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第34回 人事・労務の未来(3)
(2009年10月19日)

 

人事・労務を軽視すると、後に述べる労働力人口の急激な減少と相俟って、企業にはどのような弊害が生じるのだろうか。

 

崩壊する労使協調路線

人事・労務の軽視は、人を大事にしないということであり、その結果、従業員の勤労意欲の減退・士気の低下を招き、社員・従業員のロイヤリティーが徐々に薄れていくことは言うまでもない。そして、社員の能力が発揮されず組織のパフォーマンスが落ちることにより、創造性(製品開発力)、生産性(営業力・品質・コスト管理力)も当然に低下し、労務対応のコストが増大する。その代表的な事象として、訴訟が提起されるなど経営の求心力が失われ、労働側の意見を集約しづらくなることが挙げられる。さらに、労使関係が悪化し、日本の良き風土として利点であった経営と労働側の協調路線も崩れていくだろう。

そして、企業は人なりという本筋が失われ、優秀で貢献度の高い社員は退職し、他の企業へ流出する。また、社員の育成も進まず、人事労務の責任者や管理監督者も育たなくなり、他社と違ったユニークで戦略的なポジションをとるためのマネジメント層も不足し、組織の存続が一層脅かされる。こうして企業競争力は劣化し、最終的には淘汰されてしまうのである。

このように、人事・労務を軽視することにより様ざまな弊害が起こり得るが、最も大きな弊害の一つに、風評被害(レピュテーションリスク)が挙げられる。

従来、企業はヒト・モノ・カネの三資源でできていると言われていたが、本稿第1回で述べたとおり、私は数年前から信用と組織がそれらに追加されるべきであると説いている。企業間競争が激しくなればなるほど、信用の重要性が高まり、その反作用として、レピュテーションリスクが顕在化するのである。つまり「一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う」(『潜夫論』より)という故事成語のように、まさに噂が噂を呼び、悪評が企業の負荷になるのである。その対象は、マスメディアのみならず、ネット上の数多くの情報(書き込み・掲示板・ブログ・SNSなど)まで及ぶ。情報量の急増により、利用者が個々の情報の真偽を判断することは難しく、間違った情報でも情報量が多ければ、人間の心理として信用する傾向がある。リスクが顕在化した場合の顧客離れ・売上減少・株価下落・訴訟等によるブランドおよび信用の失墜・損失は計り知れず、会社の存亡に大きな影響を与えかねない。

ところで、こうしたレピュテーションリスクの問題はコンプライアンスとも大いに関連がある。そして、コンプライアンスは企業倫理のごく一部を把握しているものにすぎず、例えて言うならば、“企業倫理の浮島”とも言うべきなのである。それゆえ、企業経営においては人事・労務の面でも、法令遵守義務を果たすだけではなく、企業倫理を極めようとする姿勢が必要不可欠となる。そして、前述のような風評被害のリスクが蔓延する社会状況であっても、経営陣以下全員が、わが社は倫理上も誤った対応をしていないという確信を持てるように、人事・労務の仕組みの中で、従業員らに企業倫理・コンプライアンスの重要性を徹底的に叩き込まなければならないのである。

 

後継育成が大きな使命

さて、日本の総人口は減少の一途を辿っており、このままでは労働力不足による経済の縮小は避けられない。日本の現在の人口は約1億2770万人であるが、2055年には8993万人となり、50年もしないうちに3割もの日本人が姿を消し、さらに2105年には、4459万人にまで激減すると予測されている(国立社会保障・人口問題研究所)。また、厚生労働省の推計によれば、2030年の労働力人口は、女性や高齢者などの就労が進まない限り、現在より約1070万人減の5584万人(約16%減少)まで落ち込むという。これは「生産性の伸びによって補える人口減少規模でなく、労働力人口の減少は、確実に経済成長を抑制する」と指摘されている(日本経済団体連合会「少子化対策についての提言」より)。この人口激減リスクに対する抜本的な処方箋の一つとして、移民法制も視野に入れなければならなくなるであろう。

さて本稿第2回でも述べたとおり企業の成長に資する能力を持つ者は限られた割合でしか存在しない以上、人口減によって企業に有用な人材の絶対数が減少し、社内人材の衰退・対価が急速に進行すると予測される。

そのような状況下で、必要となってくるのが、若年労働力の確保と活性化である。

ドラッガーも「若年人口の減少が国内市場を根本的に変える」「人口構造の変化こそ、ネクスト・ソサエティーにおいてもっとも重要な要因である」と述べているとおり、それを実現するための教育等の諸施策が必要となってくるであろう。各企業は生涯にわたり教育を施し、特に若年労働者に向上心を持たせ続ける努力を行うとともに、企業が仕事を通じ、従業員の知的能力・体力・精神力を鍛えることができるようなプログラムを実施すべきである。企業の指名は利益の追求にあるのは当然だが、人材を育てて初めて企業は継続する価値があると言えるのである。

具体的には、企業が給与以外の恩恵ももたらしてくれると考え、仕事そのものにやりがいと生きがいを感じる従業員を育て上げ、人間としてのレベルアップを継続させることが必要である。そして経営者は一人でも多くの良き後継者を育てるべく、自ら率先して一生勉強を怠らない姿を見せるとともに、一緒になって勉強することである。

 

修正すべき年功型賃金

さらに、若年労働力の確保と活性化についての施策として、年功型賃金制度を見直し、職務や成果を適切に反映した報酬体系に組み直すことが考えられよう。労働力不足になれば、需給のバランスが崩れるのであるから、初任給を含む年功給的体系から今以上の能力給あるいは成果給体系に移行せざるを得ないだろう。従って、現在ほぼ新卒共通の初任給水準も、会社の事情に応じて個別に設定することになろう。

一般的に年功型賃金制度のもとでは、業務に習熟する入社数年後から、職位を与えられる30代半ばくらいまでが、業績への貢献度に対して報酬水準が比較的低い年代と位置付けられる。一方で、40代以上の社員のなかには、貢献度に対して報酬水準が高すぎる者が一定量発生する。コストパフォーマンスの高い若年労働者が不足し、その業務を割高な中高年労働者でカバーしようとした場合、人件費負担が増大し、これまでの収益モデルは破綻に向かい深刻な問題となるのは明白である。そこで、貢献度に対して報酬水準が高すぎる中高年社員のそれを適正化し、雇用を維持しながら若年労働者に代替していくことが考えられるのである。

 

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第6回 あなたから買いたい!と言われる自分となれ!

 

こんにちは。

株式会社新規開拓 朝倉千恵子です。

 

今年も早いもので半年が過ぎようとしていますね。

忙しい毎日ですが、1日1日を大事に過ごしたいものです。

何となく過ごしていると1年は本当にアッという間に終わってしまいます。

 

さて、高井先生のブログに連載を書かせていただき、6回目となりました。

このような機会を頂き本当にありがたいです。

心から感謝申し上げます。

 

”「あなたから買いたい!」と言われる自分となれ!”

 

これは弊社の社是として会社設立当初から掲げている言葉です。

 

それから世の中は大きく変化し、

今やパソコン・インターネットが日本中に普及し、

いつでもどこでも仕事ができ、

日本国内はおろか、海外からでも簡単に、モノが買えるようになりました。

 

また、近年ではAI(人工知能)の出現がしきりに叫ばれ、

私たちの生活・仕事環境はますます大きく変化していくことは間違いありません。

 

とはいえ、

インターネットやAIが普及して、世の中がどんなに便利になろうとも、

 

最後には、「人」は「人」からモノを買う―

この鉄則は不変だと、私は考えています。

 

普段から連絡手段はメールやチャットばかり、

企業から届くお知らせはキレイな写真が掲載された印刷物。

 

そんな中、思いがけず手書きのお手紙が届き、

嬉しくなった経験はありませんか?

 

デジタルが普及した結果、

逆にアナログであることが良い意味で目立つ事例が増えています。

 

アナログには言葉にできない温かさがあるからです。

 

昔は当たり前だったことも、世の中が変化したが故に、

思いがけないポイントに心が動かされることが多々あります。

 

デジタルカメラやスマートフォンで誰でも簡単に

キレイな写真が撮れるようになりましたが、

昨今「使い捨てカメラ」が若い人たちの間で再び流行している、

という話も聞きます。

 

「どんなものが撮れているか現像しないと分からない」

ことが新鮮なのだそう。

 

人の心は、“便利”“簡単”だけを求めている訳ではありません。

アナログだからこそ生みだせる感動も実はたくさん潜んでいるのです。

 

とはいえ、もちろん、

昔のように全てをアナログに戻した方が良い!

というお話ではありません。

 

10年前よりもはるかにスピード感を持って仕事ができているのも

様々な便利な機器のおかげです。

 

大切なのは、そうした機器といかに付き合っていくか?

