【第11回】青木昌一の尊親敬師 「経営危機下の身の処し方」

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2018年10月18日(水)13:10 六義園にてツワブキを撮影
花言葉:「謙遜、先を見通す能力」

 

 

第11回 経営危機下の身の処し方

 

株式会社日本総合研究所
リサーチ・コンサルティング部門
青木昌一

 

 1.窮極の選択

今回はかつて私が経験したような経営危機下でどうモチベーションを保ち、自らの役割を全うするかについてお話ししておきたいと思います。

今現在、どんなに優良企業であっても10年後に会社が経営危機に瀕することはないとは誰も保証できません。私自身前職の西洋環境開発に入社したときにまさか自分の会社が14年後にこの世から消えてなくなるなどということは露ほども考えていませんでした。

 

さて、自らが所属する会社が経営危機に瀕したらどうするか?

もちろん、そんな会社には早々に見切りをつけて新たな道を見つけて転身することも有力な選択肢です。もし、今の私であればたとえ年齢的に転職が厳しくてもそういう選択肢を志向したのではないかと思います。

しかし、もしあなたが30代半ばまでの若手、中堅であれば、しばらくその環境に置いて厳しい体験をあえて経験してみることをお勧めします。

会社で仕事をするというのは自らを成長させる場であることは誰しも考えるとは思います。しかし、一方で働いて得た収入で生活をしなければなりません。そのことはある意味自らを成長させること以上に重要なことです。まして養っていかなければならない家族があるとしたら、その選択は余計に簡単ではありません。したがって、経営危機に瀕していてもその会社にとどまることは究極の選択とも言えます。

 

2.修羅場の経験

私自身、どうだったのか?

実は当時置かれていた立場のせいで辞めるに辞められなかったというのが正直なところです。まず、会社が極めて厳しい状況に置かれているという情報は他の部署の人より早くしかも詳しく知らされていました。再建に向けて事業ドメインを絞り、人員を削減しても生き残れるかどうかという状況の中で人員を絞るための施策の検討をする立場に置かれたことで、「僕、一足お先に失礼します。」とは言いたくても言えなくなってしまったのです。

とは言え、ここで頑張って会社での役割を全うしたところで将来報われるという保証はどこにもありません。しかし、今思えばあのときの経験が私にとってとても貴重な経験でありさまざまな困難に対して、耐えながら勝機を伺う訓練になっていました。

私の場合、幸いなことに周りの上司や先輩に恵まれていました。例えば極めて厳しい環境下でも先輩や上司の心が折れることはなく、いつも前向きに議論がされていました。あれがもし周りが後ろ向きな愚痴ばかりであれば恐らく私の心は折れて、早々に会社を辞めていたと思います。しかし、当時は周りの先輩たちとも「これだけ大変な思いをしていればどこに行ってもやっていけるよな。」といった開き直りで仕事をしていました。

さらに、幸運にも高井先生に日々起きる様々な問題を報告し、指導していただきながら解決策をひねり出していたことも大きなモチベーションにつながっていました。高井先生に「こうしてみたらどうだい。大丈夫だよ。」と言われると、不思議とどうにかなるような気がしてきます。そういう日々を過ごすことで、いわゆる人事的なスキルが上がり、さまざまな引き出しが自分の中に増えていくことを実感することができていました。

さらに、人事部の後に異動した関連事業部という部署で不良資産つまり保有不動産の売却や関係会社の売却、閉鎖を担当したことで今の仕事につながるスキルを得たとも言えます。交渉におけるポジションのとり方、様々な経営指標を読み取る力、そういったものを実務として身に付けることで単に座学では得られないものを吸収できました。

こういった仕事を通して、どん底の「基準」のようなものが自分の中に培われ、日々増えていく自分の「引き出し」と相まって大きな自信を得ることができた訳です。

 

 

3. 今苦境にあえぐあなたに

「今年度過去最高益の見通し!」といった新聞の見出しが躍る一方で、苦境に喘ぐ企業のニュースも飛び込んできます。

そういう企業で再建に取り組んでいる方に是非以下のような意識を持って仕事に取り組んで頂きたいと思います。

(1)今の苦労は真剣に取り組んでいれば、将来必ず自分の武器になる。

企業の状況が厳しいときというのは、例えば取引先なども極めて厳しい条件を提示してきます。したがって、その厳しい状況を少しでもばん回する必要があります。そのときに「ここはひとつなんとかしてよ!」という精神論は通用しません。相手が「それも良いか」とか「それなら大丈夫」と思ってもらわなければなりません。そのためには現在の状況を分析し、相手にもメリットがあると感じてもらえるような条件をひねり出す必要があります。この訓練はそう簡単には体験できません。

(2)火事場の馬鹿力を体験できる。

厳しい経営環境の中で仕事をやっていれば必ず「もうダメかもしれない」と感じる場面と遭遇することも多いでしょう。そういったときに自分では持っていないはずのスキルが発動されることがあります。私の場合、元来のんびりした性格で締め切りギリギリのおしりに火がつかないと動かない悪い癖がありました。しかし、物事には旬というものがあり、このタイミングを逃したら二度とチャンスは訪れないかもしれない。そういうアラームが鳴るようになりました。その際のいくつかの選択肢に対する判断も比較的適切に選択できるようになっていました。こういった力は意識して働くものではなく、日々ギリギリの中で仕事をしていたからこそ発揮できたに違いありません。

 

会社が傾くような経験をせずに済むに越したことはないのですが、もし、厳しい環境に置かれたときには以上のようなことを思い出して欲しいと思います。

以上

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