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  • 今、話題のテーマについて各界で活躍している方々と対談をする一問一答形式のブログの第29回目です。
  • 第29回目は上海恒佳歯科医院・恒洋歯科医院 院長 歯科医師 劉 佳(Liu Jia)先生です。

 


 

■ ■ ■ ■ 時流を探る~高井伸夫の一問一答 (第29回)■ ■ ■ 

上海恒佳歯科医院・恒洋歯科医院 
 院長 歯科医師 劉 佳(Liu Jia)先生

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[上海恒佳歯科医院・恒洋歯科医院 院長 歯科医師 劉 佳(Liu Jia)先生 プロフィール]

生年月日: 1969年9月8日

出身地: 中国吉林省長春市

略歴等

  • 中国吉林大学大学院歯学部 学士及びマスター学位(1997年)
  • 日本東京歯科大学大学院博士学位
  • 1999年~国際歯科研究協会(IADR)日本分部及び中国部 会員
  • 日本歯科理工学会 青年研究奨励賞 2001年会
  • 1992年~中華口腔医学会 会員歯科医師
  • 2000年~米国歯科医師会 会員歯科医師
  • 2011年~上海口腔医学会民営専門委員会 副主任委員、上海口腔医学会基礎専門委員会 常務委員
  • 上海恒佳歯科医院・恒洋歯科医院 院長 歯科医師
  • 上海Open Dental 健康管理株式会社 創立者 社長

 

劉先生

(写真は、劉佳先生)

 

[今回のインタビュアー・同席者は以下の通りです]

  • 高井伸夫 
  • 小松茂生様
  • 五十嵐充(弊所上海代表処首席代表弁護士) 

取材日 2017年9月14日(木) 於:老吉士(上海市)

 


 

劉先生

私は中国吉林大学大学院歯学部で学士とマスター学位を取得し、1992年から5年間ほど中国で歯科医をしていました。臨床をやっていたんです。

1997年に日本へ留学し、日本語を学んでから東京歯科大学大学院に入学しました。日本で大学院に通っていた当時は、臨床の講座のOBの先生や開業医の先生の歯科医院へ行き、アシスタントをしていました。当時、自由が丘で開業している講座のOBの先生の歯科医院に通って、毎週1日、3~4年くらいアシスタントとして患者を診ていました。その他にも、インプラントの勉強をしている横須賀の先生や、銀座の先生、麹町、千葉にある先生等々、いろいろな先生のところでアシスタントをしました。その先生たちとは、今でも連絡を取っていますよ。

 

高井

場数を踏んで勉強されたんですね。東京歯科大学に留学されていましたが、日本で勉強したことで役に立っていることは何ですか。

 

劉先生

1998年から2003年まで日本に留学していましたが、東京歯科大学で一年目は「第一専修生」、その後の四年は大学院「博士コース甲」でした。留学中は得るものが非常に多かったです。専門的な研究と臨床実践を重ね、その他に歯科医の患者に対するサービスや理念なども習得しました。何よりも、多くの立派な日本人歯科医と出会うことができました。先生たちの高明な医術、職業倫理及び職業に対する信念と追求は、私にとって生涯の糧となっています。

 

高井

ざっくばらんに言って、現在の中国の歯科と日本の歯科とは、どちらが進んでいますか。

 

劉先生

進んでいるか、という言葉は難しいですが、中国では医療モードが進化しています。医療モード、医療の“仕方”といえばよいでしょうか。例えば中国では、歯科医が一人で、患者さんに向き合うのではなく、歯科医と歯科衛生士の2人で一人の患者を診ています。歯科衛生士が必ず付きます。その他にも歯科医、歯科衛生士以外で、中国ではコンサルタントがいますが、これは日本とは異なる点だと思います。中国では、患者さんとコミュニケーションをする際に、歯科医と患者さんの間に入るコンサルタントがいます。

 

高井

そのコンサルタントはどんな役割をしているのでしょうか。

 