ということではないでしょうか。

 

デジタル化で浮いた時間を別のことに使う、

普段はデジタルだけど、ここぞというところで

アナログを活用する…などなど。

 

ものすごいスピードで世の中が変化している今だからこそ

 

「自分だからこそできる思いやりをいかに形に表すことができるか?」

と常に自問自答することが必要だと考えています。

 

実は人と人とのコミュニケーションを考えたとき、

アナログにせよ、デジタルにせよ、

手段は違えどもその本質にはあまり違いがありません。

 

ところが、残念なことに社会が便利になるに従い、

コミュニケーションそのものまで簡単に考えてしまっている人が

増えているような気がしてなりません。

 

簡単に人とコミュニケーションが取れるということと、

コミュニケーションは簡単に済ませて良いということは同じではない

ということが見失われてしまっているように思えるのです。

 

理念は愚直に守るもの。

誠実に、誠心誠意を尽くし行動することを忘れず。

 

高井先生から学ばせていただいた大切な教えの1つに、

「熱意と努力と創意工夫」があります。

 

「創意工夫とは、自分の商品をよく勉強すること。

お客様の商売を熟知するする(彼を知り己を知りて百戦危うからず)ことだ。

 

創意工夫の次にはお客様に好意を持つ。

すなわちお客様から好かれるのではなく、お客様を好きになること。

 

そしてお客様のお役に立つという精神を持つこと・・・」

 

このお言葉は高井先生から教えて頂きました。

努力は嘘をつかないですね。

 

私は高井先生から沢山の学びや気付きを得ましたが

 

その中でも特に印象に残っている教えのひとつです。

高井先生は常にこの言葉通りのことを実践していらっしゃいます。

 

ある年のブログに、高井先生が私のことを紹介してくださいました。

 

無用の用~高井伸夫の交友万華鏡

http://www.law-pro.jp/weblog/2011/08/83814820.html

 

私としては高井先生のブログに掲載していただけるだけで

大変光栄なことなのですが、

 

・どんな紹介をすればいいのか?

・原稿チェックは社員の誰がやるのか?

・一番PRしたいことはどんなことか?

 

など、内容についても事前に色々こちらの要望を細かく聴いてくださいました。

本当にありがたいことです。

 

人のために思いやりをもって行動する、というのはこういうことを言うのだなと

身をもって学ばせていただいたエピソードの1つです。

 

高井先生と出逢い、勉強することの重要性。

年齢関係なく好奇心を持つことの大事さ。

 

そして、人のために誠実に行動することの意義を学びました。

 

信頼される人間になれ!-

どんなに時代が変化しても、結局はこの一言に尽きますね。

 

「あなたから買いたい!」と言われる自分となれているか

今一度自らを振り返ります。

 

日々進化・成長できるよう

精進あるのみですね。

 

株式会社新規開拓
代表取締役社長 朝倉 千恵子

 

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「仕事人のための接待学」高井伸夫

「原点」はパーティー

日本経済新聞(夕刊)連載 1998年4月12日掲載


企業の接待の中で一番大掛かりなのは、社長就任、新社屋披露などの各種パーティーだろう。

 

そしてほとんどの場合、冒頭に企業の代表者の挨拶(あいさつ)がある。この挨拶の内容で、その企業の実力が判然となる。接待する、接待を受けるということによって、それぞれの企業の力量があからさまになるのである。

この3月21日、東京で「21世紀にのぞむデュポンのグローバルディレクション」の集いがあった。その冒頭の米国デュポン社社長兼最高経営責任者(CEO)のホリデー氏の挨拶は、極めて素晴らしいものだった。49歳で世界企業デュポンのCEOになるとは、よほどの人格・識見・手腕・力量がある人物だろうと思って臨んだが、まさにその通りだった。

まず、話が極めて手短でありながら多岐にわたり、しかも現代経営全般の核心をつくものだった。ある実力経営者がかつて語った「社長挨拶は紙に書いたものを読むものでは駄目だ。その挨拶文を作る人こそ社長になるべきで、それを読み上げる人は社長たる資格はない」との言葉が脳裏に浮かんだ。

ホリデー氏の挨拶は、まさに原稿なしで当意即妙。その内容も経営の課題だけでなく、学ぶ心、感謝の心を絶えず表している素晴らしい表現力だった。

さて、接待とは、今述べたとおり、その企業の訴えたいところを明らかにする一つの場でもある。企業を代表して接待する側の人格・識見・手腕・力量があからさまになることも知っておかなければならない。

接待にわざわざ時間とお金を費やす以上、自分自身をいかに売り込むかが課題になるからである。

ソフト化社会を迎えまさに頭脳労働時代となった。企業の能力格差は、足腰・手足・口先が武器だった農業・工業・商業・サービス業の時代の経営体以上に広がる。それにふさわしいまさに有能な人物が社長にならなければならない時代となったことを、接待の場であるパーティーでも知るのである。

社長の挨拶・話の内容が貧相で情熱がないものであれば、企業も貧相で情熱を欠いた存在であるとイメージされてしまう。

 

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第33回 人事・労務の未来(2)
(2009年10月12日転載)

 

「平準化」した人間関係

本稿第1回では、これからの企業では個別人事管理を強く意識せざるを得ないがゆえに、集団労務管理がより一層難しくなることを述べた。

今回はまず、上下関係を忌避しがちな平準化した今の社会の人間関係の中で、いかにして秩序立った円滑な人事・労務の仕組みを築くかということが、これからの人事・労務管理の課題であることについて述べたい。

一般に今の時代は、親子関係も師弟関係も本来の上下の秩序を前提としたあり方ではなく、尊敬の念が薄れ、友人や兄弟のような関係に変化している。例えば、学校で教師が生徒に気を遣い、生徒は教師と対等な口をきくゆゆしき現状がある。こうした環境で成長し社会人となった若手社員と先輩社員との関係は、かつてとは異質なものに変化していることは、必然と言えよう。仕事も大学のサークル活動の延長線上にあることを望む若手社員に、上司に対する尊敬・畏敬の念を抱かせること自体が、そもそも難しいのである。

こうした状況では、労働者の権利義務をどのように位置付けるかという従来からの課題が、より重要かつ困難なテーマとしてクローズアップされる。

それには、まず新入社員に企業のあり方を徹底して教え込み、甘えを排除することから始めなければならない。企業には優勝劣敗という決定的な判断基準があり、勝ち残ることが最終的な目標となる。その目標達成のためには企業の構成員が心を一つにして他企業との戦いに挑むことが最も重要であるが、それは単なる友達付き合いのような甘い人間関係では果たせない。構成員の絆は、互いが切磋琢磨し高め合う中で得られる連帯感でなければならないのだ。

また、企業は階層社会であって、その階層があるがゆえに統一性や秩序を保てるという事実がある。しかし閉鎖的な階層社会になってしまっては、今の社員・従業員・労働者を活性化させることはできず、さらには優秀人材を当該企業に引き留め、定着させることはできない。

さらに、企業間の競争が激化した結果、利益・成果をあげるために閉塞的な環境で非常にきめ細かい社員マネジメントを行うと、社員にハラスメントやメンタルヘルスの問題が生じかねない点にも大いに留意しなければならないのである。

ハラスメント問題の背景には、上司に心理的余裕がなくなり、相手の立場に配慮して指揮命令するセルフコントロール、自己統制力が乏しくなっていることがある。部下の教育・指導に当たり、業務外のコミュニケーション促進による適切な職場人間関係の形成を併せて行っていくことが効果的であろう。

その意味で、今後は企業には開かれた階層社会であること、つまり、実力に応じて昇格を果たし、誰もが管理監督者・経営者になり得る組織であることが求められているのである。ここに実は、公正・公明・公平な評価が求められる所以がある。

ところで、評価とよく似た言葉に査定があるが、査定と評価の根本的な違いは、公開性の有無である。即ち査定には公開性がないが評価には公開性がある。しかし、日本人は「公開」について非常に消極的である。公開すれば日本人の民族性である集団主義が瓦解するのではないかということを恐れ、評点を公表することを忌み嫌う傾向がある。例えば、最近の事象では、いわゆる全国学力テスト(文部科学省)の市町村・学校別のテスト結果を公表するという自治体側の判断が、市民的運動として猛反対を受けた事実がある。

それゆえに、人事考課は査定が一般的であって、評価という意識があまりない。しかし、個別的人事管理と人材育成が重視される時代となれば、当然、公開の方向で人事管理をしていかなければならないであろう。即ち、先に述べた企業における開かれた階層社会を作り、その結果を社員の指導に用いるためには、公開を旨とする「評価」の方向が模索され具体化されなければならないのである。

一般に査定は密室で行われるがゆえに、社員・従業員・労働者に不安感・恐怖感が伴い、対象者の人格を否定することにもつながりかねない。そこで、日本人にとって、評点を公表することに耐えられるかが今後の大きな課題となってくる。

その際、個人情報保護の法理が公開の大きな障害となるが、人事考課の公開の重要性が意識されるならば、まずは各考課の対象者個人にその評価を告知することが必要となる。これにより、人事労務の公明・公平・公正という原則に一歩でも近づくことになるのである。

