外部の労働組合から団体交渉を申し入れられています。①開催場所について、組合からは会社会議室を提案されていますが、外部の貸会議室を指定しても問題ないですか?②団交時間について、2時間に限定しても問題ありませんか?③出席者について、組合からは代表者の出席を求められていますが、応じる必要がありますか?

①開催場所について

会社が会社施設内での団体交渉には応じないとした対応が問題になった事例において、裁判所は、「団体交渉の場所は、本来労使双方の合意によって定められるべきであり、一般には労働者の就業場所で行うのが団結権維持の観点から適当であると解せられるが、合意の整わない場合において使用者が一方的に就業場所以外の場所を指定したとしても、そのことに合理的な理由があり、かつ、当該指定場所で団体交渉をすることが労働者に格別の不利益をもたらさないときには、使用者がその場所以外での団体交渉に応じないとすることをもって不当労働行為にあたると解すべきではない。」(四條畷カントリー倶楽部事件・大阪地判昭62年11月30日)と判示しており、命令例でも労働委員会は同じような規範を立てています(日本モーターボート競争会事件・中労委決平成22年3月31日)。

したがって、まずは会社会議室で開催することに関して組合の了解が得られるように努めるのが適切ですが、組合の了解が得られなかった場合に、開催場所を巡って団交拒否できるかどうかは、例えば団体交渉を社内で開催すると業務上支障が生じるといった事情が一応説明でき、かつ、会社が指定した貸会議室の場所が例えば組合側が行くにはかなり遠いとったこともないことが必要となります。

 

②団交時間について

会社が団交ルールとして団交時間を2時間とすることなどを提案したのに対し、組合がこれに応じなかったので、団交を拒否した事案で、裁判所は、「交渉の時間は、交渉進展の如何にかかわらず、常に一定の時間で打ち切ろうとすることには無理があり、合理的な延長を必要とする場合もあることは明らかであるところ、原告(注:会社)主張の時間に関する条件については、右のような合理的な延長を容認するものであることを認めるに足りる的確な証拠はない。したがって、交渉の時間を常に2時間以内と制限し、交渉の進展如何にかかわらず、これを打ち切ろうとする原告主張の条件は、合理性を有しないものというべきである。」(商大自動車教習所事件・東京地判昭和51年3月26日、東京高判昭和62年9月8日、最判平成元年3月28日)と判示しています。

団交時間を2時間として提案すること自体は問題ありませんし、実務上2時間程度としているケースが多いと思いますが、状況如何にかかわらず2時間を超えて団体交渉には絶対に応じないという態度は不当労働行為に当たってしまいます。実際に行われた団体交渉において、2時間で終了させるには切りが悪いような場合は、多少延長するといった柔軟な姿勢が必要となります。

 

③出席者について

使用者は、誠実交渉義務の一内容として、交渉権限のある交渉担当者を団交に出席させることが求められますが、そのような者である限り、誰を出席させるかは使用者の裁量に属するとされています(兵庫県労委平成21年(不)第5号事件)。したがって、交渉権限のある方が出席すれば、代表者の出席を求める組合の要求に応じる必要はありません。

以上