「仕事人のための接待学」第1回1998年4月12日日本経済新聞(夕刊)掲載

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「仕事人のための接待学」高井伸夫

「原点」はパーティー

日本経済新聞(夕刊)連載 1998年4月12日掲載


企業の接待の中で一番大掛かりなのは、社長就任、新社屋披露などの各種パーティーだろう。

 

そしてほとんどの場合、冒頭に企業の代表者の挨拶(あいさつ)がある。この挨拶の内容で、その企業の実力が判然となる。接待する、接待を受けるということによって、それぞれの企業の力量があからさまになるのである。

この3月21日、東京で「21世紀にのぞむデュポンのグローバルディレクション」の集いがあった。その冒頭の米国デュポン社社長兼最高経営責任者(CEO)のホリデー氏の挨拶は、極めて素晴らしいものだった。49歳で世界企業デュポンのCEOになるとは、よほどの人格・識見・手腕・力量がある人物だろうと思って臨んだが、まさにその通りだった。

まず、話が極めて手短でありながら多岐にわたり、しかも現代経営全般の核心をつくものだった。ある実力経営者がかつて語った「社長挨拶は紙に書いたものを読むものでは駄目だ。その挨拶文を作る人こそ社長になるべきで、それを読み上げる人は社長たる資格はない」との言葉が脳裏に浮かんだ。

ホリデー氏の挨拶は、まさに原稿なしで当意即妙。その内容も経営の課題だけでなく、学ぶ心、感謝の心を絶えず表している素晴らしい表現力だった。

さて、接待とは、今述べたとおり、その企業の訴えたいところを明らかにする一つの場でもある。企業を代表して接待する側の人格・識見・手腕・力量があからさまになることも知っておかなければならない。

接待にわざわざ時間とお金を費やす以上、自分自身をいかに売り込むかが課題になるからである。

ソフト化社会を迎えまさに頭脳労働時代となった。企業の能力格差は、足腰・手足・口先が武器だった農業・工業・商業・サービス業の時代の経営体以上に広がる。それにふさわしいまさに有能な人物が社長にならなければならない時代となったことを、接待の場であるパーティーでも知るのである。

社長の挨拶・話の内容が貧相で情熱がないものであれば、企業も貧相で情熱を欠いた存在であるとイメージされてしまう。

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