当社には従業員相互の共済互助活動としての社員会があります。従業員に毎月社員会費を支払ってもらい、従業員の傷病や結婚の際に、傷病者見舞金や結婚祝金の支払いに当てていますが、労働法上注意すべき点はないでしょうか。

労働基準法18条1項が禁止している強制貯金に当たらないよう注意が必要です。また、賃金から社員会費等を控除する場合には、過半数労働組合又は従業員代表との間の労使協定が必要です(同法24条1項ただし書き後段)。

労働基準法18条1項は、「使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。」と定め、強制貯金を禁止しています。
そのため、本件の社員会費が、同条項が禁止する強制貯金に当たるか、という問題があります。

強制貯金については、「労働契約に附随して」、すなわち、「労働契約の締結又は存続の条件とすることをいい、労働契約中にはっきりと貯蓄をすることが約定されている場合はもちろん、雇入れの条件として貯蓄契約をしなければ雇い入れないとなっていると客観的に認められる場合又は雇入れ後に貯蓄の契約をしなければ解雇するという場合がこれに該当する。」(厚生労働省労働基準局編『平成22年版 労働基準法 上』253~4頁)とされています。

他方、「従業員全員に賃金の一部拠出が義務づけられている場合であっても、それが労働者相互の共済互助活動としての組織の掛金であり、その拠出金が、福利施設や傷病者見舞金、結婚祝金等特定の事由が発生した労働者についてのみ支払われ、個々の労働者にとっては拠出額以上の給付を受けることがあったり、又は全く給付を受けないようなものは、本条にいう貯蓄金とは考えられないので、その拠出金を使用者が保管管理していても、本条には抵触しないと解される。」(厚生労働省労働基準局編『平成22年版 労働基準法 上』255頁)とされています。
そのため、本件の社員会費は強制貯金には当たらないと思われます。

また、労働基準法24条1項ただし書き後段は「また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。」と定めており、賃金控除にあたっては過半数労働組合又は従業員代表との間の労使協定が必要である点についてもご注意いただく必要があります。

以上