当社では、定年後、再雇用した社員について、1年ごとの雇用契約を締結し、契約の上限年齢は65歳としています。今回、ある社員について、勤務態度に問題が見られるため、65歳に達する前に雇止めしたいと考えていますが、雇止めは可能でしょうか。

定年後再雇用した社員の雇止めの可否についても、有期労働契約である以上、有期労働契約の更新等について定める労働契約法第19条の要件該当性が問題となります。ただ、高年齢者雇用安定法第9条第1項が65歳までの雇用確保措置を講じることを事業主に義務付けている以上、再雇用された社員は65歳までの雇用継続に対する合理的期待可能性を有していると判断される可能性が高く、合理的期待可能性を有していると判断された場合には、労働契約法第19条第2号の「当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること」の該当性が認められ、雇止めについては、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要となります。

この点、本件と同様に、定年後1年ごとの雇用契約により再雇用した者の勤務態度不良等を利用とする雇止めの有効性が争われた千曲食品事件(東京地裁平成28年4月27日判決)においても、労働契約法第19条第2号に該当することを認めたうえで、雇止めは客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないとして、雇止めを無効としています。

したがいまして、定年後再雇用者の雇止めについては、労働契約法第19条第2号の雇用継続に対する合理的期待可能性が認められることを前提に対応する必要があります。合理的期待可能性が認められれば、雇止めには客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要になるので、無期雇用契約の解雇と同程度厳格に判断されることになります。

そして、ご質問の様なケースについては、勤務態度が不良であること、勤務態度について注意指導を行ってきたが全く改善されないことを指導書面の様な客観的記録で残しておくことが最低限必要となると考えられます。

 

以上