高井伸夫先生の教えの活かし方を考える 第7回『上手に人を辞めさせる-教育ある人とは勉強し続ける人-』

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2016年7月16日(土)7:20 中目黒公園にてタンジーを撮影
花言葉:「平和、挑戦する」

 

 

株式会社開倫塾
代表取締役社長 林 明夫

 

「上手に人を辞めさせる
-教育ある人とは勉強し続ける人-」

 

1.高井伸夫先生の名著の一つに、「上手に人を辞めさせる」がある。

 

2.「上手に人を辞めさせる」大前提は、就業規則の絶えざる見直しだ。労働法の基本的な理解と遵守も欠かせない。

 

3.ただ、我が開倫塾は、高井先生の有難い教えを参考にしながらも、「人を辞めさせない経営」を1979年の創業以来目指している。なぜなら、失業は人間の尊厳を著しく阻害するものであるから、縁あって開倫塾にお勤め頂いた社員の皆様には、もし開倫塾でよければ、できるだけ長い期間働いて頂きたいと考えるからだ。

 

4.1998年以来、日本経営品質賞を目指して経営を行っている開倫塾では、経営の基本理念の一つに「社員重視」を掲げ、「働くに値する職場づくり」に励んでいる。

 

5.開倫塾が60校舎を展開する栃木県、群馬県、茨城県の北関東地域は、30~40年前から輸出主導型のハイテク製造業のメッカで、有効求人倍率や雇用者所得は全国でも有数の高さであるため、慢性的な人手不足が続いている。

 

6.ここ数年の円安と東北復興、東京オリンピック・パラリンピックの影響で、人手不足感は今まで経験したことのないレベルにまで達している。そこで、現在の人事労務の最大の課題は、「働くに値する職場づくり」を磨き込んで、新しい社員の採用と今いる社員にできるだけ長く働いて頂くリテンションとなる。

 

7.ただ、この採用とリテンションを果たすためにも、高井先生の「上手に社員を辞めさせる」前提となる就業規則の見直しと、労働法の基本的な理解と遵守は欠かせない。

 

8.これからの社員に求められる最大の資質は、論理的な内容の文章や資料を分析的に読み込み、問題点を発見し、課題として設定、それを皆と力を合わせて解決する能力だと考える。例えば、栃木県、群馬県、茨城県の北関東3県に60校舎を展開し、各校舎に約100名の塾生を擁して小学校1年生から高校3年生までの学習指導を行う開倫塾では、毎月膨大な経営情報が蓄積されている。上場企業ではないが、それらの中から財務情報を抽出し、従来からの「月次決算」を固定させると同時に、2011年より「四半期決算」を導入し、本年2016年度で5年目になった。

 

9.今後は、日々の経営に直結する「管理会計」の充実を図ると同時に、非財務情報で企業としての中長期的な発展に欠かせない重要な経営情報を「統合報告 Integrated Reporting」として取りまとめたい。

 

10.IoT(モノのインターネット)やAI(人口知能)が発展して現在の仕事がなくなり、別のものに置き換えられると言われているが、データや論理的な文章を分析し、問題点を発見、課題を設定し、皆で力で合わせて解決する能力は、月次決算、四半期決算、財務会計、管理会計、統合報告以外にもありとあらゆる業務分野で必要とされる。「働くに値する職場」とは、そのような能力を社員一人ひとりのキャリアとして、また、社員のキャリア権を担保するものとして、戦略的に身に着けさせるようなしくみを独自に構築しているところと考える。

 

11.高井先生は、「教育ある人とは勉強し続ける人」というドラッカー先生のことばを折に触れて口になさり、生涯にわたっての勉強の必要性を訴えておられる。

 

12.開倫塾の本社のある栃木県足利市出身の書家、相田みつを先生のことばに、「一生勉強、一生青春」がある。相田先生は、私の実家の近くにお住まいであったので、散歩するお姿をよく拝見した。高井先生の教えてくださった、ドラッカー先生の「教育ある人とは勉強し続ける人」という教えと相田みつを先生の「一生勉強、一生青春」の教えは私の中で渾然一体となり、「一生勉強し続けてはじめていつまでも青春時代のように元気に生きられるのだよ」と教えてくださっているようだ。

 

13.では、どのように生きるかが最大の課題となる。今年は、スペインの文豪、セルバンティスの没後400年にあたるので、小学生のときに読んだ覚えがある「ドン・キホーテ」を岩波文庫で読んでみた。読んでいるうちに、セルバンティスはドン・キホーテが目指す「遍歴の騎士」を通して、読者にある一つの生き方を問いかけ、示しているのではないかと気づいた。そこで、セルバンティスが訴えたいところに鉛筆で横線を引きながら、全6巻を一通り読んでみて、「ノブリス・オブリージ(高貴なる生き方)」とは何かが少しだけわかったような気がする。

 

14.日本では、内村鑑三が「後世への最大遺物・デンマルク国の話」と「代表的日本人」の2冊でどのような生き方があるのかをわかりやすく示してくれているので、参考になる。

 

15.高井先生はいつもカバンの中や身近に本を何冊か置き、考えながら著者との時空を超えた対話をしておられる。大いに参考にさせて頂きたい。

 

2016年7月27日(水) 

 

 

開倫塾のホームページ(www.kairin.co.jp)に林明夫のページがあります。

毎週、数回更新中です。

お時間のあるときに、是非、御高覧ください。


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