しかし、何度も述べたように人事考課を評価として公開すると、公正さ・公平性を一層担保しなければならないが、これは容易なことではない。なぜならば、人事考課はデジタル数値によってのみ行われているのではなく、その要素にはアナログ要素をも加味されているからである。アナログ要素を取り入れて、より公正・公平な人事考課を行おうとする努力の一環として、各企業で評価項目と基準の明確化の努力や人事考課の調整作業が行われているのはそのためである。昇格の折には、業績だけではなく、人格や人望についても評価の対象とすることは言うまでもない。

 

裁判も総合判定を是認

しかし何はともあれ、査定ではなく評価としての考課となれば、公正・公平性を担保する困難さという隘路を克服しなければならないのが、今後の人事労務の大きな課題となっている。

また、労働組合側が、組合員から人事考課の公開を委ねられて公開を要求し、それに使用者は応ずべきかという課題がある。この要求は正当性があるように思われるが、当然それには様ざまな弊害がある。その一つとして、デジタルな数字だけではなく、アナログの数字をも斟酌して人事考課を行っていくことを、使用者は率直に明言しなければならないのである。

この点、裁判所は、会社に査定義務違反があるかどうか争われた事案で、「人事評価は、使用者が企業経営のための効率的な価値配分を目指して行うものであるから、基本的には使用者の総合的裁量的判断が尊重されるべきであり、それは社会通念上著しく不合理である場合に限り、労働契約上与えられた評価権限を濫用したものとして無効となる」として、アナログ的な評価要素をも十分に念頭に置いた判決を下している(東日本電信電話事件=東京地判平16・2・23)。また、含み損社員の解雇の効力が争われた事案では、「勤務実績」「性格」「適性」等の項目を基に総合判定された勤務評定について、それぞれの項目に属するアナログ的な諸要素(仕事の結果・仕事の仕方・仕事に対する態度・部下の統率の仕方・誠実さ・積極性・意志の強さ・慎重さ・機敏さ・辛抱強さ・几帳面さ・協調性・明朗さ等)を前提とする勤務評定を是認している(東京都土木建築健康保険組合事件=東京地判平14・10・7)。裁判所は、デジタルな客観評価だけではなく、アナログ要素の評価も加味してこそ正しくなされるとしている。

 

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  • 今、話題のテーマについて各界で活躍している方々と対談をする一問一答形式のブログの第35回目です。
  • 第35回目は、未来創庵庵主 一色宏先生です。

 


 

■ ■ ■ ■ 時流を探る~高井伸夫の一問一答(第35回)■ ■ ■ 
未来創庵 庵主 一色宏先生 
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[未来創庵 庵主 一色宏先生 プロフィール]

昭和12年9月9日愛媛県和歌山市生まれ。一色宏先生

洋画及び日本画を学び、デザインの世界に入る。

美学・哲学の師に学びながら、人間がなぜ、真・善・美・利を求めるのかを追求し、デザインは単なる装飾や意匠にとどまらず、生活文化としての役割や、企業文化の創造のためにHuman First heart First で万象の共感を呼ぶデザインを探求している。特にコーポレートシンボルを中心に、生命的価値・社会的価値・人類的価値に高めて、哲理のあるデザインを展開している。

 

話題を呼んだ山田養蜂場のメッセージ広告は、朝日広告賞/毎日デザイン賞(両準グランプリ)を受賞。

 

■役職

未来創庵 庵主http://www.mirai-so-an.net/

NPO知恵の輪・理事長/ローマニアン・ネットワーク・副会長/NPO日本伝統芸術文化協会・理事/ライフバランスリサーチセンター・理事/NPO日本技術振興協会・理事/ミスアジアパシフィックビューティーコンテスト・審査員/NPO徳育と人間力育成研究所・理事

 

■著書

『美の実学』/『「夢」すべては夢からはじまって』/『一日一訓』/『心暦(こころごよみ)』

 

[今回のご同席者・インタビュアーは以下の通りです]

  • 株式会社HOU一級建築士事務所 山内研 先生
  • 高井・岡芹法律事務所 秘書 高島さつき 

 

 


高島

一色先生には、弊所のロゴを制作していただきました。私共所員が目指すべきところを的確にデザインと言葉で表現していただき、初めてロゴを拝見したときに、私たちをよくわかっていらっしゃるなあと感動いたしました。一色先生は様々な企業のシンボルマークをデザインされておいでですが、制作する際に、どのような思いを込めていらっしゃるのでしょうか。

 

一色先生

企業から、事業を立ち上げたときなどに旗印となるシンボルの制作を依頼されますが、私は思いを全て託されていると感じるんです。

シンボルマークには、会社の思い、理念を方向づけする力があります。ゆえに、託された思いを形にすること、そしてその形、デザインは、「集団のシンボルは美しくなければならない」と哲学者エマーソンは言ったように美しくあることをモットーに常に意識して制作しています。

 

山内先生

先生は、クライアントから依頼が来た時にまず何をされますか?

 

一色先生

まず、その会社が社会に対して何をしていくかを確認します。会社の目的意識、自分たちが仕事を通してなんらかの形で世のためになりたいという思い、理念など。立ち上げたばかりでも、素晴らしい発明をしているベンチャー企業もあります。それを世に広めたい、そういう状況の時に、どういうことができれば一番いいのかということを私も考えて、その内容を把握することに努めます。それを把握しないことにはシンボルは作れません。会社によっては、目標を謙虚に見積もっている会社もあります。そういった企業には、さらに展開した先の未来、大きなビジョン、理想をもっと出して下さいと投げかけます。思いの丈を書き出してもらうんです。

そしてそれを形に変えて、一番それを如実に表現できるシンボリックにするのは何だろうかと考えます。形はいろいろな意味を持っていますから、その会社の理念とするものをどういう風に形に表現したらいいかも考えます。そして、最終的には、生命の源に立ち返って、そこから浮かび上がるインスピレーションとでもいいましょうか、おそらく、こうだろうと思っていただける希望の旗印をデザインしてご期待にお応えできるように心がけています。

 

高島

インスピレーションとおっしゃいましたが、先生はデザインや、詩を書くときに悩まれることがあると思います。どのようにしてインスピレーションは生み出されるんでしょうか。

 

一色先生

私にもこの生命のはたらきはわかりませんが・・・、驚くべき今日までの人類の歴史で、これほど知的財産がある時代はないかもしれません。私は自分自身の楽しみ、自分自身を激励するために、毎日いろいろな書物に目を通します。世界中の色々なことを成し遂げた人の「命を懸けた真理の言葉」とでもいいましょうか。過去の偉人・天才たちの言葉を知ることは私にとっての最大の喜びです。そういうものが私の中にストックされていき、そのまま使うだけにとどまらず、それらから啓発を受けてデザインや詩が生まれるんです。何もないところから物は生まれることはありません。強いていうならそういった心の土壌を日々耕しています。そこから直観する不思議な感性に導かれます。

 

山内先生

言葉から生まれるものもありますよね。手を動かしていて物が生まれるわけではないけれど、言葉の繰り返しで生まれるものもあります。その辺はどっちが先かという話で、鶏が先か、卵が先かという話になってくるのではないでしょうか。

 

一色先生

えぇ。本当に不思議なもので、私もよく寝床で考えているときに色々なものが浮かぶことがあります。さまざまなものが合成されて、そして独自のものに生まれ変わると、突然ふっと創造的進化が生まれます。

 

高島

ありがとうございます。ところで、先生は、デザインすることについて、いつ頃から意識されたのでしょうか。

 

一色先生

中学1年か2年の頃、父親の勤務先の工場が「安全ポスター」を社員から募集していまして、父親から「お前が描け」と言われて何度かポスターを描いたことがありました。それがいつも受賞しまして、父親がえらく喜んでくれたことが、嬉しかったですね。そんなことがあり、高校1年の時に国体のスタンプのデザイン募集に応募したら、一等を受賞いたしました。その事が

きっかけで急激にデザインって面白いなと、興味を持ち始めました。

私が大きく意識が変わったのは、スイスのヨゼフ・ミューラー=ブロックマンという有名なデザイナーの講演会です。「デザイナーも一人の人間として、いかなることがあっても商業主義に流されて悪しきものに手を貸してはいけない」と言った言葉でありました。デザインは現状をより良いものに変えるための行動を立案することであり、また良いものを“世に広めていけるもの”に協力すべきであって、いかにお金を積まれたとしても、魂を売るようなことをしてはならないという倫理的な話でしたが、デザインには、素晴らしいものを世に伝えるという大きな役目があるんだと認識しました。この講演会での気付きはその後の人生において、常に私の心に生きています。

今日まで様々なデザイナーに会いましたが、プロダクションの運営や生活のために、相当なお金を積まれると仕事だと割り切って引き受ける場が只あります。私はどんなことにも不正は許されない、そういった信念をもってやってまいりました。とはいうものの騙されてとんでもないことに協力させられたこともあり、その事に心を痛めました。

 

高島

ありがとうございます。先生は、デザインだけでなく、文章での表現もしておられます。毎週欠かさず様々な「美」をテーマに執筆しておられますが、デザインで表現できないことを文章で表現するため、文章を書き始められたと伺いました。デザインで表現できないこととは何でしょうか。

 

