第2回 A社自力再建の指針に関する助言

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2015年2月25日(水)11:29 東京都千代田区三番町にて
菊を撮影(花言葉:高潔、わずかな愛)

 

 

※ 3月6日(金)より、数回に分けて、私が過去に顧問弁護士を務めたある会社の経営危機打開のため、私が社長宛てに提出した再建建白書「A社自力再建の指針に関する助言」を、掲載しています。3月6日(金)付記事からお読み下さい。

 

 

1.意識改革の断行


(1)何はともあれ、全社員、就中経営者・管理職者は率先して真面目に働くべし―従来以上に商売のために歩くこと、手を動かすこと、頭を回転させること―


①  いうまでもなく労働の価値はその者の精神的な充実の程度如何にかかっている。要するにやる気、士気である。責任感である。これは一般社員にも要求されるが、殊に会社そのものを体現している役員において強く求められる。

Aのために自己の全てを賭けて真剣に働く態度、気持を常に持ち続けなければならないことはいうまでもない。愛社心を一般社員に求める以前に役員自身が熱い愛社心を体現していかなければならないのである。

しかるに、Aでは従来この点が同業他社の経営陣に比べて稀薄ではなかつたか。そうでないとしたら、Aは今日このような破綻にまで瀕することはなかったであろう。「敗軍の将兵を談せず」とはいうが、同じ失敗を二度とAにおいて繰り返さないためにはまずこのことを教訓として肝に銘じておく必要がある。

 


②  真剣であれということは、従来以上に真剣であらねばならないということだけではなく、同業他社に負けない真剣さ、ひたぶりさが要求されるということである。否、すでに市場競争からなかば落伍し、同業他社から競争相手とも認められなくなってさえいるAを再建し、いつの日か必ず業界トップの○○社や△△社に比肩しうる地位にまで企業体質を強化させようと希求する限り、これらのものに勝り、凌駕する日々の業務展開に関する真剣さ、真面目さが要求されるのは当然である。

要するに、自らの生命を賭してでもやり抜く真剣さ、愛社心がなければ、再建という偉業は到底実現しないと覚悟すべきなのである。生半可なことで男の大事は決することはできない。企業競争に勝つ抜くためには、決断と忍耐、そして時機を逸せぬ勇気が殊のほか必要なのである。

 


③  しかし、これは口でいう程容易なことではない。

習い性となるという言葉があるが、永年の甘い、安逸な習性を一挙に打破することが容易でないことは誰しもよく承知していることである。

それ故、単に「真剣に働かなければならない」といった謳い文句を漫然と掲げるだけでは効果がないことは目に見えている。

そこで、一見辛辣とはなろうが、トップ自らがその実現を期さなければならない「真剣な仕事の進め方」のイロハとその具体的な規律・方向付けを傍目八目の立場からあえてここに提言することとする。

この中で、例えば「役員は一般社員はもとより、管理職者よりも長時間、真面目に働かなければならない」といったことを改めて述べる理由は、A社にとつて今取り組もうとしている自律再建が最後のチャンスであること、そのタイムリミットはここ1年半いないという極めて短い期間しか残されていないという基本的な認識のもとに発想せねばならない事態におかれているからである。

このタイムリミット内に再建の実効を果たし得ないときには、A社はその生命を閉じるということを、全社員の、そして何より全役員の肝にたたきこんでおかねばならない。

 


④ 役員が真剣に経営に取り組むようになれば、自ずからその姿勢からにじみ出る気魄・迫力は管理・監督者を介して社内の隅々にまで浸透し、全社員が見違える程に変貌を遂げることは間違いのないことである。又、これにはトップが真剣であればある程、長い期間を要しないことも経験則から間違いのない事実である。

要するに、全役員が全智、全能、全力を賭けて、必死に社業挽回に取組み、A社 の再建を完遂するか、はたまた今までの惰性のままにA社の落城を役員の資格においておめおめと看取るかは、残された1年半、約500日の去就に全てがかけられているのである。

役員が「えらい人」といわれるのは、えらい(苦しい、つらい)仕事をする人であると観念すべきであり、そうであるからこそ人に尊敬される、「えらい人」と称されるのである。義務を果たさずして報酬や尊称だけを受けようとしても、世人の目はごまかせないことを知るべきである。

 

続く

 

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