劉先生

歯科医と患者さんの間に入って歯科治療を円滑に進める手助けをしています。患者さんには、歯科医に対してのイメージ、歯の治療に対してのイメージ、疑問などがあります。それらを聞き取り歯科医に伝える。一方で、歯科医は治療に関する説明の時間が足りなかったり、あるいは説明してもなかなか患者さんに納得してもらえない場合に時間をかけて説明する必要がありますが、その説明をコンサルタントが代わりに行っています。歯科医の“助手”ではなく、治療の計画を説明する、相互に話をする、そういった役割を担うコンサルタントが中国では登場しています。

また、中国では、医療においてもインターネット分野で日本より進んでいます。

上海という一つの都市にいる各分野の有名なドクターの情報が、全て掲載されているアプリやホームページがあり、患者さんは、評判などをインターネットで見ることができます。そういったアプリケーションやホームページは日本より進んでいるように思います。日本ではもともと国民皆保険制度があって、歯科医の数も多いですが、中国ではもともと歯科医の数が少ない。遠くにある歯医者さんの、どこの先生がいいのか分からなかった。そういった背景もあり、インターネットでは平等に情報を取得することができますから、インターネットが日本よりも浸透したんだと思いますよ。

 

高井

保険制度の話が出ましたが、中国では、保険制度は機能しているのでしょうか。歯科治療における保険制度について教えてください。

 

劉先生

中国では、「社会保険」という日本の国民保険のような保険があります。社会保険は基本的に公立や国立の医療機関で利用できます。私立の歯科クリニックではまだ利用できません。保険の範囲としては、まだ歯の治療のみです。一部の薬や、入れ歯をする、矯正、(歯の)インプラント、美観などは保険の範囲ではありません。自由診療になります。

 

高井

自由診療を受ける患者さんは富裕層が多いのでしょうか。

 

劉先生

治療に一定の費用がかかることを考えると、どうしても、富裕層の方々が対象になっています。自由診療は、富裕層の方たちにとっては、コンサルタント担当者が時間をかけて1対1で対応してくれ、安心感を得たり、プライベートのサービスを受けられることに魅力を感じているんだと思います。それと、富裕層は公立病院のサービスシステムに不満がある人が多く、保険適用外の民間の自由診療を受けている人が多いです。

 

高井

劉先生のクリニックでは、患者さんは日本人が多いのですか。

 

劉先生

日本から中国に帰った当初、2003年から2007年くらいまでは、患者さんの8割が日本人でした。今は、日本人の患者さんは2~3割です。日本人の患者さんは、どうしても帰国してしまうと来てくれなくなってしまう。そういった事情もあり、現地、ローカルの患者さんを増やすことが大切だと考えて、徐々に現地の患者さんを増やしていきました。

日本語も話せますから日本人の患者さんに対応することもできますが、私のような歯科医は上海でも少ないと思うのです。いまは、現地の患者さんを10年、20年かけて診ていきたいと思っています。チームのため、スタッフのためにも、ローカルの患者さんを診るほうが、クリニックにとっていいのではと考えています。

 

高井

先生は人柄がいいから、患者さんが集まるでしょうね。だけど、患者さん、中国人が8割というのは、驚きました。それだけ富裕層になったということですね。

 

小松様

先生のところは、いわゆる治療が多いんですか。それとも予防が多いんですか。

 

劉先生

まだ治療の方が多いです。少しずつ予防をメインにした、予防も大事にした運営にしていきたいと思っています。歯科医としても、患者さんと長く、頻繁的にコンタクトを取れるので、予防も大事だと思っています。

ただ、予防は保険が使えず、完全自由診療ですので、比率はまだまだ少ないです。治療をした後に患者さんに対して、予防も含めて計画を立てています。今、上海の歯科医にも予防歯科が認識され始めています。初めは、患者さんも痛みがあるから歯医者さんに行く、最初は治療からですが、最近は、予防歯科が少しずつ認知され始めています。これからは予防の時代に入ると思いますので、予防をアピールし始めているところです。

 

高井

ところで、先生は、上海の歯科医師会の副会長をされているそうですが、どんな活動をしているんですか。

 

劉先生

歯科医師会は、日本の医師会のような団体です。そこで副会長をしていますが、歯科医の勉強会や講演会を作ったり、上海で歯科医のグループを作っています。

 