一色先生

デザインで表現できないこと、世の中には、どうしても形だけでは理解されないものもあるんです。ちょっとした文章を添えることで、意図を伝えることが容易になります。

なぜ文章を書くようになったかといいますと、本来は、私の事務所に優れたコピーライターがいて、私がある程度発言した内容を文章でまとめるのが上手かったんです。その彼が大阪の出身で大阪へ帰ることになって、これまで頼っていた人がいなくなり、自分が書かなければならない状況になってしまったために困ってしまいましたが、それならば文章について徹底しようということで、自分が書くことになりました。

 

それが思わぬことになってきたのは、ある会社のシンボルマークをデザインすることになって、コンセプト文をまとめたのですが、そのまとめ方が説明的で面白くないので、全部詩にしたんです。会社の理念を全部詩にして、朝みんなが唱和する。短い詩であってもその方が心に入るだろうと思って、それから、詩ばかり書くようになりました。

その詩の持つ力が思わぬ縁を生んだこともあります。1989年、冷戦の最中での広島市の市政100周年の祈り米ソ宇宙平和サミットが開催された際には、平和のメッセージを広島から発信しようということで、詩を書くことになったんです。アメリカとソ連とブルガリアの宇宙飛行士が式典に招かれていましたので、詩を英語とロシア語にも翻訳して、式典で読み上げました。紆余曲折を経て書いた詩でしたが、式典の翌日、宇宙飛行士の方たちとホテルが同じだったものですから、ロビーにいたら、彼らが通訳を伴って私のところにきて、「日本で一番良かったことはこの詩をもらったことだ」と言ってくれて、抱きしめられました。

この詩は、広島の原爆で亡くなった人のことを思えば忘れることは出来ない出来事であり、こうなったらいいなという未来への思いを必死に書いたものです。言葉は不思議なことに、思いを受けて、ちゃんと出て来ました。アメリカとソ連の宇宙飛行士と手をつなぎ合ってダンスをしたとき、冷戦の最中でしたが、アメリカもソ連も関係なしにお互いを認め合う日が間違いなく来ると確信しました。詩の力で得た体験でした。

 

高島

一色先生は、今も第一線でご活躍され、高い評価を得ておられます。先生の制作されたシンボルは、どの時代にも普遍的に認められる価値がある、みずみずしい新しさを持っている、そんな印象を受けます。

 

一色先生

私は後ろ盾もありませんし、利害関係もありませんので、経営者にズバッと物を言ってしまうこともあるんです。それでもありがたいことですが、不思議と評価されて、ここまできました。

ある時期は16名のスタッフをかかえた会社でしたため、社長業とデザインと両方やっていた時もありましたが、デザイナーは、本当に個性の強い人ばかりで皆それぞれ信念をもってデザインをしていますから、否定もできません。育てていかなきゃならない。大勢を抱えていると経営者になってデザインできなくなってしまうおそれがあり、

それで、7社に分社いたしました。それぞれ独立させて身軽にしました。お陰様で今はフリーランサーとして自由にデザインができています。

 

山内先生

先生は、何年くらい前に会社を小さくされたんですか。

 

一色先生

もう20年も前ですね。早いうちに決断してよかったと思っています。それからは、もう一度新たな地平に立って、若い者に負けないようにしようと頑張っています。今日まで失敗も成功も含めていろいろ体験していますが、ここにきて、この体験の価値というのは、馬鹿にならないものだと思うようになりました。レオナルドダヴィンチの「自分は経験の弟子である、そして智恵は経験の娘である」という言葉、失敗であれ成功であれ何であれ真剣に物事をやっていればどんな失敗も智恵に変わる事を実感しています。世界の天才と呼ばれる人は素晴らしい言葉を残しますね、その言葉を最近実感しています。

 

高島

先生の一番の支援者はどなたですか。

 

一色先生

本当の支援者は色々と苦労をかけた家内が一番の支援者でないでしょうか。一番いい点も悪い点もみんな知っていて、口うるさく言ってくれますが、色々健康のことを注意して料理なんかも心をくばってくれていて、これはありがたいですね。私はシンボルを制作するときは不眠不休で作業に没頭してしまう事があります。そういったときに心配してくれる、大変ありがたいことですね。

その他には、強いて言えば未来からの使者である子どもたちでしょうか。もちろん自分の子どもだけではなくて、すべての子どもたちの未来のことを考えますと、この子どもたちのためにやらなければならないと気持ちが奮い立ちます。私を一番応援してくれているのは、そういう未来を創り出す子どもたちかもしれません。

そして、“子どもたちのため”この1点で、私は何でも強く言えます。大企業の社長や会長にもみなさん、お子さんやお孫さんがいらっしゃいます。彼らに対しておかしいなと感じたら、「今のままでよろしいんですか」ということも言えます。大勢の社員を抱えていたら、妥協してしまったりして、意見が言えないかもしれませんが、誤魔化したら必ず最後にどこかで露呈します。発展するには、正しくある、それしかないんです。

プラトンは真善美といいました。利の価値は非常に大事であるけれども、これが善なる働きをしなければ大変だとも言っています。未来の子どもたちを想うと、いま、生命哲学が問われていると思っています。そういうことを考えて、美・利・善の価値創造をテーマにマトリックスを作っているところなんです。まだまだ書き足らないことがたくさんあって未完ですが、そういったものが新しい人間の文化・経済になるのではないかと思っています。

以上

 

 

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第5回 面談現場での気づき

 

こんにちは。

株式会社新規開拓 朝倉千恵子です。

 

ありがたいことに、

これまで高井先生からご紹介を頂き、

沢山の方々と知り合い、大切なご縁を頂きました。

 

今回は、高井先生からのご紹介で、

ある経営者の方と面談をさせていただいたときの出来事を、

その時の気づきと学びを振り返りながらご紹介したいと思います。

 

 

もう6~7年前のことになりますが、

その日は久しぶりに講師としてではなく、

営業担当として面談をさせていただきました。

 

久しぶりの営業現場に腕が鳴る!!

と思っていたのですが・・・

 

いざ終わってみるとその日の面談の自己採点は、

100点満点中30点合格のところ、わずか5点・・・

 

切れ味が悪く、説得力の無い面談となってしまい、

自身の感覚がものすごく鈍っていることに気付きました。

 

先方は「高井先生のご紹介だから」

と時間を作ってくださいました。

 

高井先生も事前に私のことをティーアップしてくださっています。

 

(それなのに肝心の私が情けない姿でどうする!?)

(高井先生の顔を潰す気か!?)

 

自身の面談力、商談力の衰えに、

「これではいけない!」と心底思いました。

 

この時、極めて客観的に自分自身を見つめ直しました。

 

「朝倉!!自惚れるな。驕るな。事前準備を怠るな!」

と、もう一人の私から厳しく叱られた瞬間でした。

 

どれだけの事前準備をしたのか?

シュミレーションは?

部下との打ち合わせは?

 

仕事は全て段取りです。

プロの仕事人の世界にリハーサルはない。

まさに本番の一本勝負

 

何とかなるさ・・・では絶対にダメ。

 

しかし、この日の私は、

大事な面談・商談であるにも関わらず、

「何とかなるさ」という姿勢だったのです。

これは、立派な講師病であり、社長病です。

 

「みっともない」の語源は「見とうもない」・・・

 

この日私が行ったのは、

まさに「見とうもない面談」でした。

 

自分自身が驕っていたことに気付いたこと、

何とかなるさという姿勢で面談に挑んでしまったこと、

ここは、面談して下さった経営者の方にも、

紹介者である高井先生にも正直にお伝えしました。

 

もしかしたら、それは面談に同席していた

部下には分からないかもしれない。

お客様も気が付かなかったかもしれない。

 

しかし、自分自身はよく分かっている。

だからこそ余計恥ずかしいのです。

 

人を誤魔化すことはできても、自分を誤魔化すことはできない・・・

 

部下たちは毎日セールストークの練習を重ね、テレアポをして、

飛び込み営業をして、確実に、着実に成長している。

 

今の私はどうか!?

営業時代の地道な努力はどうした!?

 

この経験を通して、私は新たに今後の課題を見つけました。

その日の振り返りを皆さまにも共有させていただきます。

 

①ポイントは分かりやすくシンプルに

有難いことに、高井先生がご紹介くださった経営者の方は

具体的なアドバイスをくださいました。

 

「私が御社を他社に紹介するにあたって、

分かりやすく伝えることのできるポイントをまとめてください。」

 

「伝言ゲームは最終的にとんでもない方向に進む。

だからこそ、資料はわかりやすく、説明しやすくが基本」

 

会社を案内するにあたり、

自社をよりよく知ってもらう為のツールは分厚くなくてもいい。

 

・一言で説明ができること

・一枚の紙で説明ができること

 

これを意識すること。

 

②説得力のある話とは何か?

それは、話をしているときに、

相手が「なるほど・・・」と身を乗り出してくるような話。

 

人間の脳はうまくできている。

人は自分にとって必要な情報しか入らない。耳に残らない。

 

どんなにいい話を聞いても、スルーしてしまうのは

無意識の本能の中でそれを必要としていないから。

 

メモをとらなくても必要で大事な話は記憶に残るもの。

残らないということは、必要としないから・・・

 

今一度原点に立ち返って、当たり前のことをしっかりやりたい!

