いかに企業構成員に上昇感を与えるかの課題に取り組むの最近のブログ記事

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2012年6月30日(土)朝7:31
東京都千代田区北の丸公園にてタイサンボク(泰山木)を撮影
花言葉:「前途洋洋」「壮麗」

 

6月22日(金)・29日(金)の2週に分けて、私が当事務所報「Management Law Letter」2009年新緑号に書いた巻頭言「存続こそ企業の社会的責任」を紹介しました。この内容を受けて、今回は、1997年5月号に書いた巻頭言「いかに企業構成員に上昇感を与えるかの課題に取り組む」をご紹介します。

これは15年前のものですが、企業が存続に向けて努力した具体例が書かれており、いまの時代にも十分あてはまる普遍性があると思われます。

 

 

<当事務所報「Management Law Letter  1997年5月号の巻頭言より転載>

 

 

【いかに企業構成員に上昇感を与えるかの課題に取り組む】

 

まさに変化の時代を迎えて、誰しも勉強しなければそれに対応しきれない、また、萎縮し続ける社会の中でそれを乗り切ることはできないと痛感する毎日である。私はその勉強のひとつの方法として、執筆活動を続けている。最近最も力を入れてきたものは『揺らぐ終身雇用制』(労働新聞連載)であって、これはこの3月末をもって2年半に及ぶ連載を閉じたばかりである。

 

 こうした連載にあっては、統計を読み、資料を漁るという作業を根気よく続けながら絶えず新しい世界を構築していかなければならない。常に新しいもの、核心をついたものを書き続けたいという思いに駆られながら執筆活動に取り組むが、その結果、思いのほか新しい着想が浮かび、新しい真実に近づくことができる。

 

それにつけても、人間の発想や理念は無限大の拡がりと深さを持つことに思いが至り、頭脳活動の神秘さに改めて感じ入るのである。

 

昭和52年、私は倒産間際にあった一部上場企業「ニチバン」の再建の一端を担当した。これにはいろいろ経緯はあるが、大鵬薬品工業株式会社の社長である小林幸雄氏が「ニチバン」の再建を引き受けることとなり、人件費を圧縮するという方策だけでなく、年間労働時間を1865時間から2136時間に延長するという抜本的施策を採用するということに始まった。私はこの関係の裁判を引き受け、裁判では負け続けたが、結局会社再建に成功した。

 

成功の原因は、従業員の大半が労働時間の延長策等々の施策が会社再建にとって必要不可欠な処置であるという理解に達したことによる。東京地方裁判所(渡邊壮裁判官)も昭和54年6月7日の決定において「もとより、当裁判所は、債務者の積極的な経営政策をそれ自体として批判するものではなく、また、本件勤務時間延長実施の前後を通じて相当数の従業員が債務者の経営方針の転換、経営政策の積極化に協力的な気運を醸成していた、との債務者の主張を否定し去るものではない」と認定した。会社が従業員に満足感・幸福感・充実感を与えることに成功したのである。その根源は何かと言えば、企業には浮揚感を、また従業員個々には上昇感・燃焼感を与えることを企て、かつこれを実現したことに他ならない。

 

ところで、当時の合化労連ニチバン労働組合の佐藤功一委員長に対する反対尋問は、数年間にわたって30回以上に及んだ。この間同じ命題をめぐって、私が質問し彼が答えるというやりとりの中で、人間の頭脳の緻密さや深さといったものを体感した。同じことを質問しながらも自分が絶えず新しく構想し、また委員長の答弁も、次第にそれにふさわしい深みと意義を持ったものとなっていったからである。それはもとより虚偽を語るものではなく、真実を次々と新しく発掘する経過であった。

 

今後の勉強の課題も、この時代にいかに企業を浮揚させ、従業員に上昇感・燃焼感を与えることができるかの一点にあるが、それには現実的困難を克服する気構えが必要であると自覚している。

 

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