【歴訪記】10月1日(火)福島・会津若松


 

2013年11月10日(日)6:53
目黒区立中目黒公園内にて箒木(コキア)を撮影
花言葉:「恵まれた生活」「私はあなたに打ち明けます」 

 

 

<絵の贈呈式> 

本年10月1日(火)、私は絵の贈呈式のため、福島県会津若松市の一般財団法人竹田健康財団・竹田綜合病院を訪問しました。

その際ご一緒しました前福島県知事・佐藤栄佐久様より、ご寄稿をいただきましたのでご紹介します。

 

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10月1日(火)、高井伸夫先生のご縁で、福島県会津若松市にある竹田綜合病院への絵の贈呈式に参加してきました。

 

高井先生とは東京のある会合で同席し、桜の季節が話題になったので、「福島にも三春滝桜をはじめすばらしい桜がいっぱいありますよ」と、いつものふるさと自慢をしたのです。先生はその言葉を聞き流さないで、4月20日(土)に突然電話がかかり「佐藤さん、桜を見にきましたよ。」といらっしゃいました。「明日21日の朝食、ご一緒しませんか」というお誘いです。

私は正直感動しました。これまでたくさんの人に滝桜自慢をしましたが、真に受けて突然飛んできた人は多くありません。

私は郡山の書道家・鈴木瑞之先生をお誘いして宿(おとぎの宿米屋)に押しかけ、朝食と共に奥深い芸術談義など先生のお人柄を堪能しましたが、滝桜堪能のほうは余りの「4月のドカ雪」で果たせず、先生は真っ直ぐ雪の中東京にお帰りになりました。

 

さて、高井先生から、秋には新築と成った竹田綜合病院に絵を贈呈するので一緒にどうかというお誘いがあったのは夏だったでしょうか。

私は不勉強で存じ上げなかったのですが、高井先生がたいへん評価されている中国・上海市出身で現在シドニー在住の洋画家、蔡國華先生の絵をぜひ見てみたいという思いもあり、また知事時代から地域医療、とくに会津の地域医療の確立と充実には強い思いがありましたので、喜んで参加させていただくことになりました。

私の地域医療に対する考え方は、安岡正篤先生(1898年~1983年)の著された『童心残筆』に収められた随筆「杏林桃窓」にあるように、お医者さんが各々の病院で真剣な医療を行うことは勿論、医療の体制づくりが難しい広域をカバーすることです。特に会津はまるで小さい県にも匹敵するような広い面積をもつ地域で、まず会津と南会津の二つの生活圏をカバーする田島の県立病院を整備しました。そして今年、全会津の医療圏の完結を志向して、会津医療センターが完成したと聞いております。

(参照:「福島県地域医療再生計画」http://www.pref.fukushima.jp/imu/chiiki_iryou_saisei/sanji_niji.pdf)

 

これにもともと会津藩以来の「御薬園」、新鶴村の「朝鮮人参」活用の漢方など、有機的なネットワークを結んで、さらに高度な医療を提供できる体制がととのったわけです。新設成り、もともと筋のいい竹田綜合病院とどのような有機的な結合が為されるのか、現場を自分の目で見て実際に感じたいと思ったわけです。

 

蔡國華先生の絵は贈呈式の前夜に画集を拝見し、私のような門外漢があれこれ論評するまでもなくデッサン力もすばらしく感動しました。

 

会津東山の名湯・向瀧では、豪雨と勘違いしながら滝の音を聞き朝を迎えました。100年は磨いたであろうトロトロの廊下の脇の小さいコケ庭で、番頭さんがかがみこみコケのために小さな葉をせっせと抜いています。その姿に感銘しつつ朝食の後、竹田綜合病院へ向かいました。

 

贈呈式は、竹田健康財団理事長・竹田秀さんのあいさつの後、贈呈者の高井先生が「医師や看護師等、治療にあたる方々には、精神性を大事にする必要があると、かねがね思っておりまして、絵は人間の精神世界の所産ですから、それにふさわしい絵を蔡國華先生にお願いし、竹田綜合病院にお贈りしました」との力強いあいさつがありました。

その通り、と私は同感しつつ、いつしか先に述べた安岡先生の「杏林桃窓」を思い出していました。江戸の海防を担った会津と関係の深い千葉・富津からお見えの金谷美術館理事長・鈴木裕士さんと私の祝辞の後、ホールに絵が飾られました。

150号はあるでしょうか。裏磐梯などに良く見られるような山のなかのくねった道に、黄色い花と赤い花がそれとなく配置され、静かな中に近くの五色沼からのせせらぎの音が聞こえてくるようなとても深い絵です。

蔡國華先生の絵は、患者さんだけでなく、竹田綜合病院で働くお医者さんや看護師さん、すべての人々に、心と体のやすらぎをまさしく与えるにちがいない、と私は確信しました。

 

昼食まで30分ぐらい時間が有ったので、先述の鈴木裕士さんご夫妻を鶴ヶ城に案内し、お城の復元技術を生かして建築屋さんが造り、経営しているティールームに案内しました。ご夫妻は、その建築物やお城の巨大な石垣に感心していらっしゃいます。その感じが通りいっぺんのものでないのでお聞きすると、もともと名主さんで石垣の仕事などとも関係していた方の子孫なのだそうです。

そこから充分時間をとって昼食会場へ向かったはずが、なんと案内役の私どもが道に迷ってしまい、遅れてしまいました(笑)。

城下町は地元の私どもさえ間違うように造ってあるのです。それも敵に攻められたときの備えのため、独特のカギの手構造になっています。(決して遅れた言い訳をするのではありませんが…。)

 

楽しい語らいの後、会津には伝統工芸の漆器業界があり、その芸術性を求めて活動している方も多いので、その長老の家(角田弘司さん、純一さんご父子)で漆芸の作品を皆さんに見ていただきました。言わずもがなですが、福島空港の壁をかざる一番大きな1間×2間、夕日に輝く磐梯山の漆芸の作品はお邪魔した角田弘司さんの作品であります。

 

その後、有意義な1日を惜しみつつ散会となりました。会津においでいただいた皆様、ありがとうございました。

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