と思えた出来事でした。

 

このような出来事がある度に、

私は自分が営業の第一線で仕事をしていた頃を思い出しては、

日々どんなことを行っていたか、改めて思い返しています。

 

「経営者、社長が一番の営業マンである」

という高井先生の言葉は、まさしくその通り。

 

経営者になる前は、現場の一営業マン、途中から部下を持ち、

リーダーとして結果を求められるプレイングマネージャー。

 

そのときと今は何が違うのか?

経営者の立場での営業と、現場のマネージャーの立場での営業。

 

現場に足を運びお客様の困ったを

いかに解決することが出来るか?

 

誠実であれ! 謙虚であれ!

驕るな! 慢心するな!

 

と自身に何度も言い聞かせました。

 

高井先生からのご紹介を通して、沢山の素晴らしい出逢いをいただきました。

またブログの中でご紹介したいと思います。

 

株式会社新規開拓
代表取締役社長 朝倉千恵子

 

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第4回 2009年9月6日 1500名イベント

 

 

こんにちは、株式会社新規開拓 朝倉千恵子です。

 

今から9年前の2009年9月6日(日)、

グランドプリンスホテル赤坂(旧 赤坂プリンスホテル)にて、

「日本を元気にする!」と題した1500人規模のイベントを開催しました。

 

過去最大規模のイベントに、高井先生にはゲスト講師としてご登壇いただきました。

今日はその時のことを皆さまにご紹介させていただきます。

 

【「日本を元気にしよう!」~丑年の4名が熱く伝える!~】

 

きっかけは2008の12月…、

 

そうです。

まさにリーマンショックのタイミング。

 

それ以来、景気がドンドン悪化していき、

あっちこっちで、ため息ばかり…

株価は下がり景気は低迷…

 

ものが売れない、仕事が無い…

 

社会全体がどんよりと暗くなっていくのが

手に取るように分かりました。

(このまま嘆いてばかりいても何も始まらない。

 

ため息をついても豊かにはならない。

何かことを起こそう!!)

 

そんなことを悶々と考えていたある日、

「日本を元気にする手づくりイベントを開催しよう!」

とパッと思いついたのです。

 

日本を元気にする!!

100年に一度の大チャンスを生かす!!

日本を元気にするのは他でもない私達!!

やるか!やるか!!やるか!!!の精神だ!!

 

社会全体が暗い雰囲気に覆われている今だからこそ、

前向きなエネルギーが絶対に必要だ!と強く感じたのです。

 

早速イベント責任者と共に高井先生との面談に伺いました。

 

「高井先生、日本を元気にするイベントを行います。

是非ゲスト講師としてご参加いただけますか?」

 

実は当時、高井先生は体調を崩されており、

ご登壇の依頼をしていたものの、大丈夫だろうか、、、

と心配していたのですが、

 

二つ返事でOK!!

 

「で、何人集めるの?」

という高井先生からの問いに、

 

「3000人です!」

と私は胸を張って答えました。

 

ところが、

「無理無理!せいぜい200人か300人…それも難しい…」

と言われてしまいました。

 

「いえ、やるんです。

高井先生のお話を数多くの経営者や管理者、

そして前向きな方々に聞いて欲しいんです。」

 

無理・無理・無理じゃない!!

やるか!やるか!やるか!です…」

 

正直に言うと、半ば意地になっているところもあったのですが、

こうして、とにかく「前向きにやる!」の一点突破で、

イベントの開催が決定しました。

 

それからはスタッフが必死に会場を探しました。

 

色々問い合わせては、会場見学を繰り返していましたが、

ここで問題が発生しました。

 

3000人が入る会場が見つからないのです。

 

良いと思った会場には既に予定が入っており、

かといって日程変更をすれば会場は押さえられるかもしれないが

講師の予定が合わなくなってしまいます。

 

やっとの思いで探せたのが、

グランドプリンスホテル赤坂(旧赤坂プリンスホテル)でした。

 

実はここは最大で2000人までしか入れず、

3000人としていた当初の目標よりは会場が小さくなってしまいましたが、

「一人でも多くの人に、熱いエネルギーの共有をして欲しい。」

 

その想いを成し遂げるために精一杯の会場でした。

 

会場の次は、

誰にゲスト講師をお願いするかを考えました。

 

この時、我ながら、

ものすごく良いアイデアが浮かんだのです。

 

そうだ!高井先生は丑(うし)年

来年(※2009年)は丑(うし)年

 

同じやるなら丑年のゲストを探そう!!と閃いたのです。

 

そしてお一人、

素敵なゲストが頭に浮かびました。

 

『No.1理論』の西田文郎先生です。

 

「電話ではダメだ直接、熱い思いを伝えたい!!!」

と居ても立っても居られず、スタッフと一緒に静岡県島田市の

西田先生のオフィスを訪ねました。

 

西田先生も日程を確認して下さり、即断即決でご快諾くださいました。

 

そのとき、もう一人の講師をどなたに頼もうか

まだ考えているところだと打ち明けたところ、

 

西田先生から、

「朝倉さんは大嶋さんを知ってる?」

と、居酒屋てっぺんの大嶋啓介さんのお名前が出てきました。

 

「お名前はよくお聞きしますが、まだお会いしたことはありません…」

とお伝えしたところ、

 

「大嶋君がいいんじゃないかな??」と

西田先生が、その場で大嶋さんに電話をかけてくださいました。

 

(大嶋さんは丑年か??)

と一瞬心配が…

 

日程を確認し、さりげなく生年月日を伺ったところ、

昭和49年の1月生まれ寅年。

いや、節分前なので、よし丑だ!!(勝手にこじつけ。)

 

(実は私も寅年の1月生まれなのですが、子どものころからずっと

「あんたは丑年やでえ…寅年言うたらあかんでえ…」

と祖母に言われていました。)

 

やったあ!!

やっぱり私達はツイてる!!!

 

これで丑年4名が揃った。

これで『ウッシッシーの会』が出来る!!

 

すごいメンバーのすごい会になる!!

大変な事がおこる!

と、興奮する気持ちが抑えきれませんでした。

 

そこから、全社員一丸となって、企画準備に入りました。

 

その中で、イベントの開催に向けて、

高井先生の他、ご登壇いただく講師の皆さんに、

メッセージをいただきリレーメルマガを配信しました。

 

高井先生は2番手でメルマガに登場くださいました。

 

その時の高井先生からのメッセージをご紹介いたします。

 

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日本は、今の不況に始まったことではなく、

21世紀に入った頃から賃金ダウンの時代となり、

社会全体に貧困化がじわりと拡大してきている。

 

しかも人口減少に歯止めがかからず、

市場規模も縮小するばかりである。

 

そうした先細りの現実を突きつけられた中にあってもなお、

日本の将来に希望を持つにはどうすればよいのだろうか。

 

私は、P.F.ドラッカーの次のような言葉の中に、

未来への一筋の光明を見出すものである。

 

即ち、「今後、『教育ある人』とは、

勉強し続けなければならないことを

自覚している人間のことだということになる」

 

「すべての事業は現在の資源を未来の可能性に投資する。

あらゆる事業のもくろみは、暗闇の中への飛躍であり、

勇気と信念を必要とする行為である」

 

日本では国家のみならず企業も働く者も、

貧しくとも世界に尊敬される存在であることを目指し、

矜持を保って努力を続けるしかない。

 

組織も個人も、自らの能力を高めて

ハイ・パフォーマーになるための勉強を継続することで初めて、

暗闇を恐れずに飛躍できる勇気と信念を獲得できるのである。

 

日本を元気にするのは、皆さん一人ひとりの力に

かかっていることを今回改めてお話ししたいと思っている。

 

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この「日本を元気にするイベント」のことはとても鮮明に覚えています。

 

高井先生に、無理無理!と言われたことも、

企画を進めながら1500名の集客に全社員一丸となって必死に取り組んだことも…

 

おかげさまで1500名の皆さんにご参加いただき、

中には全社員で社員研修としてバスをチャーターしてお越しくださった

会社の皆さんもいらっしゃいました。

 

「経営者は汗をかけ!」という高井先生の講演を、

多くの経営トップの方々に聴いていただくことができました。

 

日本は不況で暗いニュースが多い年…

 

私たちにとっては、これまでで最も大規模なイベントを成功させることができた、

とても思い出に残る年となったのでした。

 

そして、「そんなの無理、無理!」

と、再び高井先生から言われる出来事がその数年後に・・・

 

(つづく)

 

株式会社新規開拓
代表取締役社長 朝倉千恵子

 

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  • 今、話題のテーマについて各界で活躍している方々と対談をする一問一答形式のブログの第34回目です。
  • 第34回目は、自由民主党参議院議員三宅伸吾様です。

 


 

■ ■ ■ ■ 時流を探る~高井伸夫の一問一答 (第34回)■ ■ ■ 
自由民主党  参議院議員
三宅 伸吾 様
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