高井

どんなグループを作っているのですか。

 

劉先生

開業医のグループです。開業している歯科医には、それぞれ得意分野があります。10年、15年と時間をかけて、ハイレベルの技術を身に付けている。例えば、インプラントが得意だけれど矯正については分からない、とか、歯周病が得意、小児歯科が得意、というように、歯科医にも専門分野があるんです。そういった専門を持つ歯科医が集まって、マーケティングをする。そうすることで、僕の患者さんに対して、専門外については、それぞれ専門の歯科医を紹介することができるわけです。マーケティングを1軒1軒するよりも、何十軒も一緒にした方が、歯科のブランド力があがります。患者さんも満足度が高い治療を受けられる。口コミもよくなる。

もう一つ、僕の目的は、グループができて、いい歯科医、素晴らしい治療を行っている歯科医が集まれば、技量が不足している歯科医にもその評判が届き、意識改善を促すことができると考えています。そうやって歯科医全体のレベルを上げたいと考えています。

 

高井

中国の歯科界のレベルの底上げですね。ところで、日本では歯科医は供給過多になっています。上海の歯科医の数は毎年増えているそうですが、状況について教えてください。

 

劉先生

中国では、上海のように比較的、医師と病院の資源が豊富な都市であっても、歯科医はまだまだ足りません。上海の正式な歯科医資格を持つ人はおおよそ800人です。上海に戸籍がある人は1500万人で、上海に住んでいると言われている常駐人口は2400万人です。つまり有資格の歯科医は12万人当たり1人の割合しかいないのです。また、歯科衛生士もまだまだ貴重な存在です。歯科衛生士に対する教育機構や専門学校、短期大学の数はまだ少ないし、正規人材はまだまだ足りません。当然、上海では、定期的に歯の検診を受ける人はまだ少ないです。口腔疾病を患い、歯を抜いた人の殆どは積極的に治療に行かないのが現状です。将来、歯科の患者が増え、歯科医学専門人員の不足という社会問題が現在より深刻化することが予想されます。

 

今、一番必要なのは、予防歯科関係に従事する歯科衛生士。人材が足りません。そのためにも、歯科衛生士に対する勉強会や教育を行って、人材を育てていく必要があると考えています。歯科衛生士が、予防歯科等について継続的に勉強できるような、短期間のセミナーなどが必要です。私は上海で、そういった歯科衛生士を対象にした予防に重点をおいた教育機関を作りたいとも考えています。

また、私が日本に留学していたため、今も日本の先生とお付き合いがあるので、日中歯科医師交流会を立ち上げて、日本のノウハウを取り入れたいと思っています。

今後、中国では予防歯科のニーズがどんどん出ていますので、日本の進んでいる部分はどんどん取り入れていき、対応できる歯科医、歯科衛生士を増やし中国全体の歯科のレベルアップを図りたいと考えています。

以上

 

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IMGP0625.JPGのサムネール画像

2013年5月30日(木)7:07 髙井伸夫撮影
東京都目黒区中目黒公演にて白い紫陽花を撮影
花言葉:「移り気」「傲慢」

 

4月15日(月)11時30分より13時30分まで「表参道うかい亭」にて、現在、内閣官房参与を務められている弁護士宗像紀夫先生と、高井伸夫先生との会食に同席させていただきました。

 

 宗像先生は、かつては東京地検特捜部長、最高検察庁検事、最高検総務部長兼刑事部長、高松高検検事長、名古屋高検検事長を歴任されたのち、退官されました。

 

 現在は弁護士として活動されているとともに、2004年4月から2012年3月まで中央大学法科大学院で教鞭をとられておりました。
 現在は弁護士のほかに、内閣のアドバイザー的存在である内閣官房参与、日本相撲協会の外部理事、日本将棋連盟の法律顧問、企業の監査役を務められるなど、多方面で活躍されています。

 

 美味しい料理に舌鼓を打ちながら、宗像先生の現在携わっていらっしゃるお仕事(通常の弁護士業務の他に上述の通り内閣官房参与、相撲協会のお仕事等で大変忙しくしていらっしゃるとのことでした)や、ご趣味のことなどについてお話をうかがいました。

