退職した従業員から証明書の発行を求められました。どのような内容を記載し、いつまでに発行するのでしょうか。

(1)まず、退職した従業員から、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書の請求があった場合には、これらの証明書を「遅滞なく」(可及的速やかに)交付する必要があります(労働基準法22条1項)。これらの事項は、退職者から請求があった場合には、必ず記入する必要があります。退職の事由が解雇の場合、解雇の理由も含むとされています(通達:平11・1・29 基発45号、平15・12・26 基発1226002号)。

離職票は、ハローワークに提出する書類であり、退職時の証明書に代えることはできないとされています(通達:平11・3・31 基発169号)。

ご参考まで、通達(平11・2・19 基発81号)に添付されているモデル退職証明書を添付します。

http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/standard/relation/13.pdf

退職証明書

              殿

以下の事由により、あなたは当社を     年   月   日に退職したことを証明します。

                                                                                     年   月   日

事業主氏名又は名称

使用者職氏名

① あなたの自己都合による退職 (②を除く。)

② 当社の勧奨による退職

③ 定年による退職

④ 契約期間の満了による退職

⑤ 移籍出向による退職

⑥ その他(具体的には              )による退職

⑦ 解雇(別紙の理由による。)

※ 該当するものに〇を付けること。

※ 解雇された労働者が解雇の理由を請求しない場合には、⑦の「(別紙の理由による。)」を二重線で消し、別紙は交付しないこと。

別紙

ア 天災その他やむを得ない理由(具体的には、

によって当社の事業の継続が不可能となったこと。)による解雇

イ 事業縮小等当社の都合(具体的には、当社が、

となったこと。)による解雇

ウ 職務命令に対する重大な違反行為(具体的には、あなたが

したこと。)による解雇

エ 業務については不正な行為(具体的には、あなたが

したこと。)による解雇

オ 勤務態度又は勤務成績が不良であること(具体的には、あなたが

したこと。)による解雇

カ その他(具体的には、

)による解雇

※該当するものに○を付け、具体的な理由等を( )の中に記入すること。

(2)また、解雇した従業員から、解雇の理由について証明書の請求があった場合には、その証明書を「遅滞なく」(可及的速やかに)交付する必要があります(同法22条2項)。

ご参考まで、東京労働局の様式を引用します。
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/standard/relation/22.pdf

解雇理由証明書

              殿

当社が、   年   月   日付けであなたに予告した解雇については、以下の理由によるものであることを証明します。

年   月   日

事業主氏名又は名称

使用者職氏名

〔解雇理由〕※1、2

1 天災その他やむを得ない理由(具体的には、

によって当社の事業の継続が不可能となったこと。)による解雇

2 事業縮小等当社の都合(具体的には、当社が、

となったこと。)による解雇

3 職務命令に対する重大な違反行為(具体的には、あなたが

したこと。)による解雇

4 業務については不正な行為(具体的には、あなたが

したこと。)による解雇

5 勤務態度又は勤務成績が不良であること(具体的には、あなたが

したこと。)による解雇

6 その他(具体的には、

)による解雇

※1 該当するものに○を付け、具体的な理由等を( )の中に記入すること。

※2 就業規則の作成を義務付けられている事業場においては、上記解雇理由の記載例にかかわらず、当該就業規則に記載された解雇の事由のうち、該当するものを記載すること。

(3)さらに、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く)の不更新(雇止めともいう。以下同じ。)を予告し、または不更新とした場合に、その対象となっている従業員から不更新の理由について証明書の請求があった場合にも、その証明書を「遅滞なく」交付する必要があります。

ご参考まで、筆者作成の書式の一例を添付します。

有期雇用契約を更新しない理由に関する証明書

              殿

当社が、     年   月   日付で貴殿との有期雇用契約を更新しないことを通知しましたが、契約を更新しない理由は下記のとおりであることを証明します。

年   月   日

事業主氏名又は名称

使用者職氏名

 

 

契約を更新しない理由
事業規模縮小による人員削減のため

 

(4)「労働基準法」、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」では以下のように定められています。

◎ 労働基準法22条(退職時等の証明)/下線は筆者

労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

2 労働者が、第20条第1項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。

3 前2項の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。

4 使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第1項及び第2項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。

 

◎ 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(平成15年10月22日厚生労働省告示第357号)2条(雇止めの理由の明示)

前条の場合〔筆者注:「有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。次条第2項において同じ。)を更新しないこととしようとする場合」〕において、使用者は、労働者が更新しないこととする理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。

2 有期労働契約が更新されなかった場合において、使用者は、労働者が更新しなかった理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。

以上