[三宅伸吾様 プロフィール]三宅伸吾様

昭和36年、香川県さぬき市末出身。高松高校、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、日本経済新聞社に入社。米コロンビア大学留学。東京大学・大学院法学政治学研究科修了。企業・官庁・政治取材を経て、平成15年、同社政治部編集委員(平成24年8月退社時は証券部兼政治部、法務報道部)。
平成24年8月、公募で選ばれ、自由民主党香川県参議院選挙区第2支部長就任。翌年25年7月の第23回参議院議員通常選挙にて香川県選挙区より初当選。

HP⇒ http://www.miyakeshingo.net/index.php

 

【お役職】

  • 参議院:外交防衛委員長、政府開発援助等に関する特別委員会委員
  • 自民党:政務調査会外交部会副部会長、知的財産戦略調査会事務局次長

【著作】

  • 『Googleの脳みそー変革者たちの思考回路』(日本経済新聞出版社・2011年)
  • 『市場と法ーいま何が起きているのか』(日経BP社・2007年)
  • 『乗っ取り屋と用心棒ーM&Aルールをめぐる攻防』(日本経済新聞出版社・2005年)
  • 『知財戦争』(新潮新書・2004年)
  • 『弁護士カルテル』(信山社出版・1995年)など多数

 

 

[今回のインタビュアーは以下の通りです]

  • コンパッソ税理士法人 公認会計士・代表社員 内川清雄様
  • 高井伸夫

 


高井

ジャーナリストから政治家になって、三宅先生の政治家としての実績は何でしょうか。3つ挙げてください。

 

三宅様

まず、法人実効税率の引き下げです。実効税率が平成28年度改正でようやく30%を切り、29.97%になりました。ジャーナリスト時代から、我が国の経済復活のためには税率引き下げが欠かせないと考えており、当選直後から、実現に向けて動きました。

まず、自民党議員約10人の勉強会を作り、徹底的に議論を重ねました。このメンバーを中核にさらに賛同者を募り、最終的に「次世代の税制を考える会」は自民党議員約90人の賛同を得て、政策提言をとりまとめ、関係閣僚らに提言内容の実現を申し入れました。税率引き下げという大きな方向性では政府も一致しておりましたが、私たちの活動が引き下げへの一助になったことを喜んでいます。

 

高井

1つは法人税ですね。実績の2つ目は何でしょうか。

 

三宅様

外国人技能実習制度など外国人労働問題にも時間を割きました。実習制度は国際貢献が狙いであり、副次的効果として日本の労働力不足の課題解決にも役立つ側面があります。

実習制度は日本の進んだ製造やサービスのノウハウなどを来日した外国人に学んでもらい、帰国した後、そのノウハウを母国の経済発展に役立ててもらおうというものです。結果として、我が国の労働力確保にもつながります。

2017年秋に制度が大幅に見直され、在留期間がこれまでの最大3年から5年まで延長されたほか、対象職種に介護が追加されました。肌の触れ合う対人サービス分野で技能実習の対象になったのは介護が第一号です。一方で、人権侵害を防止するために罰則規定や許可制など規制強化策も導入されました。

仕組みが少し一般の方には分かりづらいのですが、建設と造船分野ではひと足早く、3年間の技能実習を終えた後、これとは異なる「特定活動」という在留資格で、日本で一定期間、働けるようになりました。

実習制度などについては個人的にかねて研究を重ね、勉強会や講演会も実施してきました。経済外交であるとともに労働・産業政策であり、これまでの制度改正への一助になれたと思っています。

現時点では、これら制度を適切に運用し、状況を見極めながら段階的に拡充・発展させるべきだと考えています。例えば将来は、当然かなりの条件は付けますが、最大10年間くらいは日本で研修等を兼ねながら働けるように制度改正をすべきだと思っています。現役でバリバリ働けるときに日本のノウハウをもっとたくさん学んでいただいて、帰国後に対象職種の管理職などとして、母国の発展に貢献してもらうというイメージです。

 

高井

法人税、外国人労働、3つ目は何ですか。

 

三宅様

足元で一番力を入れたのは著作権法の改正です。

 

高井

著作権法の何を改正するのですか。

 

三宅様

インターネット関連分野に加え、近年、人工知能(AI)、ロボット分野などでも技術革新が急ピッチで進んでいます。新技術を生かし、ワクワクするような商品、サービスの誕生が見込まれます。これらのなかには他人の著作物を利用する場合があり、著作権者の利益を不当に損なわないケースでは著作物の無断複製を認めたほうが社会のためになるため、そのように著作権法を改正すべきです。

他人が権利を持つ著作物は原則、それを商業利用等のために複製する場合には、著作権者の事前了承を取らなければなりません。例外的に事前許諾がいらないケースについて著作権法は限定的に列挙しています。例えば個人で楽しむために本を複製するとか、報道のためとかが限定列挙されており、このような場合には無許諾複製行為を例外として認めています。

しかし、限定列挙方式では、想定していなかったような技術革新が起きた際、法改正が間に合わず、日本で他人の著作物を利用した新サービスが展開しづらくなっています。

一番、分かりやすい例がインターネットの検索サービスです。これを提供するためには、他人の著作物をかき集めてデータベースにしておく必要があります。データベースを作ろうとすると、他人の著作物を複製するわけですから、事前許諾が要ります。

日本の著作権法はインターネットの検索サービスを合法にするような規定が実はつい最近までなかったのです。2010年になって初めて例外的に無許諾複製を合法化する、という追加条文が施行されました。時すでに遅く、我が国の著作権法が改正された時点では米社の検索サービスがほぼ世界の検索市場を牛耳っていました。

このように情報技術の進展に応じ、無許諾複製を認めた方がもっと社会生活が良くなるというサービスが数多く生まれています。無許諾複製を認めた方が、社会のためになるのだけれども、現在の著作権法は限定列挙方式をとっていますので、法改正するのに数年かかってしまうと、日本が法律を変えたときには既に周回遅れ、海外勢にサービス市場で負けてしまっているという状況になりがちです。

現状を打開するには、著作権者の経済的利益を不当に害さない場合には、公共の利益に合致するようなサービスにおいては無許諾複製も構わないという包括条項を置くべきです。日本経済新聞社の編集委員時代から、このように確信しておりました。

米国法では包括規定のことをフェアユース規定と呼んでおります。日本法でも、この公正利用という概念を入れるべきですが、著作権法を所管する文化庁は今なお消極的です。

 

高井

フェアユース(注:公正利用という概念)に対して日本はなぜ消極的なのですか。

 

三宅様

理由は2つあります。1つは権利者団体には著作権至上主義が根強くあります。著作権は神聖にして犯すべからず、というようなお考えを持っている方がいて、著作権を縮減するような改正にはまず反対をします。

そして、もう一つの理由は事前規制が好きな官僚が多いからでしょう。公正な利用、公共の福祉に資するような著作物の複製であって、著作権者の利益を不当に害しないものは無断複製OKですよという条文、包括条項を入れると、最後は裁判官がこの無断複製行為がフェアユースか否かという判断をすることになります。これは、文化庁の外の方がルール確定の権限を持つこととなります。

思うに、ルール決定は「政府の権限」という風にお役人の方は考えているのではないでしょうか。事前規制から事後規制へという時代の流れを理解されていない、理解していても、権限を離したくないのでしょう。

文化・伝統・歴史、古文書を守ることが文化庁のお仕事だった訳ですから、それはそれで極めて大事です。しかし、繰り返しになりますが、イノベーション、技術革新のスピードに負けないようなテンポで著作物関連の新しいサービスを日本で普及させ、先行した日本の企業が世界に冠たるIT企業になるという、そういう意味での経済成長を進めるためには、文化庁のこれまでの発想、やり方では限界です。同志の議員を募って、いい意味の徒党を組んで頑張っています。

(追記 三宅伸吾議員の活動の詳細は「国政報告」に記載されています。ダウンロードは→ http://www.miyakeshingo.net/news/

 

高井

三宅様が政治家になって一番苦労しているのは何ですか。

 

三宅様

時間です。国会議員としての職務、地元香川の有権者とのふれあい、家族との時間、3つ大きな要素がありますが、足りません。また、政治活動には費用がかかります。資産家ではない、二世・三世議員でもない、脱サラ組みには、活動費の工面にも苦労と時間がかかります。

 

高井

話は変わりますが、国民に是非、知ってもらいたいことはありますか。

 

三宅様

悩んで、決断する、これがそもそも政治家の職務ですが、あえて申し上げます。

多くの要望をいただきます。要望される方は、自分が熱望していることが最優先課題であると確信を持っておられます。当然のことだと思います。

一方、財政状況が苦しい中で、国の舵取りをしているので、最後の最後は優先順位を付け、取り組まざるを得ません。

要望と、その実現に必要な、しかし足りない予算。この狭間で多くの善良な官僚、政治家は悩んでいるということをご理解をいただきたい。要望を全て受け止めても、あなたの要望の優先順位は低いですよ、とはなかなか政治家は言えません。そういう中で政治家は日々悩んでいるということを、頭の片隅に置いておいていただきたいと思います。

