項となっています。3分間の「武者語り」を行う前には、何をお話しするか十分に考え、レッスンプラン(教案)の中で練り上げるようお願いをしています。

 

Q:最後にひとことどうぞ。

A:このように「3分間で話はまとめなさい」という高井伸夫先生の教えは,多くの場面で役に立つコミュニケーションの大原則といえます。その前提は、十分な準備と、メモの活用であると私は考えます。

話が終わった後、お話に用いたメモの中に、省察、リフレクションの内容を朱書きして、ファイルし続ければ、その発言メモのファイルは、自分自身の成長の記録になります。これは、授業のレッスンプランが先生としての成長の記録となるのと同じです。

 

2016年3月19日(土)22時07分

 

 

開倫塾のホームページ(www.kairin.co.jp)に林明夫のページがあります。

毎週、数回更新中です。

お時間のあるときに、是非、御高覧ください。


 

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