 

 宗像先生は趣味として将棋を大いに嗜まれ、ご自身もアマ四段の腕前をお持ちとのこと。先に述べた通り、将棋連盟の法律顧問もやっていらっしゃるということで、将棋界のお話や、外部理事を務めていらっしゃる日本相撲協会、ならびに現在の角界を取り巻く様々な話題について幅広くお話しくださいました。

 

 また、海外旅行がお好きということで、同じく海外に数多く行かれている高井先生と印象に残った国はどこであったかということなどでも話が弾みました。

 

 最後に、高井先生が月1回程度、定期的に開催されている「囲む会」のご出講をお願いしたところ、ご快諾くださいました。

 

 短い時間でしたが、大変密度の濃い、楽しいひとときでありました。

 

 宗像先生、高井先生、ありがとうございました。

 

有限会社セカンドステージ 代表取締役 鮒谷 周史)

 

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20130524.JPG

2013年5月19日(日)東京都渋谷区代々木公園にてヤマボウシ(撮影:高井伸夫)
花言葉:「友情」

 

 少し前になりますが、4月8日(月曜)午後5時より、知性コミュニケーションズ代表の小石原昭先生と高井伸夫先生との打ち合わせが同社オフィスにてあり、同席させていただく機会を頂戴しました。

 

 小石原先生は27歳で総合雑誌「知性」の編集長を務められた後、株式会社 知性アイディアセンターを創立され、『世界の一流品大図鑑』『男の料理』『男のやきもの』などの企画・編集に携わり、数々のブームを巻き起こしてこられた方です。

 

 小石原先生と高井先生とは1988年2月以来、25年来の長いお付き合いがあるとのことで、一昨年11月に高井先生主宰の7泊9日のインド視察旅行に小石原先生も参加され、私もご一緒させて頂きました。

 

 小石原先生は当時84歳でいらっしゃいましたが、朝食時、テーブルの上に料理を何皿も並べ、私よりもたくさん召し上がられるのを見たり、さまざまな文物を好奇心旺盛に見て回られる姿に驚いたこともありました。

 

 今回、オフィスを訪問するとスタッフの方に先導され、赤坂御用地を一望する、大変に見晴らしの良いビル屋上に設えられたお茶室に案内いただきました。

  (こんなところにお茶室があるとは、と驚きました)

 

 東京のど真ん中にある茶室でお茶を喫しつつ、経験豊富なお二人の間で交わされる貴重なお話を間近で伺うという、二重の意味での贅沢を堪能いたしました。

 

 小石原先生は過去に訪れた世界の国や街の話を皮切りとして(40年前に初めて訪れて以来、先生の中でもっとも魅力的な街であり続けたのは、ブエノスアイレスだそうです。:『文芸春秋』2013年3月特別号88頁「ブエノスアイレス」参照)、その後、農業の話、メディアの話、お茶ならびに茶室、茶道具の話と話題が尽きることがありません。

 

 茶室を作るよりも大変なのが、道具を揃えることで、小石原先生がこれまでに手元に集められたのが2000アイテム、と聞いて、驚かずにおられませんでした。

 

そんなこんなのお話を、傍らで興味深く拝聴させていただいたのですが、印象に残ったのは

「一流の人、物に触れなければならない」
「二流、三流、四流に触れてはダメ」

という小石原先生の言葉。

 

実はインド旅行にご一緒したときにも直接、同じことをご指導頂いたのですが、改めて肝に銘じようと思いました。

 

それにしても、小石原先生、高井先生と接しさせて頂き、感銘を受けるのが、同年代の、ほとんどの方が引退されている年齢になっても周りの方々から求められている、という生涯現役の姿。

 

旺盛な好奇心から湧き上がる元気なのかもしれません。
私もかくのごとく、年を重ねていきたいもの、と思わずにおれませんでした。

 

 なお、小石原先生も、高井先生も、時計をお持ちになったことがないとのことで、お忙しくされつつも時間に縛られるのではなく、時間をコントロールしているとの印象を受けました。

 

 小石原先生、高井先生、ありがとうございました。

有限会社セカンドステージ 代表取締役 鮒谷 周史)

 

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