また、いろいろな考えがありますけれども、憲法を改正すべきです。住んでいる一定の地理的範囲の中で、同じ文化・歴史を共有している人が、自分のところはこうやって運営するよという仕組み、それが憲法です。そうした憲法を自分の手で作らないと、そもそも国家として良くないと思います。少なくとも憲法9条は変えないと、おかしい。

国防軍と言おうと自衛隊と言おうと、「国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための組織」といっても実質は変わりません。個人、家族の集合体である国民や国を守るため、生命を賭す覚悟で自衛官になられている方が、一部の学者の学説によると憲法違反の組織に属しているとのそしりを受けるような憲法はどう考えてもおかしいと思います。そういう批判ができないような憲法改正を最低限すべきです。

現行憲法を読むと、自衛隊が憲法違反だというような読み方もできます。そういう学説が成り立たない書きぶりに改正しなければなりません。衆参それぞれで3分の2以上を加憲、改憲論者が占めていると言われております。国民投票に向け、国会は憲法改正の発議を速やかにすべきです。

 

高井

一番目は政治家と国民との関係、それから二番目は憲法改正。他に伝えたいことはありますか。

 

三宅様

稼がないとサービスは提供できません。サービスを求める声は山のように来ますが、もっとみんなで稼げるような環境づくりに向けた政策の重要性を声を大にして言っていただきたいと思います。

稼ぐ力をつけるためには当然、制度改正も必要です。不要・過剰な規制を、撤廃・緩和するという環境整備に加えて一番大事なのは人材です。グローバルな舞台で戦える人材、地域経済に貢献する人材が豊富にいないと、稼ぐ力はつきません。

そうした人材をどうやって育てていくか。個々人のキャリアパスの追求に対し、会社などの組織が最大限配慮すべきだというのは、至極、妥当な考えだと思います。諏訪康雄先生、高井先生らがかねて提唱されておられる「キャリア権」の確立は強く賛同支持します。

ただ、いわゆる「キャリア権」の度合いをどこまで認めるかという問題は、結果的に採用を制限している厳しい解雇規制の緩和と、セットにしないと整合性がとれないように思います。解雇規制は厳しいままだけれど、従業員のキャリア権だけを声高に主張されても困ります。

私は、解雇規制の緩和論者ですから、これを実現し、かつキャリア権も法的権利に近づけるというのは賛成です。

また、一生懸命に政策を、自分の頭で考え汗をかいている政治家をぜひ応援していただきたい。自分の頭で考えず、どこかの団体から言われたことを右から左へPRするばかりの方が選挙に強い場合も無いわけではありません。それでは国民のための政治とは言えません。

理念をしっかり持っていて、それを実現するために、国民全体のために真摯に政策を考え、実現しようと奮闘している政治家を見分けていただき、そういう人が政策に没頭できるような環境作りを支援していただきたい。

もう1つ。若い方にぜひ投票に行っていただきたい。高齢者の方の多くは必ず投票に行きます。そうすると政策では高齢者の声が大事にされます。少子化対策より、高齢者福祉に予算が流れていきます。少子化対策が充分なされず、少子化に歯止めがかからず国力が衰えることになっては困ります。もちろん、子、孫の世代を考える高齢者の方も多くおられますが、ぜひ若い人にも投票に行っていただきたい。

 

内川様

先生は目立たないけど汗をかき、一生懸命やっていらっしゃいますね。先生のような正直者がバカを見ない、国会議員でありたいと。素晴らしいですね。

 

三宅様

ガンジーの好きな言葉があります。いろいろな訳し方がありますが、「あなたが変われば世界が変わる」というのが1つの訳です。もう1つの訳は「あなたが変わらなければ世界は変わらない」。座右の銘にしております。

 

高井

三宅先生の政治家としての目標は何でしょうか。

 

三宅様

「日本に生まれてよかった、住んで良かった」と、より多くの国民が思うようにすることです。憲法改正もその手段の一つですし、経済成長もしなければなりません。財政再建もしつつ、少子化対策、社会福祉も充実させなければいけません。様々な課題を克服しないと、日本に住んで良かった、子どもにもずっと日本国民でいてほしいと、胸を張って言えるようにならないですね。そうなるよう精進してまいります。

以上

 

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 平成29年11月9日 第2回中小企業と企業統治セミナー 開催報告②

 

〈第2部〉

「非上場企業のプチ・コーポレートガバナンスのすすめ

――コンプライアンスと企業承継に重点を置いたコーポレートガバナンス」

(講師:学習院大学法学部法学科 教授 小塚 荘一郎 氏)

 

事例や図解を多く交えながら、日本の中小企業に焦点を置いたお話をして頂きました。

 

「守り」のコーポレートガバナンス=コンプライアンスの確保

・オリンパス事件

・大王製紙(オーナー経営者のコンプライアンス)

・大塚家具(企業承継の失敗)

・タカタ(ファミリー企業の危機管理)

・東芝「不適正会計」=粉飾決算

・神戸製鋼問題

 

 

「攻め」のコーポレートガバナンス

・『日本再興戦略 - Japan is Back -』 (2013)

攻めの会社経営を後押しすべく、社外取締役の機能を積極活用することとする。このため、会社法改正案を早期に国会に提出し、独立性の高い社外取締役の導入を促進するための措置を講ずるなど、少なくとも一人以上の社外取締役の確保に向けた取組を強化する。

国内の証券取引所に対し、上場基準における社外取締役の位置付けや、収益性や経営面での評価が高い銘柄のインデックスの設定など、コーポレートガバナンスの強化につながる取組を働きかける。

 

平成21年 東証上場規則による独立役員の選任義務づけ

平成24年 東証上場規則改正、取締役である独立役員の選任を強く要請

平成26年(27年施行) 会社法改正(社外取締役を置かない場合、「社外取締役を置くことが相当でない理由」の説明義務)

平成27年 コーポレートガバナンス・コード適用開始(独立性のある取締役を2名以上選任しない場合、その理由をコーポレートガバナンス報告書で説明する義務)

 

▼社外取締役、独立取締役を置くか、置かなければその理由を説明する義務を課すこととしたことについて、その考え方の基本は、上場公開企業はモニタリング・モデルと呼ばれる考え方を取り入れてほしいというところにある。

 

 

コーポレート・ガバナンスのモデル

 

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(1)モニタリング・モデル

経営者・・・業務執行者

取締役会・・・株主利益に従った経営がなされているかどうかの監督だけをする

⇒ よってここには、株主利益の代表者である独立者が必要

 

*モニタリング・モデル的に考える会社は大抵、他の企業の有名な経営者に独立取締役を担ってもらっている。

 

(2)アドバイザリー・モデル

取締役会・・・

監督をしているわけではなく、経営者(典型的には社長)に対しアドバイスをする、アドバイザリーボードであること

⇒ 日本企業が目指していたのはこれではないか?

 

*アドバイザリーモデル的に考える会社では、例えば海外展開をしようとする際、法務が重要になっているので独立取締役は弁護士にお願いをしたい、税制の問題で悩んでいるので税理士やあるいは国税庁のOBにお願いしたいといった形で独立取締役を選任している。

このモデルにおいては、経営者は、株主利益だけでなく取引先やメインバンクや従業員、地域、いわゆるステークホルダーといった様々な利害を受け止めてバランスさせながら、最終的に望ましい経営をすることが経営の在り方だと考えている。

 

 

会社法のエイジェンシー問題

 

・エイジェンシー問題・・・調整しなければならない利害対立のこと

 

①経営者vs株主

②債権者vs会社

(債権者:典型的にはメインバンク)

③多数株主vs少数株主

 

※コンプライアンスの問題・企業承継の問題は、②③の問題にかかってくるものである

 

例:コンプライアンスの問題・・・タカタ倒産の例(②の問題)

企業承継の問題・・・規模の小さな同族会社で起こる承継争い(③の問題)

 

 

エイジェンシー問題から見たファミリー企業

 

・経営者vs株主の問題は小さい

創業者ファミリーが自ら経営(株主=経営者)

創業者ファミリーが経営者を監督

 

・多数株主vs少数株主の問題は両義的

経営者が主要株主として会社の将来に利害を保有しているため、経営破綻を回避するという点においては主要株主も少数株主も利害は一致

もっとも、主要株主の私的利益(過大な配当金支払い等)のために利害が対立する可能性がある

 

 

日本のファミリー企業

 

・齋藤卓爾教授の研究 (2008)

上場会社(当時の東証。以下同じ)の中のファミリー企業の割合

ファミリー企業=株主/経営者が創業者一族である会社: 23%

創業者一族が2割以上の株式を保有する会社: 11% (諸外国よりも少ない)

 

ファミリー企業の利益率――有意に高い(有意:統計的に意味があること)

⇒ つまり、一般的な株主が分散している企業に比べ、ファミリーがしっかりしている企業のほうが利益率が高いといわれる。

 

創業者の子・孫が株主かつ経営者の会社――トービンのq(株式市場の評価)が有意に低い

⇒ 「創業者の子、孫だからという理由だけで経営者になれたのではないか?」という投資家からの厳しい目

 

 

中小企業のコーポレートガバナンス

 

・「攻め」のコーポレートガバナンス

経営者と株主の利害は基本的に一致=上場企業と同じコーポレートガバナンスの意味は乏しい

企業承継の問題――経営能力とは無関係に次代の経営者が決定されるおそれ

 

・「守り」のコーポレートガバナンス

コンプライアンス――従業員管理の問題

ファミリーの「私的利益」の問題

 

解は「中小企業経営のルール化」ではないか?

 

 

企業承継問題

 

・相続と後継者(かつては「東京地裁商事部は家族法担当」とまで言われた)

「私的利益」目当ての後継者のリスク

株主間対立のおそれ

婿養子の意義=外部市場と内部昇進のバランス(上場企業では内部昇進のみ――ファミリー企業の方が進んでいる?)

・種類株式を活用した企業承継?

スキームよりも重要な問題は後継者の選定(ルール化し、客観性、透明性を担保すること)

 

 

役員報酬をめぐる紛争

 

ルールを明確にしておいて、恣意的な判断を排除することが重要である。日本の会社法上も「役員の報酬は株主総会で決める」と書いてあり(会社法361条)、これは株主が経営者をコントロールするという発想であるが、中小企業ではこれだけでは不十分。

 

 

コンプライアンスの問題

 

①コンプライアンス=法令遵守

従業員による不正の予防・早期発見

経営トップ(社長)による不正の予防・是正

「経営トップの周辺」の統制も重要

②内部統制システム(金商法=上場会社)

経営トップによる社内の「統制」

社長自身を止める仕組みではない?

COSOレポート(米国の内部統制に関する基本的な文書)でも経営トップの統制には言及なし

 

コンプライアンスのシステム化(見える化)

三様監査(監査役、会計監査、内部監査)+会計参与により、監査を充実させる

「スリー・ストライク・ルール」

 

会計監査、内部監査部門は中小企業にはないところも多いが、個人の会計士など規模が小さくてもいいので、多少でもここを整えていく必要があるのではないか。

 


中小企業の監督(モニタリング)

 

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中小企業の定義・・・

規模だけから考えると、ファミリー企業(家族・同族会社)、大企業の子会社・合弁会社、ベンチャー企業が含まれる

 

コーポレートガバナンスについては、「ルール化されているか否か」が重要

株主間契約、種類株式

社内ルールの整備―特に承継とコンプライアンス

 

 

新たなタイプの監督(モニタリング)

 

・多様性(ダイバーシティ)

⇒ 女性、外国人、障がい者などに活躍の場を提供

・ESG(environment, social, governance)

⇒ 環境や人権への配慮をサプライチェーン全体について実施、開示

 

多様性、ESGについては、大企業だけでなく中小企業でも考えていかなければならない時代になってきた

⇒ 理由の一つとして、中小企業の海外進出がある

 

「日本型経済」論(バブル経済の時代)や、現在の日本経済

 

 

まとめ

主要株主を持つ会社

創業家・一族の影響力=株主利益と経営者の利益の乖離は小さい

(上場会社の子会社も実は同じ)

 

 

課題:

経営トップの承継

コンプライアンス(違法行為の予防・早期是正)

これらの課題に限定した「プチ・コーポレートガバナンス」の実践を

 

以上

 

新規レイヤー

 

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第3回 初めての司会

 

 

こんにちは。朝倉千恵子です。

 

ある年、高井伸夫先生から記念行事の司会依頼をいただきました。

 

その舞台は、毎年恒例で年末に、

高井・岡芹法律事務所が主催している大事なイベントです。

 

当日、会場には400名近い方々が集まっていました。

 

その時は、41回目の年末講演会。

ということは、41年間続けているということです。

 

参加者のほとんどが、60歳を超えている、人生の大先輩方ばかり。

有名企業の顧問、相談役、現役社長様がたくさんご参加されていました。

 

その時私は50歳。

司会を務めるのは初めてのことでした。

 

自社主催とは全く違うプレッシャーを感じ、緊張して数日間眠れませんでした。

 

「選んでくださった高井先生の期待に応えなくては、恩返しをしなくては。」

などと、主役ではないにも関わらず、会場の誰よりも緊張していました。

 

人前に立って話をする仕事をしているにも関わらず、

実は私は、今も昔も、とても緊張する性質で、ものすごくビビりなのです。

小心者で臆病だからこそ、それを見せないように必死に努力してきました。

 

結婚式のスピーチも胃が痛くなるほど緊張します。

当然ながら、初司会もとてもドキドキしていました。

 

恐怖で逃げ出したくなる自分を奮い立たせながら、

「未熟であっても今できる最善を尽くすのだ」と、持てる全てをぶつける覚悟で挑みました。

 

その一回はその場のみ、やり直しなどできない。

 

だからこそ一回一回が真剣勝負。

真剣勝負で全力投球することこそが、

司会を任せてくださった高井先生の想いに応える方法だと思い取り組みました。

 

私の全力投球が伝わったのか、会場にいらっしゃる方々からは

 

「司会、いいね。元気だね。」と言っていただきました。

 

正直に申し上げると、決して上手な司会ができたとは言えませんでした。

とはいえ全力で取り組むことで、こうしてお褒めの言葉をいただくことができ、

後に、たくさんの課題に気付くこともできました。

 

もっと抑揚を出して

もっと感情を込めて

もっとアドリブを入れて・・・

 

あれやこれもできたのではと後悔や反省も尽きませんが、

未来のための改善点が見つかったことも含めて、やはりいい経験ができたと思います。

 

人間は最初から完璧などない

経験を積み、反省し、繰り返し練習を重ねだんだんうまくなっていく。

 

場数を踏み、くり返し実践することの重要性を、身をもって学んだ一日でした。

 

実は最初に、この司会のお話が来たとき、私はお断りしようと思っていました。

高井先生には自分の得意分野で恩返しがしたいと申し出たのです。

 

「司会はプロの人がいます。私は未経験であり、

もっともっと上手なプロの司会者に任せたほうがいいのでは・・・」と。

 

ところが、高井先生からは、

「司会は朝倉さんにお任せします。

今までもプロの司会を依頼したことはありません」とのお答えが。

 

そのとき初めて分かりました。

 

先生は、プロの司会者を探しているわけではない。

私を皆に紹介しようと考えてくださっているんだ。

 

きっと、私にその役割を任せることで、顧問先の方々に

こんな人もいるんだとTアップするきっかけを作ってくださろうとしているんだ、

と気づきました。

 

私の予想は的中しました。

 

当日、高井先生は体調が優れない中、

講演会の最初から最後まで最前列でご参加されていました。

 

主催者を代表とする挨拶では、立ちっぱなしで30分以上もお話をなさっており、

会場の全員がビックリするほどの元気なお姿を見せてくださいました。

 

実はこの時、進行時間を大幅に超え、

第二部の開始時間もゆうに過ぎていました。

 

そんな中、先生は、

「事務所のPRもしなきゃね・・・」

とおっしゃいながら、最後に私のことを皆の前で語ってくださいました。

 

時間も押しており、きっと司会までの紹介はないと思っていました。

にも関わらず、先生は

「今回司会をお引き受けくださった朝倉さんは・・・」と話始め、

 

「たゆまぬ努力とチャレンジの人。

かの有名な地獄の特訓でトップの成績を上げた営業の天才。

 

創設8年の会社ではあるが、企業研修のリピートはこのご時世になんと95%。

この実績からもいかに満足度の高いセミナーを提供しているのかが

おわかりいただけると思います。

 

女性限定の「トップセールスレディ育成塾」も行っており、

その受講生は1400名を超えている。

 

どのような事業体であろうと、販売即経営の姿勢が大事。

 

ぜひ、社員教育で悩まれている方は、

株式会社新規開拓に相談されてみてはいかがでしょうか?」

と、しっかりPRしてくださいました。

 

私は、その時

高井先生との出逢いから今日までを振り返り、

本当にありがたいな・・・と心底思いました。

 

「お宅の社員は無能・・・」とまで言い放たれた方が、

それから6、7年が経ち、

弁護士の先生方に「新規開拓の社員の方々から意見を聞きなさい、学びなさい」と

言ってくださるようになりました。

 

胸が詰まりそうになりました。

 

高井先生は、確実に成長したわが社の社員を認めてくださっている。

努力を認めてくださっている。

 

とても嬉しいお言葉でした。

 

苦手意識のあった司会にチャレンジする機会を頂いたことで、

貴重な出逢いをたくさんいただくことができ、ビジネスチャンスも生まれました。

 

まさに、「向き不向きより前向き」!

私が信条としていることを実践できた機会でした。

 

そして、もう一つ。

講演会が始まる前にご挨拶にいった際、先生は一言、こう仰いました。

「謙虚にね・・・」

 

高井先生のこの一言があったからこそ、

この日頂いたたくさんの貴重な出逢いを、

ご縁としてつなげることができたのかもしれません。

 

驕らず、謙虚に。

 

今も、そしてきっとこれから先もずっと、私の胸に深くしみ込んでいるお言葉です。

 

株式会社新規開拓
代表取締役社長 朝倉千恵子

 

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